7歳以降はシニアといわれる年齢に突入する。人間も年齢を重ねるとさまざまな病気が増えてくるが、それは犬も同じだ。どんな病気に気をつけたらいいのか知っておきたい。
7歳以降のチワワに多い病気
1.皮膚のトラブル
【どういう状態?】
通常は4歳でさまざまな細菌やカビ、ダニなどに抵抗する皮膚のバリア機能ができあがる。7歳以降になって皮膚にトラブルが起こった場合は、皮膚のバリア機能を落とす何らかの異常が起こっている可能性がある。その原因が何なのかをしっかり調べることが必要だ。下の代表的な疾患の他に、ホルモンの異常による病気が関連して皮膚に症状を起こすこともある。体を非常にかゆがっている、かゆみがなくても脱毛が見られるなどしたら要注意。
【代表的な疾患】
■脂漏症
かゆみをともなう皮膚のトラブルとして多いのが脂漏症。7歳以降に発症すると、若い時と比べて症状が悪化しやすくなる。さまざまな原因で皮脂が多くなり、かゆみ以外には体をなでるとベタつく、フケが増えるなどの症状が見られる。主な治療法は、抗脂漏シャンプーによる薬浴などを行っていくが、別の病気が原因になっている場合は同時にその治療も行う必要がある。
■皮膚感染症
7歳以降になって一番に心配しなければならないのが皮膚感染症。皮膚感染症で多いのは次の3つ。これらの感染症の症状が7歳以降で全身に起こる場合、体の中で何か相当な異変が起こっているサインと考えておきたい。それぞれ必要に応じた治療を行うが、別の病気が原因の場合はその治療も欠かせない。
・膿皮症
ニキビダニも通常から毛穴に寄生しているが、皮膚の免疫力が低下すると増殖し炎症を起こす。毛包虫症、アカラスともいわれる。主な症状としては、強いかゆみはなく、脱毛したところが赤黒くなるのが特徴。
・真菌症
真菌(カビ)が原因で皮膚に炎症を起こす。かゆみはほとんどなく、感染した部分に円形の脱毛や赤い発疹ができるのが主な症状。免疫力が低下していると症状が悪化しやすく、また細菌などの二次感染を引き起こしやすくなる。
・ニキビダニ症
常に犬の皮膚の表面にいる細菌、主にぶどう球菌が毛穴の中に入って増殖し炎症を起こす。かゆみはほとんどなく、赤や黄色の発疹ができるのが主な症状。体の免疫力が低下していると全身に症状が出てくる。
2.血液のトラブル
【どういう状態?】
体の免疫力の低下が、単に加齢だけが原因ではない場合もある。例えば、腫瘍などができていると免疫力は低下する。7歳以降で貧血を起こした場合は、やっかいな病気が潜んでいることを疑った方がいい。歯茎や舌、まぶたや耳の内側など、粘膜の色がいつもに比べて白っぽくなっていたら、貧血を起こしている可能性がある。若い頃から健康時のそれらの色を知っておくようにしたい。
【代表的な疾患】
■免疫介在性溶血性貧血
何らかの原因で免疫機能に障害が生じ、自身の赤血球を壊してしまい、貧血を引き起こす病気。治療にはステロイド剤や免疫療法剤、化学療法剤の投与、必要に応じて輸血を行う。貧血に関する病気は数が多く、症状はどれも似ているため、症状からだけでは区別できにくい。血液検査を行って診断していくことになる。
3.歯のトラブル
【どういう状態?】
愛犬の口のニオイが気になる、以前に比べて臭くなった。これらの症状が歯の異常に気づくサインのひとつ。食べカスなど、歯の汚れである歯垢は、72時間以上経つと歯石にかわる。若い頃から歯垢をためないことで歯のトラブルは予防できる。チワワは歯が小さいので綿棒などを使って磨いてもいい。歯磨きを習慣にしておこう。
【代表的な疾患】
■歯周病
歯石の中の70%以上が歯周病菌で占められている。歯周病菌は、歯肉の炎症だけでなく、全身に影響を及ぼす場合があり、細菌性心内膜炎、腎不全など、2次的な病気を引き起こしやすい。特に細菌性心内膜炎を発症すると、犬の場合、命を落とすことになる。治療には歯垢や歯石の除去の他、症状に応じた治療を行っていく。
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4.目のトラブル
【どういう状態?】
目は口ほどにものをいう、といわれるだけに、目は普段との違いがわかりやすい部分。チワワは特に目が大きいこともあり、目の色の変化にも気づきやすい。7歳以降で注意したい目のトラブルには、次の3つがあげられる。目の色が白っぽくなった、目ヤニが増えてきたなどが見られたら、早めに動物病院で診てもらおう。
【代表的な疾患】
■核硬化症
目のレンズの役割をしている水晶体は、加齢とともに硬く厚くなってくる。そのため目が白く見えてくるのが核硬化症。老化現象のひとつであり、人間の老眼と同じで治療法はない。5、6歳過ぎから症状は始まってくるが、7歳以降、年齢を重ねるにつれ、さらに白さを増してくるため白内障と間違えられやすい。
■白内障
白内障の原因にはさまざまある。チワワは目が大きくやや前に出ているため、若い頃に外傷性角膜潰瘍など目に傷を負っていると、その傷が原因で高齢になってから白内障を起こす場合もある。目が白く濁ってきて、進行するとやがて視力を失ってしまう病気。点眼薬で進行を抑えていくか、手術による治療を行っていく。
■ドライアイ
高齢になるとより発症するケースは増える。涙腺の退化や免疫介在性などが原因により、涙が出てこなくなってしまう。朝起きた時に目ヤニでくっついて目が開かない、白い目ヤニ(黒っぽい場合もある)が出ている場合はドライアイを疑って。点眼薬で治療していくが、ドライアイが長引くと色素性角膜炎を合併する場合もある。
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チワワスタイル vol.24『シニア期になったら注意しておきたい! チワワに多い病気 7歳~編』より抜粋
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