チワワの魅力を引き立たせてくれるひとつになるのが、美しい毛並み。健康な被毛とはどんな状態なのか、被毛トラブルにはどんなものが多いのかを知って、愛犬の被毛を守ってあげよう。
健康な被毛とは?
チワワにおける健康な被毛とはどんな状態を示すのだろうか。ロング(長毛)とスムース(短毛)では、それぞれ下にあげた通り。どちらも共通して普段から被毛の生えかわりがあるが均等に抜ける。換毛期であっても、毛の密度は変わらないというのが正常な状態。
■健康なスムース
・毛づやがある
・毛が密に生えている
・べたつきがない
■健康なロング
・ふわっとしている
・毛玉ができていない
・さらっとしている
・被毛に輝きがある
■どちらにも共通
・地肌が綺麗な薄ピンク色をしている
・毛と毛の間に地肌が見えない
・毛が均等に生えている
こんな場合は異常かも?
■被毛が一気に抜ける
夏の暑さに向けて冬毛から夏毛へ、冬の寒さに向けて夏毛から冬毛へと生えかわる時期が換毛期。この時期は正常でも普段よりも抜け毛は多くなる。
しかし、新しい毛も同時に生えてきているため、毛の密度は変わらない。換毛期以外で一気に抜ける場合は異常が疑われる。
■地肌が見える
ロングの場合はわかりにくいかもしれないが、スムースであれば犬を上から見て地肌が見えていたら異常と考えて。
脱毛の部位が限定的にある、あるいは全体的に毛と毛の間が空いて地肌が見えるなど、いろいろなパターンがある。
■ブラッシングの通りが悪い
ロングの場合、健康な被毛であればブラッシングをした時に素直にブラシが通るもの。
チワワの被毛は全体的に細めだがブラッシングをすればふわっとなる。
ブラシが引っかかる、ふわっとさせようとしてもなかなかならないという場合は、被毛にべたつきがあったり、被毛のコシが弱くなっていることが考えられる。トラブルを起こしている原因を調べてもらうこと。
■べたつきがある
べたつきあるのも異常が考えられる。ロングだとべたつきがあると毛と毛がくっついて束のようになっているので気づくことも。スムースは見た目だけではわかりにくい。
犬の尻側から頭側へと毛を逆立てるように指で撫でてみよう。撫でた指を触ってみるとべたつきがあるかがわかる。
もしかして、これも異常?
■換毛期じゃないのに毛が抜ける
換毛期以外でも、通常、被毛は一定のサイクルで発育と脱毛を繰り返している。そのため、換毛期ではなくても毛は抜けるもの。
抜ける量には個体差があるが、いつもと比べて量が多い、毛と毛の間に隙間が空いているなどが見られたら、トラブルが起こっていると疑って。
■ロングなのに毛が伸びない
チワワには多くはないが、CDA(カラーダイリューションアロペシア)という先天的な病気がある。
症状はロングでも毛が伸びず、毛が細く全体が透けた状態に。治療法はないため、一生付き合っていくことになる。
■背中が湿っている
犬は人間と違って、本来は肉球にしか汗はかかないもの。
しかし、アトピーやアレルギーなど何らかの病気で慢性的に皮膚への刺激が加わっていたりすると、背中などに汗をかくことがある。
また生まれつき汗腺にトラブルを持っている場合も。
■こまめにシャンプーしてもパサついている
皮膚に問題がなく健康であれば、シャンプーは月に1~2回でOK。パサつく時はシャンプーのしすぎや種類があっていない可能性も。
新しいシャンプーを使う時は原液を10倍程に水で薄め、耳の内側に少しだけつけて一晩置いて様子を見よう。翌日に赤くなっていなければ問題ない。
■毛がテカテカしている
ロングよりもスムースによくあるが、べたつきがひどいとテカテカしているように見えることがある。それをつやに勘違いしてしまう場合も多い。
でも実は脂漏症という病気が発症していることも考えられるので、調べてもらうこと。
■地肌が見えてきた
普通にブラッシングしていて地肌が見えてきたら、病気の可能性をまず疑い、動物病院へ。
ただ、時にホルモンの影響が絡んでごっそり毛が抜けることも。その場合は元に戻ることもあるが、多くの場合は病気を疑った方がよい。
皮膚の状態もチェックしよう
被毛がぱさついている、べたついている、大量に抜けてきたなど、いつもと違うなと思ったら、被毛をかき分けて皮膚の状態を見てみよう。
皮膚に何らかのトラブルが起こっていることで被毛に影響が出るケースは多い。
□ 赤いブツブツができていないか
□ 円形に脱毛してフケが大量に出ていないか
□ 皮膚がカサカサしていないか
チワワに多い皮膚の病気
■脂漏症
被毛がべたついている時、チワワに多いのが脂漏症。原因にはさまざまあるが、脂腺が発達することで被毛がべたつき、痒くなるのが主な症状。
逆に地肌がカサカサと乾燥していたり、フケが溜まっていたりする場合もある。
■アトピー
アトピーによる皮膚のトラブルもチワワには多い。
アトピーは生まれつきの体質のものであるが、アトピーから脂漏症など他の皮膚病を二次的に起こし、被毛に影響を及ぼすことも。
べたつきがある時は調べてもらうこと。
■膿皮症
皮膚に赤いブツブツができていたり、円形に脱毛してフケが大量に出ているなどの場合は、膿皮症の可能性が高い。細菌感染によって起こる病気。
他にも皮膚の病気にはいろいろある。きちんと判別してもらうことが大切。
皮膚の異常の原因になるもの
■舐めこわし
シャンプー後、自然乾燥させようと炎天下に置いておくと、毛の表面だけ乾いて皮膚が蒸れたままになりかゆみを生み出す。
それを犬が舐めて皮膚を傷つけてしまう。ドライヤーの温風をあてすぎてもかゆくなる可能性があるので注意。
■ストレス
精神的に何からの相当強いストレスがかかると、脱毛が起こることもある。脱毛以外にも皮膚の炎症や痒みなどが出る場合も。
上記の舐めこわしも飼い主の気を引きたいなど、精神的ストレスを持っている時にも出る場合がある。
日頃から被毛の状態を見ておこう
被毛の状態を健康に保つためには、バランスの良い食事を与えるのはもちろん、運動や散歩で日光浴をさせてあげることも大切。
外の温度を感じさせることで、それが皮膚の活性化に繋がる。
また、ブラッシングは無駄毛を取り除くだけでなく、皮膚の血行を良くすることになる。
そして、できるだけストレスのない生活を送らせてあげることが大切だ。
愛犬の被毛の状態を、普段から家の中で同じ条件下で写真を撮っておくとちょっとした変化にも気づきやすい。
異常を少しでも早く見つけてあげるように心がけておきたい。
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チワワスタイル vol.26『美しい毛並みをキープするために知っておきたい チワワに多い 被毛のトラブル』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。