犬びより

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【柴犬ストー部はじめました!】暖房器具で起こるリスクと安全な使い方

2018/11/30

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この時期、犬も大好きな暖房器具たち。暖かくて心地よい反面、やけどや一酸化炭素中毒などのリスクも。そうならないためにも、安全・快適に暖をとるための方法を考えてみよう。
 

犬は熱を感じにくい。暖房で起こるリスクを知ろう

ストーブの前に陣取ってウトウトしている愛犬。気持ちよさそうだな~とほほえましく見守りつつ、気づけば毛がアツアツになっていて、あわてて引き離した、なんて経験がある人も多いのでは。

人と比べて、犬は熱さを感じにくい。その場合は感覚がにぶいのではなく、皮膚の上にぶ厚い毛があるため。人も焚き火をした時、手や顔では熱を感じやすいが、衣服の中の体は平気で、でも気づいたらコートが熱くなっていたことはないだろうか。犬もそれと同じ。さらに老犬や子犬は熱さを感じにくい傾向にあり、個体差もある。

暖房器具を使うことで、犬に起こり得る危険は下記の通り。各暖房器具の特性やリスクを理解して危険が起こらないよう予防することはもちろん、いざという時のために応急処置も覚えておくと安心だ。

 

ストーブの種類とリスク

▼熱風で温めるもの
直火は出ないが触ると熱い、ファンヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーターなどは、長時間あたるとやけどする可能性がある。

▼熱を発して燃えるもの
石油ストーブ、ガスストーブ、薪ストーブなど、直火が出て温めるタイプの暖房器具は、やけどをしたり、毛が燃える危険がある。

▼接触して温めるもの
床暖房、ホットカーペット、カイロなどは、寝たきりや病気で動けない犬がずっと同じ部分をあてると低温やけどになるリスクがある。

▼火事や中毒、、感電にも注意!
この他、灯油や石油ストーブなど燃料が必要なものは、こぼれて引火すると火事を引き起こすリスクも。また灯油がもれることで灯油中毒になったり、ガスのホースを噛んでしまうことでガス中毒を起こしたり、換気不足により一酸化炭素中毒になることも。電気ストーブなどのコードを噛めば感電する危険も。エアコンは設定温度が上がりすぎることがないため事故のリスクは低いが、空気が対流するためアレルギーの犬には向かないこともある。

 

犬のやけど・低温やけど

▼やけどはストーブの下敷きになったり火事で負う

やけどのレベルは深さによって3段階あり、1度熱傷は、表皮の熱傷で傷みがあり、皮膚が赤くなるが3~4日で減少。患部への接触を少し嫌がるくらいで生活に支障ないので気付きにくい。

2度熱傷は真皮に達し、浅達度と深達度に分かれる。浅達度は水ぶくれができるが、ひどくはならない。患部にふれると鳴く、接触を避けてそっと動くなど痛くない工夫をする。全治2週間程度。深達度2度熱傷は、強い痛みや水ぶくれができたあとじゅくじゅくし、ケロイド状の痕が残る。場合により移植手術が必要で全治1ヶ月程度。

火事やタバコの火の押し付けなどでなる3度熱傷は、皮下組織まで達し、神経も壊れ、痛みを感じない。自然治癒せず、皮膚移植が必要。

やけどの広さの度合いも3段階あり、軽傷度は顔や性器などの特殊部位以外の2度熱傷で体の15%未満。中傷度は、2度熱傷で体の15~30%もしくは3度で2~10%。重症度はそれ以上の広さか、特殊部位を含み、死亡の可能性もある。

 
▼ホットカーペットや床暖房、カイロは低温やけどに注意!

やけどは皮膚の表面がダメージを受けるのに対し、低温やけどは皮膚の深部に受けるため治りにくい。また激しい痛みがなく、気付きにくいので、いつの間にか進行していることも多い。低温やけどでも、2~3度熱傷になりうる。軽症なら低温やけどと診断を受けるまでもなく治ることも多いが、2度熱傷を超えると、見た目は大した変化がなくても、皮膚の深部は相当なダメージに。さらに3度熱傷になると痛みを感じなくなり、自然治癒できない。

人は体毛がないので、熱いと思えば暖房器具から離れるが、犬は毛で覆われているのでずっと同じ姿勢であたっていることもある。特に老犬や子犬は、感覚がにぶいのでその傾向が強い。若い犬でも病気で血流が悪いとか、あるいは寝たきり、麻痺の犬は要注意だ。ホットカーペットに直に寝て、24時間たつと低温やけど2度熱傷になるといわれる。人が一瞬触ってほんのり暖かいと感じる温度は45~50度。長時間あたるとかなり熱いと覚えておこう。

 
▼やけどや低温やけどしやすい場所

犬がやけどしやすい部位は、毛が薄いところ。例えばお腹や、骨ばっている腰のあたり、膝の外側などは要注意。やけどで痛みや違和感を感じる場合、犬は痛くならないような工夫を自らするようになる。例えばお腹をやけどした場合は、抱っこされるのを嫌がる、お腹を撫でられないようにするなどの態度をとるようになる。やけどをしたのがお尻付近なら、患部が地面と接触するのを嫌がり、座ろうとしなくなったりするかもしれない。

このように、他に原因が思い当たらないのに、犬が普段と違う姿勢をとったり、不自然な動きをするようなら、やけどや低温やけどを疑ってみてもいいだろう。

 
▼やけどや低温やけどの応急処置

まず、絶対にしてはならないのは、飼い主の判断でアロエや軟膏などを塗ること。よかれと思ってやっても、適切でないものを塗ってしまった場合、動物病院で洗い流そうとしても痛がるので除去できず、結局適切な軟膏を塗ることができなくなる。水ぶくれをつぶさないことも大切冷やしすぎも禁物だ。冷やしすぎることで症状がよくなるわけでもなく、かえって血管が収縮したり、赤みがひいて判定しにくくなる。保冷剤や氷は使わず、冷たい水でゆるくしぼったタオルで抑えるくらいが適切。冷湿布やガーゼなどもはがす時に痛いので使わないこと。

1度熱傷ならまず冷やし、早めに動物病院へ。表皮のみのダメージなので外用薬塗布で治癒できる。薬は動物病院で処方してもらおう。2度熱傷になると水ぶくれができるので、つぶさないようにまわりを冷やし、早めに動物病院へ。外用薬や、感染症予防のために内服薬を処方されることも。深い場合はガーゼやパッドで保護することもある。3度熱傷では皮膚が白くなってくるが痛みはない。気付いたら早く動物病院へ。

 

感電

ストーブのコードをかじることが原因に!

家庭用電気器具の電流でも十分、感電するリスクはある。症状はショック状態、皮膚の損傷やけど、けいれん、意識障害、痛みなど。重症度は電圧、触れた時間、通電したルートによっても異なり、心臓を通るルートだと死に至ることも。

電気は水を好むので、服を着ている人間の場合でも体がルートになりやすく危険だが、基本的に服を着ない犬はさらにダイレクトに体に感電しやすいといえる。少しの電流なら痛みを感じたらすぐ避けられるが、高い電流だとそのまま動けず死ぬことも。

また、犬が感電した場合、それを触った飼い主への二次被害も注意。犬が感電したら、まずブレーカーを落とすこと。コードが漏電していたり、通電している可能性があるので、ゴム手袋をしよう。

犬の体に触る時もゴム手袋着用で、意識を確認し、胸の動きや口元で呼吸音を聞いて呼吸を確認。心臓に手を当てて鼓動チェック。心肺停止なら人工呼吸と心臓マッサージは交互に行う。人工呼吸は鼻を口でくわえて息を吹き込む。1分間に10~15回心臓マッサージは犬を横向きにし、男性は胸の下に左手をあて、女性は心臓を上から押す10秒間に10~15回。その後早めに動物病院へ。

 

一酸化炭素中毒

燃焼系ストーブ&換気不足でなる恐れが!

酸素は通常、血液中のヘモグロビンと結合して全身に運ばれるが、一酸化炭素は酸素よりもヘモグロビンと結合しやすいため、一酸化炭素を吸引すると全身に酸素が運ばれなくなり、酸欠に。

最初はめまいがして、意識がなくなるが、そのうち死亡することも。特に狭い場所だと進行が早い。見た目は寝ているようで、においもないので気付きにくいが、普段から換気をこまめにすることを心がけて予防を

一酸化炭素中毒になったら、救助する人が二次被害を受けないよう、ぬれタオルなどで口鼻をおさえながら換気し、発生源を止める。発火しやすいので、あらゆるスイッチはつけないように。犬を早く、より換気のよい所に連れ出し、体が冷えていたら保温。意識がなければ動物病院へ。

 

使い分け&危険防止で安心快適ストーブ生活

やけどを防ぐためには、暖房器具に長時間あたらせないようにすることはもちろん、物理的に暖房器具との距離をつくるため、ストーブガードなど柵をつけることもおすすめだ。特に熱を発して燃える石油ストーブ、ガスストーブ、薪ストーブなどや、ファンヒーター、ハロゲンヒーター、オイルヒーターなどは距離をおけるようにしておくと安心。ホットカーペットや床暖房は、直接熱があたらないようカバーをかけておくといい。

人が触った時に、すぐ暖かいと感じるものは、けっこう温度が高い。そこに犬がずっと、全身であたっているのは危険だ。また中毒を避けるため、燃料があるものはこぼれないようにし、こまめな換気を。また感電しないよう、コードはカバーをかけるか、犬の届かない場所に移動させて

留守中は床暖房やエアコン、人がいる時は薪ストーブなど、使い分けることでもリスクを防ぎやすくなる。なお暖房器具はつけっぱなしにせず、寒い時に入れるメリハリも大切。

外気温との温度差にも気をつけよう。散歩前に暖かい部屋にいて、いきなり寒い外に散歩などに行くと体に負担がかかってしまう。まず部屋から廊下に出てクールダウンしてから出るとか、出る前に少しの間ストーブを消すなどして、温度のギャップをなくしてあげよう。

飼い主が工夫して暖房器具とうまくつき合いながら、冬を暖かく、快適に乗り切っていこう!

 
 
Shi‐Ba vol.93『柴犬ストー部はじめました』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。