柴犬ファンが好む「柴距離」とは、柴犬が飼い主ととる距離のこと。確かに日本犬はべったりじゃない……!距離をとる秘密とは? 心地いい距離とは? そんな問題にギュッと近づいてみた!
なぜ距離をとる?考えられる3つの理由
1.日本犬は比較的警戒心が高めの犬種だから
初見の人や物に対して、警戒心を抱く傾向がある。「一見さんお断り」的な日本人気質も影響しているかも。
2.ベタベタする接触をあまり好まない傾向にあるから
抱っこされてかわいがられるような愛玩犬ではない。ベタベタした接触経験が少ないことも影響してそうだ。
3.猟犬や番犬など歴史的背景や役割が影響しているのかも
猟犬、番犬など、獲物や他人に対して距離をおくことが求められていたことが影響しているのかも。
“柴距離”ができるまで
柴犬は子犬の時には接触を好んでも、次第に飼い主との距離をとる傾向がある。
怖がりだと子犬の時から距離をおきたがるが、社会化期の子犬は比較的警戒心が低く、いろいろなものを受け入れる傾向が強いようだ。
一般的には初めてのヒートを迎える6ヶ月くらいになると警戒心が強くなり、見知らぬ物や人等に対して距離をおくようになる。これは思春期に大人との距離をおく人間と同様かもしれない。
“柴距離”を詰めるとどうなる!?
飼い主以外の人や物などの知らないものが無理矢理距離を縮めてきた場合、犬はどんな態度をとるか?
まずは固まって様子を見、さらに近づいて身の危険を感じたら逃げる。しかし逃げ切れないと判断すると犬は、吠える、噛むなどの攻撃に出る。
犬がこのような警告サインを出したら、それを見逃さず、その場から離れるなどトラブルにならないように工夫をし、見知らぬ犬には近寄らないのが一番だ。
柴犬の開けるべき距離&詰めるべき距離
基本的に、柴犬をはじめとする日本犬は近づきすぎるのが苦手で、飼い主側もそれを心地よく思っている。
絶妙な距離感がファンの心をつかんでいる理由でもあるが、どうしても距離を縮めなくてはならない時がある。それはお手入れや動物病院へ行く時だ。
タオルで体や足を拭く、ノミ・ダニ駆除薬やブラッシングなど日々の中で必要とされるケアはもちろん、健康診断や病気のケアで動物病院へ行く時に、人間との接触は避けられない。これは犬のQOL(クオリティオブライフ)に関わるからだ。犬の衛生面、健康面を守る上で人間の役割は大きいからこそ、詰めるべき距離があることを知っておこう。
一方で距離が近過ぎるデメリットもある。代表的なのは分離不安だ。距離をおく日本犬は比較的起こりにくいが、飼い主がべったりし過ぎると分離不安になることがある。分離不安だと、短時間の留守番もできなくなるし、仮に飼い主に、もしものことがあった場合、犬は不安でゴハンを食べられなくなったり、他者との接触を拒んだりと、正常な生活が送れなくなることも。
また日本犬は、距離が近過ぎたり、過度な接触が続いたりするとストレスに。ひどい場合は、噛みついて接触を避けるケースもある。
ベストは、普段はお互い少し離れていても心地よく、必要に応じて距離を縮められる関係。詰めるべき距離と開けるべき距離があることを知っておこう。
柴距離を制す3ヵ条
1.相手はしつこくされるのが苦手な柴犬と心得よ
2.日本犬も日本人と同様、心地いい距離間がある
3.QOLのため、詰めるべき距離以外は妥協も必要
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Shi‐Ba vol.90『そのつかず離れずのじれったさがいい!柴距離に魅了される人々』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。