笑顔の裏に隠れた本性を見破れる? 猫かぶりなら柴犬に任せろ!

「愛犬が良い子のふりをしている」と思ったことがある飼い主は多いのでは? それもそのはず、柴犬は猫かぶりがうまいのだ! しかし、決してマイナスなことではなく、むしろ社交性スキルが高い証。とはいえ気になるのは本性。こっそりのぞいてみよう。

 

柴犬は猫をかぶりやすい犬種!

猫を被る犬

「猫かぶり」とは、良い子ぶったりかわい子ぶったりして本性を隠すこと。

柴犬はニコニコと愛想を振りまいていたかと思えば、ウッと唸ったりプイッとそっけなくしたり、どうも裏の顔があるような。柴犬は猫をかぶるのが上手!

しかし、表と裏の顔を使い分けているわけではなく、自分にとって得になることをしているだけ。社会の中で波風を立てないようにやり過ごす所作と考えたら、社交性スキルは高い。

人間社会において猫かぶりは、相手に気づかれなければコミュニケーションを円滑にするために役立つ。バレると「裏表がある」なんて言われて逆にマイナスだ。

一方で犬は、自分が得したことを覚えている犬ほど猫をかぶる。感情が強く動いた時に記憶力が高まるので、うれしい・おいしい・楽しい出来事は記憶に残りやすいのだ。飼い主さんが上手に思い出を積み重ねてきたとも言える。

さらに柴犬はラブラドール・レトリーバーなどの洋犬に比べて、自分の損得勘定の部分が強いので、よく猫をかぶる犬種と言える。

だから飼い主さんにとって好ましくない部分が現れると、『裏の顔が出た!』と思われやすいのではないのではないだろうか?

表と裏の顔の落差が“柴犬猫かぶり”の特徴のようだ。

 

性別・生活・年齢の違いは?

猫を被る犬

表と裏の顔を見事に使い分ける柴犬だが、性別・生活・年齢などによって猫のかぶり方に違いがある。愛犬の本性を見極めるために、主な特徴を知っておきたい。

■性別の違い

祖先のオオカミの習性が影響している。例えばオスは群れを出るが、メスはある程度の年齢まで群れに残る。仲間と上手に交流できる社交性スキルの高い個体が生き残ってきた。

・オスは好き嫌いがはっきりしている
オスは好き嫌いがはっきり。自分を気に入ってくれたメスに子を生ませることが大事。気に入ってもらえないメスにアプローチする時間を使わない。

・メスは八方美人で他人にも気を遣う
メスは出産後に群れで円滑に過ごすことに気を遣う八方美人タイプ。研究で飼い主と他人がいる場合、まず他人に挨拶する傾向が確かめられている。

■生活の違い

室内・屋外飼育では家族との接し方や時間は異なるため、猫かぶりの流儀も変わってくる。さらに家族構成も影響し、一人暮らしと三世代暮らしでも違いがある。

・屋外飼育は室内飼育より猫かぶり
屋外飼育は飼い主がそばにいない時間が長いため、コミュニケーションの時間が短くなりがち。飼い主がかまってくれる少ないチャンスの時には良い顔を見せる。室内飼育は接する時間が長い分、飼い主の態度に影響される。一貫性のある態度で信頼されるリーダーシップをとること。それができないと裏の顔が出るかも。

・家族構成で本性を見せる相手が変わる
単身者や親子、夫婦などの少人数の家庭の場合は出入りする人が少ないため、まれな来客には猫をかぶらず警戒する可能性が高い。逆に興奮して調子に乗るかもしれない。さまざまな年代の人がいる三世代家族で暮らす犬は、接する人が多い分来客には寛容かも。ただし弱者になる子供や高齢者には本性を見せることも。

■年齢の違い

猫かぶりは社会性スキルが高い証。飼い主が幼年期から犬に新しい経験を積ませるほど上達していくものだ。若年期に裏の顔が出ることが減っていれば大成功。成年期までは順調に猫をかぶっていたとしても、老年期に入ると病気の痛みなどで行動の変化が起きることもある。年齢ごとにみられる犬の表と裏の顔をチェックしてみよう。

・幼年期(~4ヶ月)
犬は4ヶ月までが社会化期と言われ、好奇心旺盛でさまざまなものを柔軟に受け入れる。ところが柴犬は社会化期の終わりが早いと考えられ、3ヶ月程度とも推測される。こだわりが強くなる前に飼い主と一緒に楽しい(犬にとって得になる)経験を積むことが重要だ。この時期に飼い主への不信感やしつけなどで怖い思い出が残ると長く引きずり、将来的には裏の顔を引き出すことになる。

・若年期(~11ヶ月)
社会期が終わると恐怖を感じやすい時期に入るため、周囲に波風を立てず平穏に暮らせるように猫をかぶり始める。ただし幼年期に怖い経験を積んでいると、自分の身を守りたい気持ちが高じて裏の顔が出ることもある。

・成年期(~7歳)
社会生活を重視する時期なので、猫かぶり全盛期と言える。性別や生活の違いにより、良い顔を見せることもあれば悪い顔をのぞかせることもある。家族が上手に対応すれば猫をかぶり続ける。

・老年期(8歳~)
8歳頃から認知力が衰え、10歳を過ぎると顕著になる。こだわりがいっそう強くなって頑固になり、変化に対応できなくなって本性丸出しで猫をかぶらなくなることも。「年だから」と思いがちだが、行動の変化や攻撃性の高まりには病気などによる痛みが関係している場合も。変化に気づいたら動物病院へ。老化に関連する病気の早期発見、早期治療ができれば、再び穏やかに暮らせるはずだ。

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オヤツを使った練習で家族の魅力UP

家族以外の人に対して愛想がいいのは、「飼い主さんより他人のところに行った方が得する」と思われているからだろう。きっとおいしいオヤツをもらえたりチヤホヤされたからでは?

メスは社会性スキルが高いので、特にその傾向がみられるかもしれない

飼い主さんもとっておきのオヤツで魅力を高めよう!オヤツを賄賂などの後ろめたい気持ちで使うのではなく、犬にとってわかりやすい「うれしいサイン」として使ってみて!

飼い主さんの中には、「オヤツがないと言う事を聞かない」と悩む方もいるが、まったく問題ない。

関係を良くする方法としては、犬にオスワリなどの普段よく使う号令をいい、できたらほめてオヤツを与えることを繰り返すのがオススメ。

コツは短い時間で回数を多く実践すること。10分の練習を1回するよりも、30秒の練習を10回する方が有効。

毎日コツコツ積み重ねた時間の分だけ親密になれる。

 

柴犬と遊びたい時は本気で誘って!

猫を被る犬

柴犬はこだわりが強く、遊ぶタイミングも気にする。飼い主さんが遊びに誘っても、「今は遊びたい気分じゃない」と無視することもあるだろう。

犬と本気で遊びたいなら、とっておきのオモチャを持って、犬が追いかけたくなるように動かして誘ってみよう。そのへんに落ちているオモチャを見せただけでは、本気の誘いとは言えない。

逆に犬が誘ってきた時はすぐに遊ばず、オスワリなどの号令を言って従ったら遊ぶようにすること。忙しい時は誘いに乗らなくても問題ない。

 

猫をかぶる子犬とかぶらない子犬がいる

迎えたばかりの頃に距離があったのは、初めての場所で気を許せる相手がいなかったので、目立たないように過ごそうと思っていたから。子犬なので数日で慣れてリラックスしていったのかもしれない。

逆にペットショップではおとなしかったのに、家に来たら暴れん坊に変身することもある。かぶっていた猫を脱いだパターン。本性を出せるくらい安心したということなので悪いことではない。

 

まとめ

猫を被る犬

こだわりや自己主張の強さが柴犬の本性ともいえるが、日常生活では犬のそうしたワガママを尊重できないことがたくさんある。

我慢させるか、飼い主さんが犬にとって楽しく得になる経験を積み重ねていれば、犬はいつも良い子でいてくれる。

裏の顔が出そうな状況をリストアップしておき、危ないと思ったらオヤツを与えたり散歩に出かけたりして、楽しい出来事を演出するのがコツ。

柴犬の特性として、葛藤しやすいことも挙げられる。『オヤツは欲しい(得したい)けど、触られる(損する)のはイヤ』というのが柴犬。ツンデレな態度で飼い主さんを翻弄するのが上手い。

裏表を楽しむのもいいが、飼い主さんと良い関係を築ければ、猫かぶりの顔が本性になる。柴犬には今後も“良い猫”をかぶり続けてもらうとしよう!

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Shi‐Ba vol.105『笑顔の裏に隠れた本性を見破れる? 猫かぶりなら柴犬に任せろ!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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