犬びより

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【いつかモグラに会えるその日まで…】柴犬が掘る6つの理由を掘り下げる!

2018/06/29

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犬が掘る穴の主といえば、モグラ! 日本中の犬が情熱を込めて掘りまくっている。愛しのモグラに会いたい? でも掘らない犬もいる理由は? 掘るにまつわる謎を掘り下げていこう。
 

モグラの正体を探れ!

モグラの穴に興味津々の犬。なかなか会えないのに、なぜそれほど惹かれるのかというと、運命を感じているとかロマンチックな理由ではなく、犬にとってもっとも身近な『小動物のすみか』だからなのだ。
穴はよく見かけるけど、モグラそのものを見かけることはまれ。地中に潜む恥ずかしがり屋さんについて知っておこう。地上に近い所は「生活道」、使い捨ては「探餌道」、巣に続く深い穴は「幹道」といい、この3つで構成されている。犬がよく掘る穴は、浅い生活道と探餌道。使用頻度が高い巣への幹道は、深すぎて発見が難しいようだ。モグラを捕獲した人は、生活道にバケツを掘って埋めて、落とし穴作戦で成功したとか。文明の利器を使わないで、犬の情熱だけで捕獲したいが……。
 

『掘る』にまつわるエピソードQ&A

Q.なにもない所を掘る理由は?
→少し掘ってにおいを嗅ぐことを繰り返す場合は、気になるにおいがついているから。軽く掘って寝るならベッドメイキング。

Q.芝生や草地を少し掘ってにおいを嗅いだ後、ゴロゴロ転がる。
→しつこく嗅いでから転がる場合は、その場所に気になるにおい(排泄物など)があって、体につけるためにこすりつけていることが多い。もしくは、場所を整えてから背中をかいているからだと思われる。

Q.遊び疲れた時に円を描きながら掘る。
→ベッドメイキング。快適な寝床作りのために、草をならしたり石をどけたりする行動の名残。

Q.15歳まではベッドを掘って寝ていたが、16歳の今は倒れるように寝るのはなぜ?
→体力がなくなって、掘ってから寝るのがつらくなったのだろう。やわらかいマットを敷いていたわってあげよう。

Q.興奮すると激しく掘る。
→犬が興奮した時、エネルギーを爆発させて、激しく掘る、吠える、走るなどの行動が出る。

Q.ケージに布団が敷かれていない時だけカリカリ掘っている。布団の催促?
→地面が硬い時に掘り返して、やわらかくしてから寝る行動の名残かも。カリカリで布団を持って行ってあげれば、催促する行動として定着する。

Q.ベッドを掘ってくぼみをつけてから寝るのに、しばらくするとひっくり返っている。掘った意味がない!
→ベッドメイキングしていたものの、寝返りの時には面倒になったのでは?

Q.食べ物をあげると庭に掘って埋めるが、すぐに掘り出して食べる
→埋めてはみたけど、すぐお腹がすいたから食べたのだろう。

Q.雪を掘ったらネズミが出てきて、鼻をかみつかれた!
→ネズミのにおいがしたので掘ってみたのだろう。大当たりだが、ちょっと無防備だったようだ。

Q.掘ったらウンコやティッシュが!
→掘ったら出たというより、においがしたから掘り出したと思われる。

Q.雪を掘って発見したオモチャを気に入って、ずっと遊んでいた。
→オモチャのにおいがしたので掘り出したのだろう。自分で見つけて掘り出したものは、お気に入りになることが多い。

Q.畑を掘ったらネックレスが出てきた。
→すばらしい! トレジャーハンターの素質が十分ある。

Q.土は掘らないけど砂浜や雪は掘る。
→砂浜のような掘りやすい場所は、何もなくても掘りたくなる傾向がある。掘っているうちに興奮して掘りまくることも。雪が珍しい地域の犬も、雪が積もると掘ってみたくなるようだ。

Q.なぜか家の基礎に近い部分を掘るので、家が傾かないか心配だ。
→平らな場所より、壁やフェンスの際を掘りたがる傾向がある。夏であれば、基礎の部分は他より冷えているので、涼しい所を掘って寝ようとしているのかもしれない。

Q.泥を掘り過ぎて爪の中にバイキンが入って動物病院に通院。
→よく穴掘りをする犬や長距離を散歩する犬は、自然に爪がすり減る。深爪になってしまった場合、細菌感染を起こす要因になる。

Q.床ではなく壁やドアを掘る。水平ではなく垂直のものを掘る理由は?
→これは「引っかく」行動。最初はふと引っ掻いたのだろう。家族が注目したり、いいことが起きたりすると、アピールのために繰り返す。

Q.カーペットは掘っていたが、マットに変えたら掘らなくなった。
→カーペットは掘る衝動をそそり、マットはそそらないのだろう。
 

目的によって掘り方を変える

掘る場所はソフトでクッション性がある場所を好む犬が多い。しかし、暑い時はタイルやコンクリートなど、硬くてもひんやりした場所を掘る。犬にとってその場所が他よりも心地よいのだろう。庭中を掘りまくって満足そうにしている犬も。また、犬にとって『心地よい場所』が、『掘り心地のよい場所』になり、目的がなくても掘るようになるかもしれない。また、本来は生きるために発達した能力が十分に使われないと、衝動が噴出することもある。元気な犬が走る必要がなくても走り回るように、掘る必要がなくても掘りまくるもの。

犬には片手掘り、両手同時掘り、両手交互掘りなど、犬によって掘り方にもこだわりがあるようだ。これも好みの問題なのだろうか?個体差よりも目的によって異なる印象がある。何かを掘り出そうとしている時には両手交互掘り、埋めるために掘る場合は片手掘りがよく見られる。片手掘りは、左右どちらかをよく使う傾向があるようだ。両手同時掘りは、掘り出そうとしている時だけでなく、目的がなくて興奮してことが多い気がする。

すべてはモグラを捕獲するための特訓につながる……かもしれない。
 

犬が掘る6つの理由

ベッドメイキング

犬は軽く引っかくような掘り方で、草をならしたり地面をやわらかくしたりして、寝心地のいい場所にする。室内でシーツを掘ってから寝る場合は、外の寝床作りの名残だろう。

貯蔵

食べきれない骨やガム、とっておきのもの、お気に入りのオモチャなどを埋めるために掘る場合がある。掘る時は前足で比較的に丁寧に掘り、鼻先を使って埋める。

捕獲

地中の小動物を食べるために掘ることもある。狩猟欲を満たすために掘る場合も。

マーキング

前足と後ろ足を使って排泄した場所などを引っかき、周囲に散らす。掘ることが目的ではないので、「引っかく」や「蹴る」行動かも。自分の存在を誇示しているのだろう。

涼を求めて

暑い時期によく見られる行動。掘った地面はひんやりするので、気持ちいいのだろう。涼感を持続させるために掘り続けて、かなり深い穴になることがある。

アピール

最初はふと掘っただけでも、家族が注目したり、いいことが起きたりした場合、アピールのために掘るようになる。掘られたくないのであれば、犬が掘っても無視しするべき。
 

上手に穴を掘る方法

掘ることが役立たなければやめてしまう
 
地中に潜むモグラと対面するためには、穴を掘らなくてはいけない。

でも、中には「面倒くさい」なんて掘らない犬もいる。子犬は特に目的がなくても、ありとあらゆる行動を試す。役に立った行動はより発達するが、役に立たなかった行動は減退していくのが学習というもの。掘らなくなった犬にとって穴掘りは特に役に立たなかったということだろう。ただし、生まれつき衝動が強い場合は、役に立たなくてもその行動を続ける。

手順を踏んで穴掘りを練習すれば、上手に掘れるようになるという。さっそく挑戦しよう!

穴の堀り方

1.やわらかい地面を軽く掘る。犬の目の前で大好物(大きめのオヤツなど)を端が見えるように埋めて、犬をすぐに放す。

2.目の前で大好物を完全に埋め、犬をすぐに放す。掘り出せるようになったら、数秒間待たせて「掘って」など号令を言って放す。

3.犬に見えないように大好物を埋める。その後、犬を連れてきて待たせ、埋めた場所を指さして号令をかけてから放して掘らせる。

4.犬に大好物を密封容器に入れて埋める(におい漏れを防ぐ)。号令で掘りあてたら容器の中の大好物を与える。

5.犬に見えないように、オヤツを埋めたかのように土を掘り返す。犬に号令を言った後、掘っている穴の中心に大好物を落とす。

6.全く掘っていない地面を指さして、「掘って」と号令を。犬が掘りはじめたら、掘っている穴の中心に大好物を落とす。

室内で掘ることを教える方法

1.大きなタオルを広げて中心に大好物を置く。

2.周囲をつまんで大好物の上にかぶせて土の代わりにする。

3.屋外の1~6を行う。すぐに掘って大好物を見つけるようであれば難易度を上げる。地中に深く埋めるようなイメージで、犬
タオルの中心に大好物を置き、タオルをキャベツのように巻いてから掘らせる。

困った穴掘りには?

掘りまくる犬は、掘りたいという衝動が強いので禁止することは避けて、掘っていい場所といけない場所を教えよう。まず、犬を庭に放して、掘ろうとした瞬間に両手を叩く、音を出すなど、行動を中断する軽い刺激を与え、犬がやめたらすぐにほめる。人が見ていない時に掘る場合は、柵を作って立入り禁止に。時には掘っていい場所に連れて行き、一緒に楽しもう。

 

モグラの味はマズいから魅力的な獲物ではない?

モグラの生態を勉強して、犬に掘り方も教えた。ついに捕獲大作戦開始かと思いきや、もし捕まえたとしても、食べるのはやめた方がいいかもしれない。どうやらモグラはすごくマズいようだ。モグラの味がうかがえる目撃情報があり、

その1、ノスリの巣の周辺にモグラが捨てられていた。ネズミは食べられているのに、モグラは丸ごとポイ。
その2、キツネの足跡の途中にヒミズ(モグラの親戚)が捨てられていた。ひとくちでペッと吐き出した可能性大。
その3、タヌキがモグラにちょっかい出していたのに、やがて放置して去った。マズいことを知っている?

野生動物が獲物を食べないことから、口当たりの悪さが想像できるというもの。なんということだろう。

ついでに、もうひとつかわいそうな話を。モグラは生物的にほ乳類の「モグラ属」に分類されているが、この英名がひどい。だって「Mogera」である。これではモゲラになってしまう。外国人に間違って命名されて以来、モグラは日本以外でMogeraとして生きているのだ。食物連鎖から仲間はずれにされ、適当な名前をつけられたモゲラ。じゃなくて、モグラ。気の毒すぎる。彼に出会った時も、捕まえるのはやめて、そっと応援してあげたいもの。というわけで、モグラ捕獲大作戦、残念ながら中止! 彼を掘り当てた時は、愛犬と一緒に運命の出会いを喜んだ後、再会を願って見送ってあげよう。
 
Shi‐Ba vol.65『いつかキミに得るその日まで、掘って・掘って・堀まくるのです モグラに会いたいっ!!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。