今度こそ諦めない!愛犬の『まぁいいか』を完璧にする【家族のルール編】

柴犬のしつけ

愛犬との平和な日常にひそむ、ちょっとした悩みごと。例えば、オスワリがオネエ座りになる、オヤツを食べる時に指をかむ、立入禁止の部屋にこっそり侵入する。どれも深刻な問題じゃないから、「まぁいいか」と思いがち。今回は、そんな惜しい事例を完璧にするアイデアを紹介。
 

 

ルール編

・立入禁止のルールを守る

【相談】立ち入り禁止の部屋に進入
キッチンや和室を立ち入り禁止にしていたのに、ふと気づいたら前足を入れていた。前足ならセーフ!といつのまにかルールが変わっていたけどまぁいいか。
 
【解決】禁止の指示を出して教えるもしくはルールを変更する
「どこまでなら許されるかな?」と、ルール破りに挑戦する犬もいる。それを飼い主が大目に見て(認めて)いれば、ルールは変わっていく。前足を入れた瞬間に、ダメと禁止の指示を出そう。立入禁止スペースに前足は入れても後ろ足は残す犬の場合、「後ろ足まで入ったらまずい」という、心理的なためらいがあると考えられる。

【完璧レッスン】
1.犬が立入禁止スペースに前足を入れた瞬間、ダメと禁止の指示を出す。前足をスペースの外に戻したら、ほめてオヤツを与えよう。

2.立入禁止スペースに入らなくなったら終わり。ではなく、入らないことをほめよう。家族がいない隙に侵入する場合は柵をするなど物理的に入れないようにする。

 
・ソファを占領しない

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【相談】愛犬がソファからどかない
ソファに座ろうとしたら先に愛犬が。「どいて」と言ったらちょっとだけ動いてくれたけど、隅に座るはめになった。負け惜しみだけど、おしくらまんじゅう楽しいな♪ と思っている。

【解決】ドイテと言ったら下りることを教える
「ドイテ=スペースをあけて」という意味だと思っているのかもしれない。座ろうとする人をかむなどの問題がなければ、現状維持でもいい。「ドイテ=下りて」と教えたいなら、犬がソファから下りるように工夫をしよう。教える時だけリードをつけて引く、音を立てる、下りるように体を押すなど。ただし、犬を叩いたりするような方法は避ける。

【完璧レッスン】
1.犬にドイテと声をかけたり、壁などを軽く叩いて音を出して、人に注目させる。次に押して下りるように促す。リードをつけて誘導してもOK。

2.「ドイテ=下りて」と理解すれば、指で指示するだけで従ってくれる。「ドイテ=場所を譲る」ことだと教えられれば、いろいろなことに役立つ。

 
・サークルで静かに過ごす

【相談】来客時は静かにしてほしい
犬が苦手な友人が遊びに来た時は、愛犬をサークルに入れている。でも、出してほしくてずっと吠えているから、友人も家族も犬も、みんなそろって落ち着かない。どうすれば静かに過ごしてくれる?

【解決】吠えたら天罰を落とす
来客時などにサークルを使う必要があるなら、静かに待機することを教えた方がいい。叱っても効果はないので、「吠えたら天罰が落ちる」と教える。吠えた瞬間、大きい音を立てよう。過剰に怖がらせないように音量は調整を。誰が天罰を落としたのか、犬に気づかせないことが大切。犬が静かになったらほめてオヤツを与えよう。

 
・すぐ指示に従ってくれる

【相談】号令から従うまでが遅い
オスワリと言ったらあくびをされた。フセと言ったら数秒後に渋々従った。号令は覚えているのに動きが妙に鈍い。あくびをしたり体をかいたりすることも。「散歩」「ゴハン」という言葉には、すごい速さで反応するくせに!

【解決】モチベーションを上げて瞬発力UP
その指示に従ってもいいことがないと学習をした結果、「やりたくないなぁ」という気持ちが露骨に出ている。あくびや体をかく動作は、緊張やためらいなど軽いストレスを感じた時のボディランゲージ。犬の動きが遅い行動の時ほど、たくさんほめてとっておきのごほうびを。犬のモチベーションを上げれば反応は速くなるはず。

 

まだあるルール編

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・調子に乗ってルール破り

友人が遊びに来た時、いつも守れるルールを破りまくり! 調子に乗って立入禁止スペースに入るし、ソファで暴れるし、いったいどうしちゃったの?

【解決】いろいろな環境で教える
ルールを理解することと、理解したルールを守ること。この2つは別問題。理解したルールを確実に守らせるためには、いろいろな環境で教えることが必要。来客時にもルールを守ってほしい場合は、来客がいる環境でルールを守れるように教えよう。協力してくれる友人を招いて、犬に落ち着くこと、立入禁止スペースに入らないこと、ソファで暴れないことを教える。

 
・コングで遊んでくれない

家族が忙しい時は、知育オモチャのコングにオヤツを入れて与えている。以前はコングでひとり遊びをしていたが、だんだん横着して「オヤツを出せ」と吠えるようになってしまった。

【解決】性格に合わせた対処法をとる
犬は人と同じように、あきらめが早いタイプと執着するタイプがいる。コングで遊ばない犬は、このような本来の性格が関係しているのかも。「吠えればオヤツを出してもらえる」という学習をしていれば、性格に関係なく自力で出そうとはしなくなる。吠えても相手にしないこと。そしてコングの中にとっておきのオヤツを入れて、犬のモチベーションを高めて自力で取らせよう。

 
・サークルに入れると騒ぐ

家族が食事をしている時は、犬はサークルで待機がルール。でも「出せー! ワンワン!」と大騒ぎ。近所迷惑だからやむを得ず出しているけど、特にイタズラしないからいいのかな。

【解決】ルールを変えてサークルから出す
吠えているから出しているなら「サークルから出たければ吠えて」と犬に教えている状態。犬がテーブルに飛び乗って食事の邪魔をするわけでなければ、サークルに入れないほうがお互いに落ち着いて過ごせるはず。イタズラ盛りの子犬の時期を過ぎたらサークルは来客時以外は必要ない場合が多い。「食事中はサークルで待たせる」とういルールを見直しても良さそう。

 

不思議行動編

しつけ編やルール編に入らなかったエピソードを、不思議編として強引にまとめた。ちょっと気になること、理由がわからないこと、迷っていることなど、対応に迷うエピソードがいろいろ。どうでもいいじゃない? なんて言っちゃダメ!

 
・片手ハイタッチ

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【相談】両手でハイタッチできない
チワワやプードルが両手でかわいくハイタッチしているところを見た。柴犬だってできるもん! そう思ったけど、できなかった。だって腕が全然上がらないから教えようがない。もしかして体が硬いのかしら?

【解決】片手ハイタッチの方がかわいい
犬によって体の柔軟性に違いがある。生まれ持った体質なので、ストレッチをさせてまで両手でハイタッチを教えなくてもいい。代わりに片手ハイタッチを教えては? 高い位置に前足を上げるから首が少し傾くので、両手ハイタッチよりもかわいらしく見えるはず!

【完璧レッスン】
1.片手ハイタッチは、姿勢が安定して前足が上がりやすいオスワリの姿勢で教えよう。人が出しやすい利き手で教える。まずはオテの練習をしっかり。

2.人の手の位置を少し高くして、犬の首の位置でオテ。高すぎると犬が後ろ足で立ち上がってしまうので注意。オスワリの維持できる高さに微調整を。

3.犬の顔の位置でオテができるようになったら、手のひらを上から正面向きに変えて出す。1週間程度続けてから号令をオテからハイタッチに変えよう。

 
・立って待つ

【相談】マテと言うとオスワリする
いつもオスワリの後にマテをさせていたら、オスワリとマテがセットになってしまった。マテができるなら座っていてもいいけど、立った状態でも教えられる?

【解決】オスワリできない状態でマテを
オスワリができない状態でマテを教える。人の手でお腹を支えて、オスワリをさせないようにしてからマテと号令を。お腹を触るのが難しい場合は、お腹の下にリードを通して、マテの号令で犬が座ろうとしたらピンと張ってオスワリをさせないようにする。お腹の下にものを置いてオスワリできないようにする方法もあるが、警戒心が強い犬は不向きかもしれない。

【完璧レッスン】
犬がオスワリをしないように、お腹を手で支えて補助してから、マテと号令を。リードを使ってもOK 。オスワリをあきらめて立った状態が安定したら、ほめてオヤツを与える。

 
・いつでも抱っこできる

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【相談】抱っこしようとすると暴れる
かわいい愛犬を見ているうちにムラムラ。思わず抱き上げようとしたら激しく抵抗された。子犬の頃は甘えてきたのに、成長したらこの仕打ち。おとなしく抱っこされてくれ、と伝える方法はないものか……。

【解決】段階を踏んで接触に慣らす
成犬の犬に抱きつく行為は、年頃の娘に抱きつくようなもの。暴れられても仕方がない。しかし、いざという時のために抱っこはできた方がいいので、段階を踏んで教えよう。まずは座った人の足の上に犬が来るようにオヤツで誘導。犬が人の懐に入ることに慣れたら、オヤツを与えながら撫でたり軽く抱き上げたりして慣らす。

 
・出会った犬とすれ違う

【相談】犬に突進してしまうことがある
散歩の時に出会った犬に挨拶をすることが大好き。仲良くできる犬もいるけど、険悪に拒絶されてしまうこともある。トラブルが心配だから、すれ違う練習をしたい。

【解決】挨拶をする時としない時を人が判断
気が合う犬と挨拶したり遊んだりすることは続けたい習慣。挨拶をする時と挨拶しないですれ違う時は、飼い主が判断するように教えたい。愛犬がリードを引っ張って攻撃的に向かっていく性格なら、リードが張った瞬間に思いっきりリードを引いて、犬の顔を飼い主に向かせる。詳しくは専門家へ相談しよう。

【完璧レッスン】
1.愛犬が犬に近づこうとしてリードが張ったら、人は電柱になったつもりで立ち止まる。やがて犬は「行かないの?」と振り向くはず。

2.愛犬が振り向いたら、犬に近づかせる、もしくは立ち去る。挨拶をするか、そのまますれ違うか、飼い主が判断する習慣をつけよう。

 

惜しい行動の多くは「まぁいいか」の産物

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犬だって手を抜くこともある。 努力しなかったために99点で終わっていることがあるかもしれない。

手抜きをする犬は確かにいて、自覚がある手抜きと、自覚がない手抜きの2種類に分けられる

求められていることを理解した上で、『これくらいでいいか』と様子を見る犬は、自覚がある手抜き。勘違いしていることや飼い主が誤って教えたことを、『これが正しい』と信じて得意そうにしている犬は、自覚がない手抜き。

どちらであっても、犬が最初に手抜き(惜しい行動)をした時に、見逃したから定着したこと。しかし、人と犬が譲り合いながら相談することも、楽しいコミュニケーション。困っていないなら、ゆる~く考えてもいいのかもしれない。
 
惜しいオテ、オスワリ……愛犬の『まぁいいか』を完璧にする!
 
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Shi‐Ba vol.64『ボールを持ってこないけど、オスワリができないけど、ソファから下りてくれないけど、まぁいいかと思っちゃうことを完璧にする!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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