犬びより

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面倒くさがりな柴犬との付き合い方。タイプ別の理由、対策方法を知ろう!

2018/07/23

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柴犬は他の犬種に比べて行動がワンテンポ遅い。オスワリなどの指示を出しても「散歩に行くよ」と声をかけてもボーダー・コリーのようなキビキビバリバリ感が少ない気が……。理由と対処を知って上手に付き合おう。

 

面倒くさがりの理由チェック

以下の9種類のタイプは対処が必要なケースもある。チェックが多くついた項目の理由、対処方法もタイプ別に知っておこう。

個体差

□母犬が神経質なタイプだった
□母犬から生後44日以下で離されている
□子犬の時におとなしかった
□夜鳴きが長く続いた
□怖がったり興奮したりした後、落ち着くまでに時間がかかっていた
 

性格

□物事にかなり敏感に反応する
□怖がってパニックを起こしたりフリーズしたりすることがある
□飼い主の指示が耳に入らないことがある
□社会化期(生後4ヶ月頃まで)に怖い思いをしたことがある
□社会化期までに屋外や触れ合いの経験が少ない
□好き・嫌いがはっきりしている
 

対応

□犬に呼びかけられてもよく聞こえないふりをする
□犬が指示に従わなくても「まぁいいか」と放置している
□犬はかなりマイペースなところがある
□しつけやトレーニングが最近は手抜きだ
□犬は自然のままでよいと思っている
□犬に先回り・先読みされることが多い□散歩の時しか排泄しなくなった
 

暮らし方

□散歩の時しか排泄しない方が便利でよいと思う
□クレートやサークルに犬を入れなかった
□クレートやサークルに犬が入りたがらない
□犬が多少イタズラするのはやむを得ないので放置している
 

飼い主の態度

□犬が「イヤだ」と抵抗することがある
□「オヤツをくれ!」「早く散歩!」と要求することが多い
□犬の要求にはなるべく応えることにしている
□犬が助けを求めることが多い(抱っこして、あれ取って、など)
□無視するしつけについて知っているが、完全にはできているか自信がない
 

しつけ・トレーニング

□お昼の情報番組をよく見ている
□犬のしつけやトレーニングは自己流だ
□自分は根気がない・面倒くさがりである
□「すぐできる」という言葉に弱い・楽をしたくなる
□しつけやトレーニングの時、犬が引いていることがある
 

意欲

□犬がゴハンやオヤツへの興味があまりない・食欲にムラがある
□犬はオモチャへの興味があまりない
□犬はオヤツがないと言うことを聞かない
□オヤツを見せながらしつけやトレーニングをしている
□オヤツは大きいものを一度にあげている(小さいものを複数回あげていない)
□犬が好きなものがよくわからない
 

場所

□室内ではそれなりに言うことを聞くが、屋外では集中できない
□慣れていない場所では落ち着くのが難しい
□散歩の時はにおい嗅ぎばかりしていて、呼んでもあまり反応しない
□犬を連れて遠くへ出かけたことがほとんどない
□ペットホテルや動物病院へ預けたことがない・預けた時に落ち着かない
 

家族の習慣

□家族の中で犬が言うことを聞く人と聞かない人がいる
□家族の中で犬に関する役割分担ができている(しつけ係と甘やかし係、散歩係とオヤツ係、など)
□犬と接する時間が少ない家族がいる
□家族の食事の時におすそ分けをする人がいる
□犬がなぜか太っている
□犬と一緒にいる時間が長い

 

タイプ別の理由、対処方法

個体差で面倒くさがる

【理由】
人が乳児の頃から個性があるように、犬にも生まれ持った性質がある。同じ親に育てられたきょうだいでもいろいろな違いが現れるのは、個体差があるからだ。その後の生活環境で変わることもあるが、根底にある素質は残ることが多い。

【対処】
犬の個性を把握しよう。向き・不向き、得意・不得意、好き・嫌いなどを見極めて、共生のために必要なルールやマナーを無理のないように教えることが対処になる。これらを覚えさせた後さらにチャレンジする場合は、飼い主のエゴにならないように注意したい。例えばアジリティー、オフ会、ドッグランは、犬の個性によっては不向き。犬の性格を尊重することも大切だ。

対応で面倒くさがる

【理由】
犬に呼びかけて無視され、それを放置していると、「指示に従わなくてもいいんだ」と犬に教えている状態になる。号令の順番がオスワリ→オテ→オカワリ……と決まっている場合、犬が横着して最後の技だけやって終わりにする場合もある。

【対処】
飼い主の対応を変えることから始める。出した号令や指示に責任を持ち、必ず犬に実行させること。最初はトレーニングの時に室内でもリードをつけておき、犬が勝手に立ち去らないようにする。柴犬は犬種の特性として集中力が持続しないノンビリ傾向があるので、トレーニングは1日5分を数回でOK。途中でストレスサイン(体をかく、伸びをするなど)が現れても、その直前に出した号令は必ず実行させる。トレーニングは成功で終わることが重要だ。柴犬はマイペースなところがあり、「自分勝手にできるならそっちの方が楽」と思いがち。コミュニケーションの一環と思って継続しよう。

 
性格で面倒くさがる

【理由】
動作が遅かったり動かなかったりする場合、面倒くさがりに見えてしまう。実は怖がってフリーズしている場合もある。柴犬は犬種の特性として警戒心が強い傾向があるので注意を。社会化期(生後4ヶ月頃)までの体験や生活環境の影響もある。

【対処】
単にマイペースな性格や好き嫌いの場合もある。もし気になる場合は、子犬ならいろいろな物事に慣れる社会化を進める。成犬なら場数を踏んで少しずつ慣らしていく。苦手なものを好きにさせる必要はなく、落ち着いて対処できるだけでも十分だ。

 
飼い主の態度で面倒くさがる

【理由】
犬の要求(おねだり)にいつも応えていると、だんだんワガママになっていく。オヤツをちょうだい→すぐあげよう、散歩から帰りたくない→また公園に行こう、家族のごはんが欲しい→おすそ分けしよう、という態度は要注意。犬に主導権を握られ、飼い主がコントロールできなくなってしまう恐れがある。

【対処】
実は犬の言いなりになるのが絶対NGというわけではない。犬にルールとマナーを教え、良好な関係を築けているなら楽しみの一つとして問題ない。怠けて助けを求めたり、おねだりしたりするしぐさはかわいいものである。問題は、関係ができていない状態で要求に応え続けてしまうこと。おねだりは完全に無視し、言いなりにならないようにする。この無視が中途半端になっているケースが多いので要注意。飼い主がコントロールできなくなれば、近隣に迷惑をかける可能性がある。家族にとって犬の存在が重荷になれば、愛情を注げなくなるかもしれない。関係が築けるまでは毅然とした態度を心がけよう。

 
暮らし方で面倒くさがる

【理由】
「対応」で解説した指示を無視するパターンの中でありがちなことが、「ハウス」と言っても知らんぷりで、サークルやクレートに入らなくなった、というケース。「動きたくない」というよりは、指示を無視すれば室内で自由に過ごせると学習した結果だ。

【対処】
子犬の頃にハウス(サークルなど)で過ごさせていたルールは、成犬になっても続けた方がよい。体が大きくなってサークルが狭そうだから、去勢手術をしてエリザベスカラーを付けたらクレートに入らないから、といった理由で習慣を変えるのはNG。適切な大きさのハウスを用意し、トレーニングを行おう。共に暮らしているうちに、最初に決めたルールがなし崩しになっていくパターンは多いので、犬のペースに巻き込まれないように、変えた方がよいと思ったら飼い主の判断で定期的に見直そう。

 
場所で面倒くさがる

【理由】
室内では号令にキビキビ従うのに、屋外ではノロノロのんびり。犬が場所によって集中力がかけた状態になってしまうことも。怖い、慣れていない、別のことに興味があるといった理由で、広いところ、芝生、犬がいる公園では特に気が散りがちになる。

【対処】
犬が集中できなくなる場所を把握することからはじめよう。少しずつ慣れる練習をしたり、先に十分におい嗅ぎをさせたりして、犬が集中できるように工夫も必要だ。

 
しつけ・トレーニングで面倒くさがる

【理由】
犬が指示通りに動いてくれない、うまくコントロールできないと感じている場合は、トレーニングの方法が誤っているのかもしれない。テレビやインターネットでは即効性のある方法を紹介しているが、生き物に対してすぐに教えられる方法はないと思った方がよい。スノーボード初心者が板をつけてすぐ滑れるようにはならないのと同じだ。

【対処】
トレーニングをやろうという熱意を正しい方向に向けられるように、できれば専門家に相談しよう。例え正しい方法であっても、自分と愛犬に合っているとは限らない。相手に正しく伝わっていることを確認しながら説明できるからだそう。メールは行き違いがあってもわからないため、相談は受け付けていない。また、多くの飼い主は犬を迎えて1年ほどはトレーニングに熱心だが、だんだんとその気持ちもしぼんでいきがちなので、専門家の助けを借りるのも一つの方法だ。

 
意欲で面倒くさがる

【理由】
しつけやトレーニングは犬の好物を報酬やモチベーションに使い、意欲を十分に引き出すことが大切だ。しかし、柴犬は食いしん坊なタイプでも気分にムラがあることが多い。「オヤツを食べるよりも自由にしていたい」というタイプもいる。また、オヤツやオモチャを見せびらかしてトレーニングをしていると、何も持っていないときに言うことを聞かなくなることもある。

【対処】
犬の意欲を引き出すために使えるのはオヤツやオモチャ。報酬としては物ではなく行動の許可も使える。例えばオスワリをした後に大好きなにおい嗅ぎを許可する、など。これらを上手に使おう。オヤツは犬の好みのランキングを作っておくとよい。難易度が高いことを教える場合はランキングも高いオヤツを、難易度が低い場合はランキングも低くしてOK。ごほうびが主食のドッグフードだけでは特別感がないので、アレルギーなどの問題がなければ、複数のオヤツを活用した方が意欲を引き出しやすくなる。

 
家族の態度で面倒くさがる

【理由】
家族の中で犬と接する時間が短い人や、しつけを担当しない人は、犬に指示を出しても知らんぷりをされてしまいがち。家族内でしつけの方法が違う、ルールを曖昧にして甘やかすといったところも理由になる。

【対処】
家族で犬に守ってほしいルールやマナーをしっかりと決め、それぞれが一貫性のある態度で接することが解決の鍵になる。単身赴任の人は、久しぶりに再会した犬を思いっきり甘やかしたくなる気持ちをぐっと抑え、事前に決めた習慣を心がけよう。

 

ナマケモノの原因は飼い主?

犬の飼い主から『1歳までは良い子だったんです』とよく聞くことがある。おそらく飼い主もしつけやトレーニングに熱心だった期間ではないだろうか。しかし、柴犬は飼い主が手を抜くともとに戻るのが早い犬種だと思われる。ダイエットと同じで、コツコツと積み上げたものが一時の油断でリバウンド。もしくはさらに悪化する傾向が見られるのだ。

柴犬はもともとマイペース。自分の自由にできるならそうする。また、教え方に問題があって、コントロールされることに不満があったのかもしれない。

柴犬は少し頑ななところがある。『○○はイヤ』『○○じゃないとダメ』といったこだわりだ。だからこそ飼い主は大らかさを持った方が合うように思う。頑なな者同士では衝突してしまうだろう。愛犬の個性を笑って楽しむ余裕と、しっかりしつける意志の強さも必要。

とは言えキビキビバリバリと動く犬に憧れもあるが、隣でいびきをかく愛犬を撫でながらゴロゴロするのも悪くない。マイペースな柴犬との暮らしをこれからも楽しもう!

 
Shi‐Ba vol.96『ナマケモノ化が進んでる!? 面倒くさがりな柴犬との付き合い方』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。