本能なのか気質なのか、はたまた狭い日本の国土がそうさせているのか。とにもかくにも、狭い所に身を屈める日本犬は、結構気分よさそうなのだ。実際、日本犬はどんな場所がお好みなのだろうか?
理想の狭い場所を探す!
■視界は遮られ「一人感覚」を得られる場所が望ましい
日本犬の場合は、理想の場所選びにもかなり慎重。日本犬は本能的に狭い場所を好むようだ。その場所選びに関しても、そこが恐くない場所なのか、安心できる場所なのかをじっくりと見極めている。
いきなりこれに入りなさい、とクレートなどを置いても素直には入っていかない。それが安全なのかどうかを確信するまでは様子を伺っている。
しかし、ずっと置いておけば、いずれ入るようにはなる。材質は問わないと下記で紹介するが、視界は遮られている方がいい。また、壁があり、網の場合でも目が細かい方が望ましい。
日本犬は基本的には狭い所に入りたがるので、安心な場所ということを教えれば、確信を得るのも早い。
理想の狭い場所の条件
□広さ
自分の体が丸まって収まるサイズ。中で体を反転できる大きさ。これがベストだ。意外と狭いぞ。あまり余裕があり過ぎると、逆に落ち着かないということ。
□間取り
狭ワンルーム、といったところだろうか。ただし、トイレは別。要は何の煩わしさもなく眠れる、という条件を満たしていれば問題なし。築年数は問わない。
□材質
問わず! 鉄製でもプラスティック製でも木製でも可。極端に言えば段ボールでも。ただ、やはり安定性のない材質は不安なので、そこそこしっかりしたものが良いだろう。
□環境
やはり静かな場所が好ましい。人がよく出入りするような場所は避けるべし。変なにおいが漂っている場所もダメ。五感を刺激しないような場所が理想の立地。
□日当り
どちらかと言えば、暗い方が望ましい。しかし、ただただ真っ暗ということではなく、一方は遮蔽できて暗くなり、一方は口が開いている、というスペースが良好物件。
□セキュリティ
例えば、誰かの体がぶつかって簡単に動いてしまったり、つぶれてしまうような物件ではダメ。家屋の安定は、住民の安心につながる。そういう意味である程度の堅牢さは必要だ。
□飼い主までの距離
遠近両方可。ただし、自分で自由に家族のいる場所と自分の「狭い場所」を行き来できることが条件。近すぎても落ち着かない、ということもある。つかず離れず、くらいがいいのでは?
まとめ
■狭い場所での安らぎの時間、邪魔をしてはいけない
結論から言えば、「日本犬に狭い場所は必要」。狭い場所に入っている時は、安心したい時。その時、飼い主は愛犬をかまったり、無理矢理外へ出そうとしてはいけない。
では、普段あまり狭い場所に入ることのない犬の場合でも、そのような場所を用意することは必要なのだろうか。
とりわけ柴犬はベタベタすることを嫌う気質を持っている。そのため、狭い場所がなくても問題なく過ごしているという犬を飼っていても、そのような場所を用意してあげた方がいい。
また、将来的なことを考えると、高齢になって通院がはじまったりした時などは、スムーズにクレートなどに入っていける習慣をつけておくことも大切。そういう意味でも、狭い場所はあった方がいいだろう。
子犬の時に、成長後を見越して大きいサイズのクレートを用意する家も多いと思う。その場合、ペットべッドや毛布などを入れて空間を狭め、理想の「狭さ」を作ってあげるという方法も有効だ。
また、家族の近くに一ヶ所、完全に一人になれる場所に一ヶ所、合わせてふたつの「狭い場所」があればなおいい。
関連記事: 犬小屋に入らない犬。構造?場所?入居拒否の本当のワケは?
人気のキーワード:
#しつけ #ごはん #シニア犬 #健康管理
#性格 #散歩 #気持ち #病気 #おでかけ
#ケア #子犬 #性別
Shi‐Ba vol.58『暗い・窮屈・見えにくい、日本犬が心安らぐ居場所はココ! せまい所がスキ!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。