犬と一緒に楽しくボール遊びに憧れる飼い主は多い。投げた物を持ってこさせるだけの単純な遊びと思うけれど、実際にやってみると難易度が高いことに気付くはずだ。飼い主はやる気満々なのに、犬がボールに興味を示さなかったり、継続しなかったり、ボールを離してくれなかったり。しかしボール遊びとモッテコイがスムーズになればもっと楽しいし、しつけにもいい面があるようだ。その方法を探ってみるとしよう!
モッテコイを覚えよう
ボールに興味を持たせたら、モッテコイの基本をマスターしよう。モッテコイはリード使いがカギになる。
最初はボールではなく、犬の口からはみ出るようなオモチャを使おう。
まずはオモチャを見せオスワリをさせ、自分のあごの下にオモチャを引き寄せ、犬と目線を合わす。
アイコンタクトをとったら、「OK」と声をかけてオモチャを投げる(あまり遠くに投げすぎない)。
ボールに興味がない場合は、まずは飼い主が「ボール遊びって楽しい!」という姿を見せる。
犬をのけ者にして、キャッチボールをしながら、口々に「楽しいな~」と声に出す。その動作や声に犬が反応したらしめたもの。
ボールを求めて近づいてきたらボールをサッと隠し、興味を最大限に引き出す。これを数日続ける(ボールはオモチャでもいい)。
犬がボールを取りに行き(飼い主も一緒に走っても◎)、くわえたら、「持ってきて」と言い、リードをたぐり寄せながら、飼い主は後ろに下がる(普通のリードがベター)。
こうすると犬はひっぱられてボールを飼い主に運んでいるような形になる。
互いにオモチャの端をつかみ、左右へゆっくり動かし、ひっぱりあいっこする。ある程度遊んだらオモチャを持っている腕をひざ上に密着。
こうするとオモチャが動かなくなるので犬は一瞬離す、もしくは噛み直しをする。その隙にオモチャを取り上げ、同時に「ちょうだい」と言い、オモチャを体の後ろに隠し「いい子ね」とほめる。
これを何回か繰り返すうち、犬は「モッテコイ」を学習する。
なお、オモチャをどうしても離さない場合はオヤツで交換するか、「オモチャを離さないとオヤツをもらえる」と学習してしまうため、オヤツは極力使わない方がベター。他のオモチャを出して、交換するようにしよう。
遊び方のバリエーション
1.ボールのバリエーション
ボールは変えても。ただし硬いタイプの球は歯を痛める可能性が、また小さい物は誤飲にも注意したい。遊んだあとは興味を継続させるためにもボールは隠しておこう。
2.投げる距離を変える
近くに投げたり、遠くに投げたりして、楽しもう。犬と対面していると、犬の背後にボールを投げがち。犬がバランスを崩し、ケガをする可能性もあるので犬の目線の方向に投げてあげよう。
3.板やデコボコを使う
地面がデコボコしていると、ボールが思わぬ方向にバウンドする。意外性のある動きが犬には楽しいようだ。坂道もボールが転がって楽しい。ただし、くれぐれもケガのないように注意すること。
4.投げ方を変える
高く投げたり、転がしたりして投げ方を変えてみよう。うまくいくと、空中キャッチできることも。ナイスキャッチできたらほめてあげよう!
犬が不快を感じる場所は避けよう
屋外でボール遊びをする時は、環境選びにも配慮が必要だ。
広いからといってドッグランでやらないこと。他の犬のボールを奪う、または他の犬が介在してくるなど、トラブルになるケースもある。
また気温が高い、足場が濡れてぐちゃぐちゃなど、犬が不快を感じる場所でやらないこと。イヤな状況でボール遊びを強いられれば『ボール遊び=イヤなこと』と学習して、ボール遊びが嫌いになることも。
ボール遊びが好きになると楽しいし、しつけにも応用できる。
しかしどう見ても犬の調子が悪い、疲れている時に誘えば、ボール嫌いや、ケガにつながる可能性がある。
テンションが低い、疲れている時も注意したいもの。もし遊ぶとしても、1回でやめてあげるなど、犬の気持ちを配慮してあげることが必要。
しつけの観点からすれば飼い主主導で遊ぶべきだが、どう見ても気乗りしていない時に無理に誘えば、犬が無視することも。
もし無視した結果、飼い主が遊ぶことを諦めてしまえば、『やりたくない時は、無視すればいいんだ!』という経験を積ませてしまう。
ボール遊びはレクリエーション。お互い楽しんでやろう。
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Shi‐Ba vol.73『楽しくってちょっぴり役立つボール遊びの真骨頂 極めよ柴犬モッテコイ!!』より抜粋
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