「柴犬って水が苦手なコも多いし、一緒に泳ぐなんて無理じゃないの?」いいえ、大丈夫です!! 正しいやり方がわかれば、犬かきデビューは怖くない! 一緒に夏の楽しい思い出、たくさん作っちゃおう!
まずは準備運動!!
普段と違う場所に来ることで、緊張してしまうコも。飼い主さんと一緒に心と体を解きほぐそう!
1.足首を軽く丸めてストレッチ。緊張をほぐしてあげて
末端から始めることで、体の血液の流れを徐々に良くしていく効果がある。4本全ての足首を順番にやっていこう。愛犬がリラックスできるように意識して。
2.膝・ひじの柔軟性を高めるストレッチ。曲げ伸ばしはゆっくりと
前脚は前に向けて後ろ脚は後ろに向けて伸ばす。次に、膝を曲げたまま、脚を軽く外側に開く。関節をやわらかくすることで泳ぎをスムーズにする効果が。
3.首筋を伸ばす。左右前後に頭を動かし、肩こりも解消!?
なかなか思ったとおりに動いてくれない犬も、オヤツを使えば、この通り。犬は顔だけ出して泳ぐため、首筋を伸ばしてやわらかくしておくのも大切な準備体操。頑張ったごほうびも、ちゃんとあげよう。
4.顔をほぐしてしてあげたら、シッポに向かって全身マッサージ
犬もとっても気持ちよさそうなマッサージ!ついつい強く押してしまいそうだけど、筋肉が緊張して、かえって泳ぎにくくなってしまうので、撫でるようにやさしく行おう。最後に軽くシッポを引っ張ってあげる。
※飼い主さんも、始める前はストレッチを忘れずに。心と体を整えて、怪我や事故を防ごう
初めての犬かき体験!
STEP1 水辺で遊ぶ
準備体操が終わったからといって、すぐに泳がせようと焦らないで。水際で一緒に遊んで、まずはここが楽しい場所だとわからせよう。
【ONE POINT】
喉が渇くと海水や汚れた水を飲んでしまうことがあるので、泳ぐ前には必ずたっぷり水を飲ませておこう。
STEP2 オヤツでおびきよせ入水
ライフジャケットを装着して、もう一度水際で遊んだら、いよいよ水の中へと誘導。オヤツを見せながら、笑顔で名前を呼んであげよう。
【ONE POINT】
一歩でも前に進めたらとにかくたくさんホメてあげよう。ごほうびのオヤツをあげながら誘導していくのがコツ。
STEP3 足のつかないところへ
少し深い場所へと連れ出してみよう。首まで水につかることで、自然と犬かきを始めるはず。勇気を出して上手に泳ぐことができるかな?
【ONE POINT】
まずは深い場所の感覚を掴んでもらうためにお腹を手で支えたまま泳がせ、手足の動きをチェック。
STEP4 手を離して泳がせてみよう
いよいよ最後の仕上げ! 勇気を出して深い所から岸まで泳いでいけるかな? 慣れてきたら、ライフジャケットをはずしてみよう。
【ONE POINT】
・楽しすぎて、興奮のあまり沖まで行って帰ってこなくなるコも。必ず沖から岸に向かって泳がせよう。
・飼い主さんとの信頼関係が上達のカギ。出来なくても焦らないで。時間をかけて笑顔で見守ってあげよう。
・素直な性格の子は仲良しの泳げる犬が傍にいると、自分もその気になって出来るようになることも。
■泳ぎ終わったら体を乾かして十分な休息を
犬かきはかなりの体力を消耗する。体調を考えて疲れさせすぎない程度の時間で切り上げて、家ではゆっくり休ませてあげよう。
犬は全員犬かきできるの?
柴犬のダブルコートが浮き輪代わりに
「犬かき、という言葉があるくらいだから、どんな犬でも上手に泳げるんじゃないの?」なんて思っていたけれど、実はそうでもないようだ。
意外にも、シェパードは苦手な犬種の一つだという。腰が下がった体型のために体全体が沈み込んでしまい、浮きづらくなるのだそう。
では、どんなタイプの犬が犬かきに向いているのだろう。「ポイントは被毛がダブルコートであることと、肝が据わっていること」。
ダブルコートの犬は、豊かな被毛が浮力を保つ役割をするので、楽に浮くことができる。皮膚まで冷たい水が届きづらいので、長時間の遊泳でも体温が下がりにくい利点もある。
肝が据わっている、とは言えない部分もあるけれど、ダブルコートの柴犬は身体的には向いているといえそう。
柴犬は猟犬として、沼や川を渡って人間と共に狩りをしていたという歴史もあり、苦手意識さえつけなければ必ず泳げるようになる。
水への抵抗感をなくせるかどうかは飼い主さん次第だ。
犬かき Q&A
Q.どれくらいの月齢から泳げるの?
基本的には生まれてすぐからでも泳げるが、雑菌に対する抵抗力がまだ弱い点を考えると、予防注射が済んだ生後4ヶ月くらいから始めるのが望ましい。ほとんどの哺乳類はお母さんのお腹の羊水の中で育っているので、泳ぎの記憶は残っているはず。
Q.犬かきに向いている犬種はあるの?
水猟の歴史があるニューファンドランドやラブラドール・レトリーバーは水を見たら喜んで入っていくほど。泳ぎが得意なだけではなく、しつけなどを覚える能力が高いので水難救助犬としても活躍している。犬ぞりで有名なシベリアン・ハスキーも、夏場には運河で荷物運びをしていたので泳ぎは得意。
Q.溺れる犬はいるの?
中にはやはり泳ぎ方がよくわからなくて溺れてしまう犬もいる。前脚が水面から出てしまい、バタバタと水しぶきをあげている場合は注意が必要だ。お尻が必要以上に下がると体が沈みこんでしまう。「溺れている」と判断し、すぐに助けてあげる必要がある。
Q.犬かきの時の水中での動きはどうなっているの?
陸上で歩く時と同じような脚の動きをする。犬の個性によっても多少違うが、一般的には、対角線上の前脚と後ろ脚を左右交互に出して、曲げ伸ばしをしながら泳ぐ犬が多い。
この写真の柴犬の場合、右側と左側で前後の脚が同じ動きをしている。
右側の脚を曲げると同時に、左側の脚は前後で伸びている。
今度は逆に右側の脚が伸びている一方で左側の前後の脚は曲げている。
新たなチャレンジが信頼関係を強くしてくれる
シニア犬や障害をもつ犬にとっても水中運動はオススメ。
犬の体は肩まで水につかった場合、陸上にいる時より体への負荷は38%まで減る。
関節や腰に負担をかけずに筋力をつけることができる有酸素運動なので、ぜひトライしてみてほしい。
また、普段と違った愛犬の様子を見ることができるのも、醍醐味の一つだ。
目標に向かって「一緒にチャレンジ」する体験は、この夏愛犬と飼い主さんの絆をよりいっそう深めてくれることだろう。
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Shi‐Ba vol.90『実録!ウチのコのはじめての犬かき体験 夏だ! 水だ! 犬かきだ!!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。