背後から近寄ると、愛犬がびくっとすることがある。死角がないようであるのが犬。一体どのくらいまで見えているのだろうか。
見えている範囲は人より微妙に広い
犬の物事の察知能力からすると、人よりも視界がはるかに広いと思っている方が多いと思う。
が、実際はそんなに大差はない。少し広い程度だ。人の両目視野は120°ほどある。しかし、全体の視野は180°を少し超える程度。
一方、犬の両眼視野は人より狭い。中央の獲物に集中するためか。だが、全体視野は人より広い。
柴犬の死角は他の犬種より敏感
柴犬は気が張っている時間が長いので、一般的には死角が少ない犬種と言える。
ただ、これもその犬の性格や気質、あるいは場面によって大きく変わるようだ。だから一概に「柴は死角なし」とも言い切れない。
また、性格、気質の他に、学習によって死角が変わる。それがどんなものかを知ることで、柴犬は意識するようになる。それはつまり死角が少なくなるということだ。
この時、その体験が嫌なものばかりだと知ることで余計敏感な気質を助長してしまう。このあたりは飼い主が意識して、正しい経験を細かいステップで積み重ねていくことが大切。
そのことで死角によるトラブルが軽減できるはずだ。
死角があるのはいいこと?
死角がない、ということは常に周囲を気にしているということ。それはつまり気が張っていることであり、そこには当然緊張と疲労が伴ってくる。
なので、食後や寝る前などのまったりしている時間は一日で一番死角が大きくなる時間だが、これを大事にしてあげたい。
また、愛犬の死角がどこにあるのかを把握しておくことも大事。そしてそれに気をつけて生活することも、飼い主には心得ていてほしいことだ。
死角というのは見えていない部分、把握できていないエリア。だからここから何かが突然現れてくれば、当然犬は驚く、時に怖い思いをする。これは犬にとって快い体験ではない。
ビビリな犬はいろいろな方向にアンテナを巡らせているので、ちょっとしたことでもすぐに反応する。そうすると世の中怖いものだらけという意識が強くなり、逆に鈍感な犬はあまり気にしないので、その意味では死角が多くなる傾向がある。
驚きが大きすぎると、それが攻撃に転化することもある。つまり死角があまりない犬ほど、予期せぬ出来事に対する反応が大きくなる。
どうせビックリするのであれば恐怖のビックリではなく、ボールやオヤツなどワクワクのビックリを経験させてあげたい。
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Shi‐Ba vol.95『犬の死角を知れば日常生活も円滑に!? 柴さん!後ろ、後ろ~っ!!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。