人間と一緒に暮らすチワワ。私たちが気づかないところに、実はストレスの原因が潜んでいることも。愛犬が怖がっていたり、嫌がっているそぶりを見せるようなら、その際の対応をもう一度考えてみよう。
チワワならでは!? のストレス
震えていたり、吠えているコが多いな~。チワワに対して、そんな印象を持っている飼い主も少なくないと思う。実際にチワワはストレスを感じやすい犬種なのだろうか?
チワワは超小型犬なので、他の犬種に比べると、道を歩けば目に入るものは大きく感じてしまう。その分、強く刺激を受けることもある。
また、チワワの耳は大きく立っているので、音を拾いやすく、音に対しても敏感に反応することがある。
例えば、私たちがにぎやかな場所で会話するとしよう。相手の声が聞き取りにくい時、耳に手を添えて音を集めようとすると、よく聞こえることがある。チワワの大きい耳は常にこのように「集音」をしているようなイメージだ。
もちろん、犬のもともとの性格や育った環境により、大きな音が苦手かどうかは個体差があるが、「音に敏感なタイプ」だということは、チワワと暮らすにあたり知っておいた方が何かとベターだろう。
さて、次は多少耳の痛い話もあるかもしれないが、チワワの飼い主さんが知らず知らずのうちに愛犬に与えがちなストレスについて触れていきたいと思う。
愛犬を迎える際、ショップの人などから「チワワは小さいので、家の中で遊んであげれば散歩はあまり行かなくていいですよ」と言われた経験をお持ちの方も多いはず。しかし、これは大きな間違い。
健康で散歩が大好きな犬を、毎日の散歩に連れて行かなかったり、飼い主の都合で行く回数を極端に減らしていたりすると、認知症になるリスクが高まるようだ。
犬にとって嗅覚はとても大切なもの。散歩はさまざまなにおいを嗅ぎ取り、嗅覚を刺激する。
しかし、散歩に行かずに室内で遊ぶだけなど、環境の変化が少ない所にいると、たっぷり遊んで肉体的に疲れることはあっても、脳へのリフレッシュメントの効果はほとんど望めないものだ。
散歩に出ることは犬の脳を活性化させ、認知症の発症を防いだり、進行を遅らせることにもつながる。
飼い主の仕事の都合や生活サイクルなどで、毎日2回の散歩が厳しいなら、1日1回でもいい。どうしても毎日は行けなくて、2~3日に1回になってしまうこともあるだろう。「散歩で何十分も歩くのは大変……」と考えず、まとまった時間が取れないなら、家の周りを5分歩くだけでもいいと思おう。
また、散歩の時間が短くなってしまったら、その分、室内で一緒に遊ぶなどの工夫をしながら、嗅覚を刺激するための散歩をぜひとも励行してほしい。
ただし、チワワは気温の変化に大変敏感。暑さ&寒さ対策は万全に行おう。
こんなことがストレスの原因になるかも?
▼動物病院、病気治療、その他
□ エリザベスカラーの装着
□ 点眼薬、点耳薬、飲み薬が嫌
□ 動物病院の待合室が嫌
□ 診察台に乗るのが嫌
□ 聴診器を体に当てられるのが嫌
□ 獣医師に会うのが嫌
□ ホテルやトリミングに預けられるのが嫌
▼服
□ ヒート中やマーキング防止のベルトが嫌
□ 散歩時のレインコートが嫌
□ 写真の撮影用に着せられる服が嫌
▼生活音
□ 掃除機
□ 炭酸飲料や缶を開ける音
□ めざまし時計の音
□ 飼い主のくしゃみ
□ 風や雨が強い日の音
□ 集合住宅で大規模修繕がある
□ 近所で大きな音の工事がある
□ 祭り、運動会、花火の音
□ 幹線道路や線路から聞こえる大きな音
□ 自宅でスポーツ観戦をしている時の大きな声
□ 飼い主家族が喧嘩をする時に出す音
▼部屋の中に増える新しいもの
□ 飼い主の健康器具→飼い主が見慣れない動きをするから
□ 機械仕掛けの人形→突然動く
□ 大きめのぬいぐるみ
□ 立てかけた棒状の掃除機など
□ 飼い主家族に生まれた赤ちゃん
▼こんなものが?と思うもの
□ 風になびくカーテン
□ ベランダで干している傘
□ 節分の時の鬼のお面
□ エアコンの風で揺れるポスター類
□ 窓のガラス越しに見る、外で舞うビニール袋
□ 買い物袋が、重心を失って勝手に倒れた時
□ 散歩中に出会う商店の立てかけた旗
□ いつもの所(集積所)にはないゴミ
□ 自転車やバイクのカバー
□ 飼い主が着る毛皮のコート、えりまき
□ 小型動物
暮らしに潜む意外なストレス
どんなことで愛犬がストレスを感じるかは、日々注意していないとわからないもの。上の項目で挙げた、生活の中でストレスの原因になりそうなことを参考にしてほしい。
チワワは勇敢な性質を持ち合わせているコも多く、積極的な行動に出ることもよく見られる。
また小型犬ということもあり、噛んだ時にたいしたことないと考えて、飼い主さんがその行動を修正しないことで、攻撃性が悪化するケースもある。犬は噛むことで状況をコントロールしようとしており、その根底には不安がつきまとっているものだ。
寝ているチワワを急に撫でた時や、ゴハンを食べている最中に覗き込んで唸られる場合は、近づく際に声かけしてからオヤツをあげたり、食事中にオヤツを持って近づき、器の中にオヤツを追加するなど、犬が喜ぶことを一緒にやることで唸ったり噛む行動を減らすといい。
「チワワは気が強いから」という言葉で片づけず、その行動に潜む本当の気持ちを汲み取ってあげるようにしたいもの。
さて、犬にもストレスを感じやすいタイプと、あまり気にしないタイプがいる。親犬が怖がりな性格なら、子犬にもその性格は遺伝するし、飼い主の家に来る前にいた環境にも左右されることがあるだろう。
また、犬の社会化期(生後3週~遅くとも16週まで)から1歳頃までは不安を感じやすい時期だと言われている。
不安やストレスが根底にある子犬は、●クレートを開けても出てこない ●出てきてもシッポを下げて逃げ回ったり、家具の裏などに隠れる ●様子をうかがいながら震える ●人間から距離をとりたがる ●唸る、といった様子を見せるそう。
子犬を迎えた際にこのようなサインが見られたら、早めに専門家に相談してストレスを軽減してあげよう。
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チワワスタイル vol.27『正しい知識が愛犬を救う! そもそもストレスってなんだ?』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。