コーギーに捧ぐダイエットレッスン。食事・運動・ツボで肥満予防!

気になる愛犬のぽっちゃり感。毛量のせい? それともマジで肥満気味……? 実際にぽっちゃり体型なのかどうかをチェックした上で、ダイエットにチャレンジしよう!
  

 

ぽっちゃりの定義

■ボディチェック

ボディチェックをしてみると、見た目以上にぽっちゃり度が高い犬もいれば、毛がむくむくでも実は標準体型という場合も。まずは以下の方法でチェックし、ぽっちゃりレベル以上ならダイエットの検討を!

1.背骨のラインをチェックする
コーギーのダイエット
標準

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ぽっちゃり

標準体型なら、背中を触って、指でなんとか背骨の数が数えられるくらい。簡単に数えられるならばやせ体型となる。逆に背骨が厚い脂肪に覆われており、数えられない場合はぽっちゃり体型だといえる。

2.ろっ骨を数えてみる
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ろっ骨に手を当ててみて、骨の数がなんとか数えられるくらいが標準体型。骨の数を容易に数えられるならやせ体型。逆にろっ骨が厚い脂肪に覆われ、数えられない場合はぽっちゃり体型だといえる。

3.後ろ足の付け根をつまむ
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標準

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標準体型のコーギーの場合は、ここを軽くつまんでみると薄い脂肪が感じられ、適度にのびる。のびすぎる場合はやせ体型となる。逆に指先に厚い脂肪の感触があったり、ひっぱってものびにくい場合はぽっちゃりだといえる。

 
■ぽっちゃりの解説

標準レベル
背骨とろっ骨が薄い皮下脂肪に覆われており、触った時に指でなんとか骨の数が数えられるくらいが標準体型。上から見ると腰に適度なくびれがあり、後ろ足の付け根部分をつまんで引っ張ると適度に伸びる部分がある。

ぽっちゃりレベル
背骨を触るとかろうじて数えられるが、ろっ骨は指で数えることができないくらいなのがぽっちゃり体型。背中は山状に盛り上がっている。後ろ足の付け根部分をつまんで引っ張ると、ほんの少しだけ伸びる。

ぽちゃぽちゃレベル
背骨もろっ骨も、触って数えることができないくらい、厚い脂肪に覆われているのがぽちゃぽちゃレベル。上から見ると腰のくびれがまったくない。また後ろ足の付け根部分をつまんで引っ張ってもまったく伸びない。

 

ぽっちゃりのタイプを知る

同じぽっちゃり体型でも、その理由はさまざま。改善策を見つけるために、まず太る原因を知っておこう。

■ホルモンアンバランス・タイプ
ホルモンバランスが乱れることで肥満傾向になる。どんな犬でも避妊・去勢手術を行うと代謝が悪くなり、肥満になりやすくなるので、それを理解した上で、飼い主が食事などを管理してあげることが必要となる。

 
■食生活不摂生・タイプ
同じ体重の犬でも消費エネルギーは違い、フードに記載されている適正カロリーの半分で済む犬もいれば、2倍の量が必要な犬もいる。消費するカロリーよりも多く食べていれば当然太ることになる。犬は与えるだけ食べてしまうので飼い主が調整すべし!

 
■水太り・タイプ
甲状腺機能減退症や高脂血症などの病気によって新陳代謝が悪くなり、体内の不必要な水分が排出されずにむくんでいる状態。ダイエットを始める前に、原因となる病気を特定しておくことが大切。

コーギーのダイエット

足先を握ってへこんだ部分の戻りが悪い場合はむくんでいる証拠。水太りタイプである可能性が高い。心配なら動物病院で受診を。

 

脂肪のつき具合が判断基準

肥満とは、脂肪組織が過剰に蓄積した状態をいう。そもそも脂肪組織には、体のエネルギーを消費したり、外からの刺激を吸収するクッションになったり、体温を保つ役割などがあるので、適度な脂肪は必要。

しかし脂肪がつきすぎるとさまざまな病気の原因になるため、肥満は問題。具体的には、肥満になると関節や心臓に負担がかかったり、糖尿病やアトピー性皮膚炎、ガンなどの病気の原因にもなるといわれている。

愛犬の肥満度をみるには、上で紹介したように脂肪のつき方を確認しよう。

同じコーギーでも、骨格に差があるので体重だけで判断することはできない。厚い毛で覆われているので、見た目でも実際の体型をチェックすることは不可能。

なお肥満の種類は上で紹介した3タイプに分類される。なんらかの病気を原因とする水太りタイプ以外は、食事の改善と適度な運動でダイエットできる。具体的な方法は次↓から!

  

食生活からのアプローチ

コーギーのダイエット

犬のダイエットはまず食生活を正すことから! 無理に量を減らさなくても、食べさせ方や内容のちょっとした工夫で簡単にカロリーオフすることができる。

 
1.食事にかさまししてみる
食事の量を減らすと犬のストレスになる。ダイエットフードに切り替えたり、野菜や茹でたこんにゃくなど低カロリーな食材をきざんで混ぜることで、カロリーオフしながら満腹感を得ることが可能に!

2.不安定な場所で食べさせる
食事の際、床にウレタンマットなどをしいておけば、足元が適度に不安定に。食べながら自分で体勢を立て直すことで、筋肉を鍛えられる。

 
3.フードを1粒ずつ与えてみる
食事をゆっくり食べることで、満腹感を得ることができる。普段丸呑みにしているような犬には、フードを一粒ずつ与えることで、同じ量でも満足度がアップ!

 
4.移動しながら食べさせる
家族など2人でそれぞれフードを持ち、距離をとって座る。犬を交互に呼びながら、足元にきたらフードを1粒ずつあげよう。移動することで運動になり、ゆっくり食べることにもつながる。

 
5.オヤツはしつけのごほうびとして
オヤツはしつけなどでほめる際のごほうびとして与える。食事量から差し引いたぶんのフードや野菜などをあげよう。犬は量より回数で満足するので、細かく切って。

 
6.食べにくい食器を用意する
時間をかけて食べさせるための工夫として、底が凸凹になった食器を使うのも手。食べにくいのでフードを丸呑みにせず、自然とゆっくり食べることに。

 
▼適性量を満足感も与えながら食べさせることが大切

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ダイエットの第一歩は、食事量を見直すこと。フードに記載されている消費カロリーを基準に与えつつ、体重の増減をみながら飼い主が調整してあげることが大切だ。また同じフードでも、ライト、シニア、アダルト、パピーなどの種類によって代謝エネルギーや栄養構成は変わってくるので、フードを切り替える際は量もチェックしよう。

食事のポイントになるのは、3つのルール。

まず回数。1日2回の家庭が多いかもしれないが、飢餓状態で食事をとると、エネルギーを脂肪として蓄えやすくなる。ダイエット中はつねに愛犬のお腹を減らさないよう、1日4~6回に分けるのが理想的だ。1回の食事量は少量になるが、それで構わない。日中仕事などで留守にする場合でも、起床後、出かける前、帰宅後、寝る前、と与えれば4回になる。

次に時間をかけて食べさせること。早食いよりもゆっくり食べたほうがお腹に溜まる

最後にオヤツはむやみに与えず、しつけのごほうびとして与えよう。犬がどうすればもらえるのか考えることもカロリー消費になる。

1日の食事量はキープし、回数を1日4~6回に増やす。少しずつ食べて空腹にしないほうが脂肪はつきにくい。食べる行為自体もカロリー消費に。人と同じで犬もゆっくり食べたほうが満腹感を感じやすい。手から与える、丸呑みできない工夫をするなどして、時間をかけて食べさせよう
 
【食を真面目に考える】コーギーは食欲旺盛な犬種?適正な量は?
  

運動の工夫

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筋肉は脂肪を燃焼する役割もあるので、筋肉量の増加はダイエットにもなる。適度な運動を。

 
1.バランスディスクやボールを使う
中に空気の入ったバランスディスクやバランスボールを1日2回、1回3~5分ほど使う。例えば食事の時に、前足を乗せた状態で手からフードを与えたり、バランスディスクを固定した状態で、フードで誘導しながら食べさせるなどすれば、楽しく運動させることができる。

 
2.ウレタンマットの上を歩かせる
生活スペースにウレタンマットなどを敷いておき、歩かせることで足元が適度に不安定に。歩くために自分で体勢をととのえることで、自然と筋力アップにつながる。

 
3.散歩・外遊びも無理のない範囲で
足腰に負担がかからない程度に、運動や外遊びも続けよう。犬は体が多少痛かったりしても動いてしまうので、飼い主が運動の仕方や量を調整してあげたい。

 
▼年齢や体調に応じた運動を習慣にしよう

食事面でのアプローチと並び、適度な運動をさせることもダイエットには必要だ。

とはいえ、今まで運動不足だった犬に、いきなり2時間歩かせるなど、急激な変化は避けること

特にぽちゃぽちゃレベルの犬の場合、普通に生活しているだけでも足腰に負担がかかる上、より体にダメージを与えてしまうことになる。まずは食事で体重を落としてから運動をさせよう。

外遊びが好きなコーギーは、例え足腰などが悪くても、つい楽しくてボールを追ったり、たくさん走ったりなどしてしまって、無理をしがち。飼い主が体調をつねに確認し、体に負担のかからない運動内容、量を調整してあげたい。長時間歩かせるなど、いきなり激しい運動をさせてしまうと足腰や心臓の負担になり逆効果。無理なく少しずつスタートしよう。

  

タイプ別・ツボマッサージ

食事や運動を工夫すると共に、代謝をよくするマッサージや、体質別に改善に効くツボ刺激を行うことで、よりダイエット効果が出ることも。スキンシップを兼ねて毎日の習慣に!

■ホルモンアンバランスタイプにオススメのツボマッサージ

避妊・去勢手術後など、ホルモンバランスが乱れて太っている場合は、ホルモン系の働きを整えるツボマッサージを!

・三陰交のツボ
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犬の足の内側で、うちくるぶしの骨に沿ったラインを10~20回、指を上下してさすることで、三陰交のツボを刺激できる。強さは痛いと気持ちいいの中間程度で。

・腎兪のツボ
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ろっ骨の一番最後の部分を探し、そこから背骨まで手を移動。背骨の両脇2箇所にあるのが腎兪のツボ。背骨をつまむようにして、痛気持ちいいくらいに指圧しよう。

 
■食生活不摂生タイプにオススメのツボマッサージ

食べ過ぎて太っているタイプは消化器系が弱っている可能性も。胃腸の動きを促すツボを刺激してあげよう。

・足三里のツボ
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膝の外側にある足三里には、胃腸系の働きをよくする効果が。指圧は3秒で押して、3秒キープ。さらに3秒かけてゆるめていくのが基本。1日5~10回を目安に。

・中脘のツボ
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みぞおちとお腹の中間部分にある中脘のツボも、胃腸の働きをととのえる効果が。人さし指と中指で「の」の字を描くようにマッサージ。1日10~20回を目安に。

 
■水太りタイプにオススメのツボマッサージ

水太り型肥満は、まず原因となる病気を特定し、治療すること。その上で、むくみなどに効くツボマッサージをしてあげよう。

・湧泉のツボ
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一番大きな肉球の下にあるのが湧泉ので、むくみ解消に効果的。足を握り込むようにしながら肉球の下に親指をあて、足先に向かって押し上げるイメージで指圧を。

・太淵のツボ
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親指の付け根のくぼんだところにあるのが太淵で、むくみ解消に効果的。親指と中指でツボをはさみこむように指圧しよう。親指の位置は人と違うので注意。

 
■全タイプにオススメ!代謝を良くするマッサージ

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1.まずは指先をつかって、犬の体全体をやさしくもみほぐすようにマッサージ。皮の部分をつまむイメージで適度な刺激を与えよう。

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2.腰から背中、肩にかけて、背中のラインに垂直になるようにしながら、皮を持ち上げるようにつまんでマッサージ。

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3.次は背骨のラインの皮を、両手を使って何度かつまみあげるようにする。犬が嫌がらない程度に、強めに引っ張っても大丈夫。

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4.3と同じく、背骨ラインの皮をつまみあげるようにしながら、今度はS字を描くように軽くねじるような動きを入れる。

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5.次は逆S字。4と同じく、背骨ラインの皮をつまみあげるようにしながら、4と反対の逆S字になるようにマッサージ。

 
▼マッサージを習慣にすることで体型の変化にも気づきやすい

犬の体をマッサージすることは血行をよくし、新陳代謝をあげることにつながり、愛犬とのスキンシップもなる。

また、日ごろからマッサージをして愛犬の体に触れることで、脂肪のつき具合などを把握しやすくなり、皮膚の変化や痛がる箇所から、病気を早期発見することもできる

マッサージと合わせて、ぽっちゃりのタイプ別に体質改善のツボも刺激してあげるといいだろう。

マッサージもツボ押しも愛犬が気持ちいいと感じることが大切なので、嫌がる場合は無理しないようにしよう。

 

コーギーダイエットの心得

メインは食生活の改善
カロリーの9割は普通に生活するだけで消費され、運動による消費カロリーは微々たるもの。ダイエットといえば運動をイメージする人も多いが、実際は食事をコントロールしたほうが効果的。犬のストレスが溜まらないよう、量は減らさずダイエットフードをあげたり、かさ増しするなどの工夫を。

 
無理は決してしないこと
ダイエット中は一気に体重を減らそうとせず、1週間で体重の0.5~2%を目安に減らしていくようにしよう。2%以上体重が落ちるのは過激なダイエット。体にとって必要な栄養や脂肪まで落としてしまい、健康状態が悪くなってしまうことも。ゆっくり着実に痩せることで、リバウンドも予防!

 
日々記録をつけてモチベーションアップ
ダイエットは記録することでよりモチベーションが上がるといわれている。毎日体重を測ってグラフにしてみると、変化がわかりやすくなり、飼い主のやる気も上がるはず。毎日が難しい場合は数日に1回でもいいので、無理のない範囲で記録していこう。

 
年齢を考えた内容を
今回紹介している食事、運動、マッサージなどはすべての犬に合うわけではない。愛犬の年齢や体調に合わせて、様子をみながら無理なく行うことが大切。特に老犬の場合、運動方法はけがのないように選ぶ必要があるので注意しよう。マッサージは犬が気持ちいいと感じる範囲で行おう。

 

健やかな毎日のため、やさしく体調管理を!

コーギーのダイエット

さまざまなダイエット方法をご紹介してきたが、大切なのは飼い主がこまめに愛犬の体型、様子をチェックすること。ダイエットを実践するだけでなく、変化を見て食事を加減したり、運動量を変えたりすることが必要だ。

それによって今まで以上に愛犬と触れ合う機会が増えることになり、それは病気の早期発見などにもつながるメリットも。

今はぽっちゃりでも、ダイエットを通じてたくさん触れ合いながら、より健やかな毎日を目指そう!

 
大食い、一気食いはやっぱりマズイ? コーギーの食欲を真面目に考える
 
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コーギースタイル Vol.38『病気の原因にもなりうる肥満を予防&解消!ぽっちゃりコーギーに捧ぐ ダイエットレッスン』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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