コーギーを飼うなら教えておきたいマストコマンド。マテ・オイデ・オフ編

コーギーは物覚えがよいので、トレーニングしやすい犬種。今回はコーギーを飼うならこれだけは教えておきたいトレーニングを伝授しよう。マテ、オイデをはじめとして、くわえたものを口から放すオフなど日常生活において教えておくと安心なトレーニングを紹介。

 

最初は短い距離と時間から「マテ」

マテを教えておくことで、ここで待っていれば、必ず飼い主さんが来てくれると理解している犬は、吠えることなく、落ち着いて待っていられる。

少しずつ練習を重ねていき、まずは30秒を目標にしてみよう。練習していけば、遅くても一週間程で30秒はできるようになるだろう。そうなれば、飼い主さんも自信がつき、やがて1分、3分とできるようになるものだ。

よくありがちなのが、飼い主さんが戻ってきたことでうれしくて動いてしまうというパターン。その場合は、一度オスワリさせ、それを解除してから、ほめたりごほうびを与えよう。犬に勝手に解除させないことが大切。

▼リードをつけて

コーギーのしつけ

1.最初は家の中で、リードをつけた状態で始める。犬と向かい合って立ち、「オスワリ」の指示を出して座らせる。犬が座ったらほめる。

コーギーのしつけ

2.「マテ」や「ウェイト」などの言葉を犬に掛けながら、写真のように最初の位置から1歩下がる。

コーギーのしつけ

3.1歩下がったところで、犬がオスワリしたままでいるか確認。離れたことで、犬のお尻が上がってしまったら、再び1から始める。

コーギーのしつけ

4.戻って、オスワリしている時にほめてごほうびを与える。最後に解除させる。リードの距離が出来るようになったらリードなしでの練習へ。

▼リードなし

1.犬と向かい合って立ち、「オスワリ」の指示を出して、座らせる。犬が座ったらほめて、「マテ」や「ウェイト」の言葉を掛けながら1歩下がる。

2.1歩下がったところで、犬がオスワリしたままでいるか確認。この時、犬が動いてしまったら、再び1から始める。

3.オスワリでマテができていたら、元の位置に戻り、ほめてごほうびを与え、犬を解除する。同様にして2歩、3歩と距離を少しずつ伸ばす。

▼少しずつ刺激にならしていこう

コーギーのしつけ

マテの練習は、最初は待っている間、犬にとって刺激がない場所、例えば普段いるリビングなどで行おう。そこで出来るようになったら、下で紹介しているように、犬の近くで動いてみるなどして刺激にならしていこう。家の中で出来たら、外でも練習を。外でもいきなり賑やかな場所ではなく、最初は静かな場所を選んであげよう。

・犬にマテをさせている間、犬の周りを歩いてみる。近くに行っても、解除するまで動かずにいられたら、ほめてあげよう。

・マテをさせている間、屈伸したり、ジャンプしても動かないかどうか。

・上級レベルとして、マテをさせている犬の近くに寝転んで、その状態で「フセ」など他のコマンドをかけてみるのも楽しいトレーニングに。

 

できるようになると安心「オイデ」

オイデで呼び戻しができるようになっていると、さまざまな場面で役立つものだ。ドッグランはもちろん、もし万が一、散歩中にリードがはずれたとしても、事故を防ぐこともできる。

家の中で出来るようになったら、散歩の途中でも練習してみよう。焦らず少しずつ段階を経て、確実に呼び戻しが出来るように教えていこう。

▼リードをつけて

コーギーのしつけ

1.最初はリードをつけた状態から。片手にごほうびを持ち、犬に「マテ」をかけた後、リード1本分下がる。

コーギーのしつけ

2.「オイデ」や「カム」と声を掛けながら、ごほうびを持った手で、犬がこちらへ来るように誘導していく。

【point】リードを軽く引く
手に持ったごほうびにつられて、犬が来てくれない時には、リードを軽く引いて誘導してみよう。なかなか来ないと思っても、リードは決して強く引かないことが大切。

コーギーのしつけ

3.犬が来たら、「オスワリ」させる。座らせることが飛びつき防止にもなる。ほめてごほうびを与え、最後に解除を。

▼リードなし

1.リード1本分でできるようなったら、次は室内の少し距離がある場所で。「マテ」をかけてから、犬から離れる。

2.あらかじめごほうびを片手に持っておき、「オイデ」や「カム」と声を掛け、犬が自分のところへ来るのを待つ。

3.犬が来たら、「オスワリ」させ、ほめてごほうびを与える。最後に解除。少しずつ距離を伸ばして練習を重ねる。

▼家ではオイデができるのにドッグランでできないのは?

ドッグランは家の中と違い、犬にとってさまざまな刺激がある場所。飼い主さんの「オイデ」の指示に従うよりも、他の犬と遊ぶことが楽しいと思ってしまいがち。日頃から、遊んでいる最中に興奮しやすい犬は気をつけておこう。

また、夢中になっていると飼い主さんの「オイデ」の声に気づかないこともある。例えば、手を叩いてみたり、大きな声で「オイデ」を言うなどして、犬の意識を飼い主さんに向かせる。「オイデ」で確実に呼び戻しが出来るようにすることが大切。家の中でしっかりできるように練習しておこう。

 

拾い食いや誤飲防止に役立つ「オフ」

危険なものをかんだり、飲み込んだりしないようにするために「オフ」を教えておくと安心だ。

もし、犬が拾い食いなどをして、飼い主さんが慌てて取りあげようとすれば、かえって犬は飲み込んでしまいかねない。落ち着いて「オフ」で放すことを教えておくことは大切。

コーギーのしつけ

1.片手にごほうびを用意しておき、オモチャをひっぱりっこなどして、犬にくわえさせる。

コーギーのしつけ

2.「オフ」と言いながら、ごほうびを犬の鼻先へ。匂いをかがせて興味を引かせる。

コーギーのしつけ

3.匂いをかぎながら犬は物を咬めないので、口から放したら、ほめてごほうびを与える。

コーギーのしつけ

4.オモチャをごほうびとして再び与える。数回繰り返したら、飼い主が持って終わりに。

 

引っ張らないで歩く「ヒール」

散歩が好きで、うれしくて興奮してしまうコーギーも少なくない。散歩中にリードを引っ張らないよう、教えておくのは大切。

拾い食いしたり、他の人や犬に向かっていくだけでなく、コーギーは力が強い犬もいるので、飼い主がうっかり転んでしまう、なんてことも起こりかねない。

散歩デビューの時から、あらかじめヒール(ツケ)を練習しておくのが理想的。ヒールがきちんと出来るようになって、引っ張らずに歩けるならば、散歩中、ずっとヒールをさせていなくても大丈夫。

例えば、電信柱の2本の間だけ集中して、ヒールをさせながら歩いてみる。そうすることで楽しく散歩しながら、お互いの関係性を育むことにもなる。

▼ヒール(ツケ)を教える

コーギーのしつけ

1.最初は家の中でリードをつけた状態で練習を。リードは右手でゆるくたるませて持つ。左手に持ったごほうびに犬の興味を引かせる。

コーギーのしつけ

2.1で、犬の鼻先へと出したごほうびを犬になめさせながら、「ヒール」や「ツケ」の言葉を掛けつつ、犬を自分の後ろ側へ誘導する。

コーギーのしつけ

3.ごほうびを持った手を大きくゆっくり動かし、犬を自分の後ろ側まで行かせ、そのまま1周させるようにして左足へと誘導する。

コーギーのしつけ

4.犬を左足の所まで誘導したら、その場所で「オスワリ」させる。犬が座ったら、ほめて、持っていたごほうびを与える。

【point】横から見た位置
「ヒール」と言いながら、ごほうびで誘導していくのは横から見るとこの位置。パンツの横の縫い目と犬の耳がほぼ同じ位置になるようなイメージで。上から見ると自分の膝から犬のマズルが少し出るくらいの場所。

コーギーの散歩

5.左手にごほうびを持ち、歩き出すと同時に「ヒール」や「ツケ」の言葉を掛け、犬が左足と一緒に動くように誘導する。

コーギーの散歩

6.左足と一緒に犬が歩いている最中、3歩に1回程の割合でごほうびを与える。そばで歩いているといいことがあると犬に教えていく。

▼歩いている最中に犬が引っ張ったら……

コーギーの散歩

ヒールを家で練習しておいても、散歩に出るとうれしさのあまり興奮して引っ張るようなら、一旦、人はその場で止まろう。止まれば当然、犬は進めない。

コーギーの散歩

そして「ヒール」と声を掛けて、自分の左側へ犬を戻させ、座らせる。出来たら、ほめてごほうびを与え、歩き始める。犬が再び興奮したら、止まる、「ヒール」を繰り返していくことで、引っ張ったら前に進めない、飼い主の近くにいれば散歩を続けられるのだと、犬に教えていこう。

▼においを嗅がせる場所を嗅がせる

コーギーの散歩

散歩で、うれしそうににおいを嗅いでいる犬の様子を見ると、嗅がせないのはかわいそうと思う飼い主も少なくない。自由に好きな場所を嗅がせるのではなく、においを嗅いでもいい場所をあらかじめ決めておく。嗅がせる前にオスワリさせ、それが出来たごほうびとして嗅がせてあげるといいだろう。飼い主さんが安全な場所を選んであげよう。

 

楽しい雰囲気で上手に犬に教えてあげよう

今回紹介したすべてのトレーニングにも共通するが、まずは家の中など犬にとって刺激の少ない所で練習を始めること

そして、その場所で確実にできるようになってから、散歩中、周りに他の人や犬がいない場所でできるかどうか。それができないなら、少しずつ段階を経て、どんな環境でもできるようになるのが最終目標だ。

また、覚えるまでは、ごほうびは欠かせないが、それも数回に1回与えるようにしていこう

トレーニングするにあたってコーギーは賢い犬種のため、いつの間にか犬が主導権を握っていることもあるので気をつけよう。普段の遊びの中でも、遊びを終えるのを決めるのは人間側だ。

そして、何よりも、飼い主さんも愛犬もお互い楽しくトレーニングすることが大切。

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コーギースタイル Vol.37『コーギーを飼っているしつけインストラクターに聞く コーギーを飼うなら教えておきたいトレーニング』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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