陽気で活発なイメージが強いコーギー。愛犬がいつも元気でいてほしいとは、どの飼い主も願うこと。そのためにはどんな病気にかかりやすいのかをあらかじめ知っておくことも大切だ。
コーギーによく見られる病気
■免疫系の病気
・免疫介在性溶血性貧血
・膵臓炎
免疫機能に障害が生じ、赤血球を破壊して貧血を起こすのが「免疫介在性溶血性貧血」。原因不明な場合が多いが、腫瘍や感染、薬物が原因の場合もある。膵臓で作られる膵液が何らかの原因で活性化され、膵臓に炎症を起こすのが「膵臓炎」。
■ホルモンの病気
・甲状腺機能低下症
・クッシング症候群
「甲状腺機能低下症」と「クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)」はどちらも急激に悪化するのではなく、何年も時間をかけて進行していく病気。7歳以降に多く、見た目に気づきにくい場合もあるため、気をつけていきたい。
■生殖器系の病気
・子宮蓄膿症
・前立腺肥大
コーギーには意外と去勢・避妊手術をしていない犬が多い。そのため生殖器系の病気にも注意しておきたい。メスなら「子宮蓄膿症」、オスなら「前立腺肥大」が代表的な病気。どちらも中~高齢の犬によく見られる病気だ。
■泌尿器系の病気
・腎臓病
・膀胱炎
・尿道結石
・膀胱結石
体の中の老廃物はオシッコとして排出される。オシッコを作る大切な器官なだけに腎臓の病気は命にかかわるものが多いので注意を。また「膀胱炎」「尿道・膀胱結石」もコーギーに多い。日頃からオシッコの回数や量などをよく観察しておこう。
■神経系の病気
・脳腫瘍
・脳炎
・てんかん
・椎間板ヘルニア
脳神経系に異常を起こす病気の「脳腫瘍」「脳炎」「てんかん」はけいれんや異常行動などを引き起こすことが多い。また、コーギーは「椎間板ヘルニア」になりやすいといわれる軟骨異栄養種という犬種であり、遺伝性要素を持っている。
■腫瘍
・血管肉腫
・その他の腫瘍
「血管腫瘍」は血管系の悪性腫瘍。全身どこにもできるが、特に多いのが肝臓と膵臓だ。腹腔内で出血を起こして急にお腹が膨らんでくる、貧血などの症状が見られる。発症すると3ヶ月程度で命を落としてしまうケースが多い。コーギーに限らず、犬は7歳を過ぎるとさまざまな腫瘍ができやすくなる。定期的な健康診断を行っておくことは大切だ。
■歯の病気
・歯周病
・歯の破折
歯の病気の代表的なものといえば、やはりまず「歯周病」が挙げられる。日頃からハミガキを心がけ、歯垢をためないようにしておくことが予防につながる。また、コーギーに多いのが「歯の破折」。健康な状態の上顎の第四臼歯が縦に割れてしまう。原因はよく分かっていないが、歯への圧力のかかり方などが影響しているのではないかと考えられている。
関連記事: 気がついたら愛犬の歯がすり減っていた!飼い主が知っておくべき咬耗のこと
コーギーに増えてきた病気
■舌ペラ病
舌の筋萎縮症ともいわれ、正式な病名はまだはっきりしていない。舌の中の筋肉が萎縮する病気で、現在のところ治療方法はない。下の先端だけ薄くなる場合もあるが、舌全体が薄くなってしまうと水や食事を飲み込むことができなくなるため、胃チューブなどでの強制給仕が必要となる。また症例数もないため原因も不明だが、コーギーでの発症報告が多い。
■変性性脊髄症
以前からある病気だが、近年コーギーの発症例が目立ってきているといわれている。遺伝子の問題が原因ではないと考えられているが、はっきりしていない。この病気も現時点では確実な治療方法は見つかっていない。初期症状は後ろ足の全身の筋力が落ちて麻痺し、命を落としてしまう。
コーギーの突然死について
愛犬が突然死したという話を聞くことがある。コーギーも突然死を起こすことはあるのだろうか。
突然死といっても、亡くなるまでに時間がどのくらいあったかにもよる。本当に突然亡くなる病気としては、急性心不全があるが、犬には少ないといわれている。たいていのケースは何かしらの前兆があったという可能性が高いのではないだろうか。
クッシング症候群を発症していたのに気づかず、ある日突然亡くなったというケースはよくある。老齢犬でも、ある程度太っていて、ゴハンもよく食べ、水もよく飲んで、見た目には元気そうに見えても、実はクッシング症候群を発症しているという場合は多いもの。クッシング症候群は血栓を作ることがあり、血栓によって肺動脈塞栓や脳閉塞を起こすと突然死を引き起こす。
肝臓ガンや血管肉腫なども突然死を起こす可能性はある。
何らかの前兆に早めに気づくためには、日頃から愛犬の様子をよく観察するとともに、定期的な健康診断が必要だ。
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コーギースタイル Vol.34『おさらいしよう!コーギーに多い病気』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。