デリケートなペチャさんにも伝わりやすい。叱らないしつけレッスン(1)

人間と犬とが一緒に暮らす上で、どうしても欠かせないのはしつけ。叱らずに上手に愛犬にしつけを教えるための極意を学んで愛犬と楽しく過ごそう。

 

 

叱るとは?

叱らないしつけ

まず「叱る」とは、どのようなことなのか。人と犬との違いや、叱り続けるとどうなるのか知っておこう。

人の場合

(1) 嫌な気持ちにさせないといけない(嫌悪刺激)
(2) なぜそれが起きたのか
(3) どうすればいいのか

(1)嫌な気持ちにさせ、(2)(3)を言葉で伝えること。

 
犬の場合

(1)の嫌な気持ちにしかできない。
(2)と(3)は言葉で伝えることなので、犬には伝わらない。

 
叱り続けると

・逃避行動
(呼んでも来ない、飼い主を避ける)

・攻撃性や破壊行動が増す
(例えば噛む)

・無気力
(動かなくなる、正気がない、うつ状態)

 
叱らずに教えるには……

犬の学習パターンを把握しておく

・犬のとっていいことが起こると、その行動の頻度が増える。

・犬にとって嫌なことが起こると、その行動の頻度は減る。

・犬にとっていいことが無くなると、その行動の頻度は減る。

・犬にとって嫌なことが無くなると、その行動の頻度が増える。

 

単に叱っているだけでは何も伝わらない

叱らないしつけ

叱るというのは、ある行動に対して、次にまたその行動をさせないために、ネガティブな何かをするということ。

上に示した、(1)嫌な気持ち(嫌悪刺激)をさせるにあてはまる。嫌な気持ちにさせることの例としては、大声で怒鳴る、叩く、どこかに閉じ込めるなどがあげられる。そして、次にまたその行動をさせないためには、単に叱るだけではその効果は期待できない。

人の場合であれば、次に同じことを繰り返さないためにはどうしたらいいのかなどを言葉で伝えることができる。犬には言葉で伝えることができない。そのため、叱るだけでは犬を嫌な気持ちにさせるしかないのである。

そして、犬を叱り続けていると、上にあげたようなさまざまな弊害が出てきてしまう。犬を叱らずに、その行動を繰り返させないよう教えていくには、犬の学習パターンを理解しておくことも大切だ。これらをまずはふまえておき、しつけを教えていくようにしたい。

 

しつけはどう行うべきか!?

愛犬がいたずらしているのを見つけた。そんな時、どんな対処をしているだろうか。「コラッ!ダメでしょ」と大声で叱るという人も少なくない。

叱られた時は、愛犬がなんとなくショボンとして、反省しているように見えても、もう大丈夫かなと思った頃にまた同じいたずらを繰り返すこともある。「あれだけ叱ったのに、全然効果がないじゃない~」と思ったことのある人もいるのではないだろうか。

できれば叱らずに、しつけをしたいとは、多くの飼い主が願うもの。人間だって、叱る方も叱られる方も嫌な気分になることだってある。ましてや、ちょっぴりデリケートな性格な犬だと、叱られたことによっていじけてしまうことも考えられる。

一緒に暮らす人も犬も、お互いがストレスなく、快適に暮らしていくためには、しつけは欠かせないもの。人間の子供でも、生まれた時は何もルールを知らない。これをやってはいけないのだよ、これはやってもいいのだよとしつけを通して、親が子供へ教えていく。それは犬も同じだ。人間社会において大切なルールなどを、飼い主が愛犬へ教えてあげるのがしつけだ。

愛犬とのより良い関係を築くためにも叱らないしつけを目指したいもの。そこで、愛犬を叱らずにしつけをするためには、飼い主はどんなことを知っておいたらいいのだろうか。

 

愛犬と意思の疎通ははかれている?

叱らないしつけ

叱らないために教えておきたいレッスンを始める前に、日頃から愛犬との信頼関係を築いておくことも大切。意思の疎通がはかれているかチェックを!

□体を触ることができる
体のどの部分でも触らせてくれるかどうか。体に異常がないかボディチェックなどにおいても大切。日頃から慣らしておきたい。

□オイデで来る
「オイデ」と声をかけたら飼い主の体に密着するまで来るか。全く来ない、途中までは来るけれど…という場合は繰り返し練習を。

□名前を呼ぶと注目する
何かを教えるには、まずは犬の意識を注目させることが大切。名前を呼んだ時だけでなく自然と飼い主を注目するようにさせたい。

□口の中を見ることができる
体だけでなく、口の中を見ることができるというのも重要なこと。信頼関係ができていないとおとなしく見せてくれない場合もある。

□足を拭かせてくれる
散歩後には欠かせない足拭き。足先は犬にとって敏感な部分のひとつ。嫌がらずに拭かせてくれるのも、信頼しているからこそ。

□ブラッシングができる
ブラッシングができるのも、愛犬の健康管理のためには大切なこと。おとなしく身をまかせてくれるかどうかチェック。

□クレートの中でおとなしく過ごせる
クレートの中に入ることに日頃から慣れていれば、来客時やお出かけの際にも安心。留守番中などのいたずら防止にも役立つ。

□ オスワリ・フセ・マテなどに反応ができる
オスワリ、フセ、マテなどができていれば、さまざまな場面で役立つ。飼い主の合図に従うといいことが起こると教えていこう。

□散歩中リードを引っ張らずに歩ける
散歩中も飼い主に注目できるようになっていれば、リードを引っ張ることもなく、拾い食いや万が一の事故などの予防にもつながる。

 

愛犬の保護者となりさまざまなことを教えよう

叱ることがどうして犬に向かないのかは、上で述べた通りだ。犬のしつけの方法も、昔と現在では確実に変わってきている。

かつては、犬に服従させましょう、飼い主はリーダーでなければならないという考え方で、叱って、痛みを加えるなどのしつけが多く見られた。

しかし、叱ることのリスクがわかってきて、もっと効果的な方法を取り入れようと、ほめてしつけることが主流になってきたのが、2000年以降ではないだろうか。

飼い方の変化も大きく影響しているそうだ。日本において、昔は犬といえば番犬として外飼いしている家庭が多かった。今はほとんどが室内飼いで、犬を家族の一員として迎えるという人が多い。飼い主はリーダーではなく、愛犬と一緒にいい関係を築いて「共生」するという考え方になっている。

飼い主と犬との関係としては、飼い主は犬の保護者。こういう時はこういうことをすればいいのだよと、人間の親が子供へ教えてあげるように、犬にも教えてあげよう。

犬に何かを教えるに際して、言葉で伝えられないだけに、日頃から信頼関係を築き、意思の疎通がはかれているかどうかも重要になってくる。上で紹介している項目ができているかどうかを、ひとつの目安にしてみよう。

 

困りごと別の対策

叱らないしつけ

愛犬のこんな行動に困ってしまうという、よくありがちな困りごとにどう叱らずに対応すればいいのだろうか。シーン別に主な対応について紹介していこう。

□ゴミ箱をいたずらする
美味しいものを見つけた、楽しかったとなれば、繰り返すもの。フタ付のゴミ箱に替える、犬の届かない場所へ置くなどの対応を。

□人に飛びついてしまう
飛びついてきても犬をかまわないで、無視する。多くの犬は無視していると座る。犬が座ったらかまってあげるようにしていく。

□他の犬にケンカを売る
子犬の社会化期から犬に慣らすことが重要。すでに他の犬が苦手なら近づけたりせず、おとなしくすれ違うことだけを目指そう。

□食器を守ってしまう
食器は使わず手からフードをあげる。それができたら手から食器にフードを投げ込む。人の手が出てもいいことが起こると教えて。

□室内や屋外でのマーキング
室内のマーキングは去勢することで軽減できる。外では本能的に改善するのは難しい。していい場所、いけない場所を決めておく。

□盗み食いをする
テーブルの上の食べ物を盗み食いされるのは、食べ物を置いた飼い主が悪い。犬の手の届く場所に食べ物を置いておかないこと。

□人の手に噛みつく
どんな時に噛みつくのか。例えば、足拭きなど、犬が苦手なことをされると噛むのなら、少しずつ足拭きに慣らしていく。

□窓の外を通る人に吠える
吠えさせないように対処することが大切。外を見て吠えるなら、窓の外が見えないようカーテンをするなどの工夫を。

 

どう学んだかで対処の方法も違ってくる

叱らないしつけ

愛犬が何か困った行動をした時に、そのままにしておけば、犬はその行動を学んでしまう。

少なくとも2回やっている行動は、犬にとっていいことが起きているか、嫌なことがなくなっているかということ。

いいことの例として、ゴミ箱をいたずらしたら楽しかったなどがあげられる。

嫌なことがなくなる例は、窓の外を歩いている人に吠えたら、その人が遠ざかったなど。

いいことが起こって学んだ行動に対しては、いいことを無くすと同時に、その根底にある要求を別の行動で満たしてあげる。ゴミ箱ならいたずらできない状態にしておき、飼い主のそばにいた方が楽しいと思えれば、犬はゴミ箱に近づかなくなるもの。

そして、嫌なことがなくなることで学んだ行動は嫌なことに少しずつ慣らしていく。窓の外に誰か通って吠える時に、フードをばらまいてみる。フードがもらえるとわかれば、人が通るといいことが起こるのだと思うようになってくる。

もし困った行動を見つけた時は、今やっている行動をストップさせる。『あっ』と大きな声を出したり、手を叩いたりして、こちらに犬の気を引かせること。

そして、次の行動として犬が何をしたらいいのか、例えばオスワリなのか、オイデなのかなど好ましい行動を教えていこう。

上記の対処はあくまでも一例。犬の性格や状況によっても違いがある。困っている場合は、しつけの専門家に相談してみよう。

 

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PE・CHA vol.19『デリケートなペチャさんにも伝わりやすい 叱らないしつけLesson』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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