犬びより

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足の衰えから愛犬の老化が進行する?ロコモを防ぐ環境の見直し対策!

2018/12/11

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犬の寿命が延びると共に注目されている「ロコモティブシンドローム」、通称「ロコモ」。生涯現役であってほしい愛犬のためにも運動器障害を差す、この症候群について学ぼう。
 

寿命が延びたからこそ増えてきた犬の“ロコモ”

「ロコモティブシンドローム」、通称「ロコモ」をご存知だろうか。耳慣れない言葉だか、実は今、このロコモが、犬の医療界で注目されているようだ。

「ロコモティブシンドロームとは、骨や関節、筋肉や神経などで構成される運動器に何らかの障害をもたらす総称のこと。このロコモを引き起こす要因は膝蓋骨脱臼や股関節脱臼などの先天的な病気から、変形性脊椎症や関節炎や椎間板ヘルニアなどさまざまだが、最も多いとされるのが老化によるもの。

私たち人間の大切なパートナーである犬は、近年の医療の発達と食生活の向上に伴い、はるかに寿命が延びた。その一方で、老化による運動器障害が問題になっているのだ。ロコモの症状が現れ始めるのは一般的にシニア犬といわれる7歳頃からだが、中には早くから症状が出始める犬もいる。最近では室内飼いの影響もあり、日本犬であっても足腰が弱っている場合が少なくない。

単に“老化”と一言で片付けられがちなロコモだが、前兆や症状を理解し、的確なケアや予防対策を知ることは、いつまでも歩ける体をつくる上で大切なこと。

“うちの犬はまだ若いから”と思わず、予防医学の観点からも今からロコモ対策を取り入れてみよう。

 

ロコモを引き起こす老化のサイン

老化のサインが見えたら早めのケアを。早期発見による対策がロコモを防ぐカギとなる。見た目や行動に変化がないか、気を付けて観察してみよう。

【見た目】

□下半身の筋肉が落ちお尻が小さくなってきた

□頭と腰が下がり背中が丸まってきた

□(横から見て)後ろ足のつく位置が前方(中心より)になっている

 
【行動】

□足腰が弱くなり、立ったり、座ったりに時間がかかる

□段差につまずいたり、段差を嫌がるようになる

□シッポを振らなくなる、上がりにくくなる

□きれいなオスワリやフセの姿勢がとれなくなってくる

□ひざが上がらず、足を引きずるように歩く

□歩幅が狭くなり、歩く速度がゆっくりになった

□歩いている時の後ろ姿が逆三角形(後ろ足が閉じてしまう)

□疲れやすくなった

□物への執着や好奇心が薄れ寝ている時間が増えた

 

実際は関係している3つのこと

「心」「体」「行動」は連動している。例えば体が思うように動かなかったり痛みがあると、ストレスを感じて、そこから不眠症になったりすることも。「病は気から」というように、東洋医学では心身一如と考える。心と体の両方が健康で初めて健康と呼べるのだ。どこかひとつ問題が生じれば、悪循環の連鎖を引き起こすことを覚えておこう。

 

寝たきりになる過程を知ろう

1.小股になり歩く速度が遅くなる
筋肉の柔軟性が失われ、関節の可動域が狭くなり、思うようにひざが上がらなくなる。そのため歩幅が小さくなり、トボトボと歩くようになる。

 
2.後ろ足の開く幅が狭くなり腰の位置が下がる
股関節の可動域が狭くなり、後ろ足の開く幅が小さくなり、腰の位置が落ちてくる。股関節に痛みが出始めると、お尻を左右に振って歩くようになる。

 
3.オスワリやフセの姿勢がきちんと保てなくなる
筋力の衰えや、長年のクセや姿勢の悪さなどから、オスワリやフセの維持が辛くなり、だんだんと姿勢が崩れてくる。横座りしかできなくなることも。

 
4.オスワリの姿勢から立ち上がるのが辛くなる
下半身の筋肉を使わなければ、オスワリの姿勢から立ち上がれない。立ち上がりまで時間がかかるようなら、下半身の筋力が落ちているサイン。

 
5.オスワリやフセから自力で立てない
さらに進むと一旦床に腰を着けてしまうと、飼い主の介助がなければ自力では立ち上がれなくなる。立たせてあげればまだ歩ける状態をさす。

 
6.介助なしでは歩けなくなる
後ろ足が弱り、フラフラと不安定な歩行しかできないか、腰を支えるハーネスで補助しなければ歩けなくなる。車いすによるリハビリを検討しよう。

 
7.介助が必要な寝たきりの状態に
足で体を支え切れず、思いどおりに体が動かせない、いわゆる「寝たきり」の状態。床ずれ対策など専門的な介護が必要となる。

 

犬の体のバランス

前半の体重:後ろの体重
    7:3

犬は7対3の割合で前足に重心をかけている。後ろ足の意識がおろそかになるため、衰えやすい。後ろ足を使うトレーニングを加えよう。

 

環境の見直しも忘れずに

筋肉の衰えや、筋肉の負担を積み重ねることで症状が出やすいロコモ。誘発しやすい環境や行動がないか、今一度見直してみよう。

■太らせすぎないように気をつける
シニアになると代謝が落ちて、太りやすくなる。太ると関節に負担がかかり、歩くのが億劫になり、肥満の悪循環に。食事量はコントロールし、運動量を増やして、適正体重を目指そう。

■病気やケガをしても大事を取り過ぎない
病気やケガをしたからといって大事を取り過ぎると、筋力が衰えて歩けなくなる原因に。獣医師に絶対安静と言われるほど大きな問題でなければ、様子を見ながら少しずつ運動を始めよう。

■食事の台を上げ底にする
床にエサの器を置くと、うつむいて食事をすることになるが、これが首や足、背骨に負担をかける原因にもなる。食事の器は適度な高さの台に乗せるようにしよう。

■床の素材を滑りにくいものに変える
フローリングなどツルツルの床材は滑りやすく、股関節に負担をかけるため、関節炎などの原因にも。クッションフロアにする、カーペットを敷くなどし、滑らない対策をとろう。

 
 
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Shi‐Ba vol.85『足の衰から老化が進行する!?ロコモティブシンドロームの予防 筋トレ ストレッチ』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。