よだれ、鼻水、肉球汁……たかが汁とあなどるなかれ!汁でわかる柴犬の健康

柴犬の目ヤニ

犬の汁とは、犬の体から出てくる体液のこと。よだれや鼻水、目ヤニ、涙はもちろん、体から出てくる汁について調べてみた。さまざまな汁の健康状態とは、また病気の可能性がある状態とはどんなものなのかを知っておこう。
 

 

目ヤニ

▽危険な汁とは

黄色や緑色、血が混ざって赤っぽい色は病気の可能性が。朝起きたときに目ヤニで目が開かない状態も要注意。

 
▽指先で軽く取れる程度なら心配ない

健康時の目ヤニというのは、白っぽかったり、やや赤黒い。ちょこんと目の端について指先で軽く取れる程度の量なら心配ない。これらはムチンという物質で、目を保護するために出てくるもの。ホコリが入ったり、軽い刺激が加わったりすると目ヤニは出る。

黄色や緑色、血が混ざった色などの目ヤニが出たら結膜炎や角膜炎などで炎症を起こしている場合があるのですぐに動物病院へ。

また、朝起きたときに目ヤニで目が開かない状態の時は、ドライアイや逆まつげの可能性が。

目の病気は早期治療が大切なので、いつもと違う目ヤニが出たら早めに診察を受けよう。

 

▽危険な汁とは

涙が急に多くなった場合は病気の可能性が高い。また、涙が出なくても目をショボショボさせている場合も要注意。

 
▽柴犬で特に注意したいのが緑内障

健康な涙の状態は、目に適度なうるおいがあり、涙が表面に溢れることはない。

涙が溢れて目頭や目尻など、目のまわりが濡れてしまうという場合には涙管が詰まってしまったり、細くなっていることが考えられる。

急に涙の量が増えた場合には、角膜炎や結膜炎、緑内障を起こし、目が痛くて涙が多くなっていることもある

中でもとくに注意したいのが緑内障。柴犬は緑内障の好発犬種であるからだ。基本的に発症したら72時間で失明してしまう。多くの場合、涙が出るが、涙が出ていなくても目を細めてショボショボさせている時には、すぐに動物病院で診察を。

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よだれ

柴犬のよだれ

▽危険な汁とは

透明でサラッとしていても、量がいつもより多い場合。潤っていたり、黄色や茶色など色がついている場合には病気の可能性がある。

 
▽口の中に異常がある時はよだれの量や色などに変化が

基本的によだれが出る状態としては、お腹が空いていて食べ物を前にしたときや暑い時、車酔いなどで気持ちが悪いときや極度の緊張状態のときなど。これらの状況のときによだれが出るのはとくに問題はない。

健康時のよだれは、色は透明で、ニオイもさほど臭くない。糸を引く場合もあるが、どちらかと言えばベタッというよりサラリとしている。

色や形態が正常でも、分泌量が多い場合には唾液を分泌させる唾液腺ホルモンや神経の異常が考えられる。本人は出したくないのによだれがダラダラと出てしまうのだ。

また、よだれが濁っていたり、色がついている時には、口の中に異常がある場合が多い

口腔内の異常とともに、色だけでなく粘着性が出てきたり、ニオイも出てくる

最も多いのが歯周病。痛みがあるためによだれの分泌量が増し、膿みと混ざりあって、よだれも臭くなってしまう。

他にも細菌感染や、ウィルス感染により唾液腺炎を起こすと、菌の種類によって色に違いが出てくる。

口腔内に腫瘍ができた場合にも、異様なニオイがしたり、黒っぽいよだれを出すといわれている。

口の中だけでなく、鼻や食道、胃にトラブルがある場合もよだれが臭く感じることがあるので注意しよう

 

鼻水

▽危険な汁とは

潤っているもの、黄色や緑色など色のついているもの。鼻血、鼻水が出る以外に、くしゃみが多い場合も注意。

 
▽潤っていたり、色がついた鼻水やくしゃみが多いときは要注意

透明でサラッとした鼻水が出る場合は、緊張しているためというケースが多い。緊張時には鼻水と一緒によだれが出ていたりするもの。

また、人間が泣くと鼻水が出てくるのと同じ様に、犬も涙の量が多くなると鼻水が多くなる。

いずれにしても、透明でサラッとした状態の鼻水が出ても、すぐにおさまるようならとくに心配はない。

問題なのが、潤っていたり、黄色や緑色など鼻水に色が付いていた場合。これらの鼻水が出るときには、鼻の中で炎症が起きている可能性が高い。

また、歯周病が悪化すると上顎から鼻へと穴が開いてしまい、くしゃみと共に膿みが鼻から出てくることもある。

鼻に中に草やホコリなど異物が入ってしまった時も、くしゃみや鼻水が出る。

鼻腔内に腫瘍がある場合にも、症状が進むとくしゃみと共に鼻血が出てくるので注意して見ておこう。

鼻水とは逆に、鼻が乾いていると病気なのではと心配しがちだが、鼻が乾いているから必ずしも具合が悪いとは言い切れない。寝起きはだいたい乾いているものである。

ただし、寝起きでもないのに、日中も鼻が乾いているようなら、熱がある可能性も。

気になるようなら動物病院で診てもらおう。

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肉球の汁

柴犬の肉球

▽危険な汁とは

肉球の汗にまつわる病気はとくにない。しいてあげるとすれば、年齢的なものや寒い季節は肉球の乾燥に注意を

 
▽暑い時や緊張、興奮時には発刊作用で肉球から汗が出る

犬は人間と違って、全身で発汗するのではなく、唯一汗をかくのが足の裏である

肉球が常に濡れているということはなく、暑い時や、緊張したち、興奮したりで体温が上がった際に肉球に汗をかく。動物病院の診察台に乗せられると緊張して、足跡がつく程の汗をかく犬も時にはいるそうだ。だが、肉球の汗が原因でトラブルを起こすことはない。

ただ、年をとってくるとカサカサと乾燥して、角質化が起こってくる。年齢とは関係なく乾燥しやすい冬などは肉球クリームで保護してあげよう

 

耳アカ

▽犬種的にも柴犬に耳の病気は多くない

健康な耳アカは黒っぽかったり、茶色っぽかったりと様々だ。

立ち耳の柴犬は、犬種的にも他の犬種に比べ、耳アカの量も耳の病気も多くはない。

耳アカが汁のようにたれてくる症状がある病気としては急性の外耳道炎がある

多くの場合は感染が原因だったり、腫瘍があることで耳の中が化膿し、黄色や薄緑の膿みが出てくると同時に悪臭もする

 

まとめ

柴犬の汁

なんといっても普段からそれぞれの汁の色や匂い、状態をよく見ておくこと。

よだれや鼻水などは量が増えたからというより、臭いと感じて動物病院へ連れて来る飼い主が多いそうだ。

そして、悪性腫瘍などの場合、もう少し早く連れてくれば、治療が可能だったのに、すでに手遅れだったというケースも少なくない。

愛犬の健康時の状態を把握しておくとともに、病気の早期発見・早期治療を目指したい。

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Shi‐Ba vol.38『たかが汁とあなどるなかれ!汁でわかる柴犬の健康 犬の汁』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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