日本犬の噛みに関する雑学を紹介していこう。気になっていた雑学もスッキリ解決?これで日本犬と上手く付き合えるようになるかも。
噛みの雑学
1. 上下関係と噛みは無関係?
人を噛む犬は相手をバカにしている、下に見ていると言われているが、このような上下関係はない。
犬に噛まれた時に威圧的、暴力的な対応は絶対にやめよう。人が力づくで対応をすれば、犬も力づくで向かってくる。
特に日本犬の場合、このような対応を続けて、かえって攻撃性が高くなってしまった犬がとても多い。困った噛みがある場合は、動物行動学に詳しい専門家に相談しよう。
2.犬に噛まれやすい人がいる
家族を遊びで噛むのはいいけれど、知らない人を噛んだら困る。
しかし、日本犬はちょっと遠慮をする犬種なので、知らない人には噛みを控えるタイプが多い。甘噛みやじゃれ噛みなら大きな問題にはなりにくいので、特に対処は必要ない。
ただし、ラブラドール・レトリーバーのような底抜けにフレンドリーな日本犬なら、誰に対してもガブッと噛むかもしれない。愛犬の性格に合わせて必要な対処法を実践しよう。
3.家族は噛んでも他人は噛まない
甘え噛みをされる人は、犬が心を許している相手、気の置けない相手。甘噛みに加えてマウンティングをされることもある。人が困っていなければ対処しなくてもOK。
じゃれ噛みをされる人は遊び相手、誘えば必ず遊んでくれる相手。または、噛んだ時の反応が楽しい相手。この場合、人は叱っているつもりでも犬は遊びと思っている。
攻撃的な噛みをされる人は対立関係が生じている相手。対処法を参考にしよう。
4.子どもの教育は人に任せてもいい?
小さい子供は犬にちょっかいを出すことがある。耳を強く引っ張ったり、ポカポカ叩いたり。
そばで見ているとどちらも心配になるが、判断力があって噛む力を加減できる犬は、子供の教育係になってくれる。信頼できる犬なら子守りを任せても大丈夫。子供がイタズラをしないように見張ってくれることもある。
しかし、我慢強い犬はじっと耐え続けてしまうので、周囲の保護者が助け舟を出してあげよう。
5.運動不足の犬は噛みが多くなる
運動不足の犬は噛むことでエネルギーを発散しようとする。日本犬は野生の本能的な行動を好むので、散歩を工夫して上手にエネルギーを発散させよう。
例えば、薮の中を歩く、においを嗅ぐ、知らない場所を探検する、など。知的にも刺激がある散歩を心がけよう。
噛みごたえがあるオモチャで、引っ張りっこ遊びもエネルギーの発散に役立つ。独占欲が強いタイプは奪い合いと思う可能性があるので、愛犬の性格を見極めよう。
6.鼻にシワを寄せて平和的解決
鼻にシワを寄せてウ~ッと唸る犬は怖そうに見えるが、「争いたくない」「それ以上はやめて」と警告している。むしろ平和的解決を望んでいるサイン。犬の意思を尊重して嫌がることは控えよう。
ただし、日常生活に必要な足拭きやブラッシングの時に唸る場合は、ごほうびを使って少しずつ接触に慣れる練習をする。
唸った時に叱ると、「警告すれば叱られる」と思っていきなり噛むようになるので注意。
7.日本犬は噛むイメージが強い
日本犬の飼い主の中には、「噛まれそう」と言われた経験がある方もいる。番犬の歴史から危険なイメージがついてしまったようだ。
昔の日本犬は自宅に近づく人に吠えたり、時には噛みついたりすることが仕事。警戒心は現代の犬にも受け継がれているので、実際に吠えられたり噛まれたりした経験がある人が多いからだろう。
犬の咬傷事故は柴犬が多いこと、甲斐犬のような黒っぽい犬は怖そうにみえることも関係しているかもしれない。
8.イライラ噛みと後追い行動に注意
わずかな不安や葛藤を感じただけで、スイッチが入ったように表情が一変して、全力で噛みつく犬がいる。
これは特殊な事例として「イライラ噛み」に分類している。このタイプは自分の尾を追って回ることが多く、時には尾を噛み、ひどいケースでは噛み切ってしまう。
転化性攻撃(八つ当たりのような噛み)をすることもある。脳に遺伝的な問題があると考えられているので、行動治療に詳しい専門家に相談が必要。
犬に密着しすぎて噛まれる飼い主が増えている?
実は、愛犬に噛まれる人が増えているというウワサがあるがこれは事実だ。
飼い主の犬に対する接し方の変化も理由のひとつ。犬は家族の一員と考える方が増えている。しかし、長らく番犬や猟犬として働いてきた日本犬は、人に密着する暮らしをしていない。その性質は現代の犬にも受け継がれている。
日本人の挨拶がお辞儀であるように、日本犬も距離を置いてつき合いたいタイプが多い。例えば、抱っこなどを無理強いした結果、犬にうざがり噛みをされる飼い主が増えている。マイナスの感情で噛まれたらちょっとショックかも。
日本犬の噛みと上手につき合える飼い主になろう!
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監修:山下國廣先生
Shi‐Ba vol.72 『犬が噛む理由を知って、上手に噛みと付き合おう!甘噛み!じゃれ噛み!本気噛み!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。