家族と密に接している犬は、生活リズムを合わせてくれる傾向がある。外よりも室内で暮らしている犬の方が合わせやすい。また、空気を読むタイプの犬は過剰に興奮しないので、家族の習慣に合わせるだろう。他にも、犬の年齢や家族の性格にも影響されると言われている。今回はそんな犬の生活リズムについて追求する。
犬の生活リズムQ&A
Q.犬も規則正しい生活を送った方がいい?
A.散歩など日課の時間はランダムに
学校のチャイムや町内会の放送など、決まった時間の合図で散歩の習慣をつけると大変になる可能性もある。家族がその時間に急用があっても、「散歩! 散歩! 散歩!」とひたすら吠えて催促するようになるかもしれない。
散歩の時間を夕方にしたり、昼間にしたり、ランダムに変えた方がいいだろう。
Q.迎えたばかりの子犬が夜中に鳴く
A.不安を取り除いて規則正しい生活を
生活リズムが整っていない子犬は、夜中に鳴いたり、遊びを催促したりすることがある。ただし、夜中に鳴く子犬は不安を感じている可能性も。ケージを家族の寝室に運んで人の気配を感じられる環境にすることで解消できるかもしれない。周囲が見えないように毛布をかけてあげてもいい。飼い主さんがある程度、規則正しい生活を送れば、半年くらいで合わせてくれるようになるだろう。
Q.シニア犬は家族と習慣が合いにくい?
A.体調や排泄の間隔の変化による
シニア犬は体調が変化しやすくなる。今までと様子が違う場合や、認知症による習慣の変化が疑われる場合は動物病院に相談しよう。
また、排泄の間隔が近くなるので、トイレに行くために家族を起こすことが増える。外のトイレのみなら散歩へ、室内トイレができる場合も号令をかけてあげる必要があるかもしれない。排泄の間隔は食事の時間によって調整できるので、起こされる回数を減らせる。
生活リズムを少し変えるだけで、人もシニア犬も快適な暮らしを送れる場合がある。
Q.外飼いの愛犬が日の出とともに起床するのはなぜ?
A.人の社会の活動に合わせている
明け方に起きる犬は、日の出だけが原因ではなく、新聞配達やラジオ体操をする人など、人の社会に合わせて活動を始めているのかもしれない。
特に外飼いの犬は周囲の状況に影響を受けやすい。室内飼いの犬に比べて密に接する機会が少なく、空気を読む必要もほとんどないので、独自の生活リズムを持ちやすい傾向がある。
Q.季節によって起床の時間が変わるのはなぜ?
A.暑さや寒さに左右される
夏は暑いので早く起きる犬は多い。エアコンをつけてもらうために、飼い主を起こす犬もいるかもしれない。
夜中に容器の水をすべて飲んでしまった場合、喉が渇いて訴えることもあるだろう。容器に水を多めに入れておいてもいいのだが、愛犬をケージやサークルで寝かせている場合、こぼして体を冷やしてしまう心配が。柵につけられるボトル型の容器を利用すると安心。ひとくちで大量に飲めないので、飲み過ぎて夜中に排泄のために起こされることもないはず。
ただし、熱中症の恐れがあるほど暑い時は、水をたくさん飲める容器にしておく。冬は寒いから活動の時間も遅くなりがち。もし夜中に起こす場合は、寝場所が寒かったことが考えられる。環境を見直してあげたい。
ストレスに強い犬を育てるために
生活リズムを変える時は、少しずつ段階を踏むこと。一旦変えた生活リズムを維持すれば、犬はだんだん慣れていく。
また、生活リズムを変えたら、環境などは以前の状態にしておこう。家具の配置やゴハンの種類、愛犬のベッドなどは変えない方がいい。
愛犬が新生活に慣れるように、ご家庭で工夫してあげよう。目指すのは、犬がストレスを感じない生活リズム。犬がストレスを感じない暮らしは、『予測できることが起きる生活』。しかし、単調な生活は順応性を身につけられず、かえってストレスを受けやすくなってしまう。
予期せぬことがたびたび起きる生活は避けた方がいいが、いつもと違うことも日常に取り入れよう。外出が好きなら、時にはサプライズで『突然のうれしい出来事』を演出してあげるといい。愛犬が好きなドッグランや行楽地へ行く計画を立てて、家族でイベントを楽しもう。
ただし、犬は目的地に着くまで何が起きるのかわからない。苦手なペットホテルに預けられることを想像して、不安を感じる可能性もある。そんな時は愛犬がストレスを感じないように、家族が楽しい雰囲気を演出して「うれしい出来事」だと伝えよう。
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Shi‐Ba vol.64『新生活の前に考えよう!犬と人の生活リズム』より抜粋
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