犬びより

【犬の糖尿病】検査や正しい治療方法は?病気との上手なつき合い方

2019/08/06

愛犬に糖尿病の疑いがある場合、どんな検査で診断されるのだろうか。また、糖尿病と判断された場合はどのような治療を行い、病気と付き合っていけばいいのだろう。今回は糖尿病の検査、治療、付き合い方をご紹介しよう。
 

 

どんな検査で糖尿病が分かる?

犬の糖尿病

■尿検査 尿中の糖分の度合いを調べる
尿に糖が出ていないかを、試験紙によって調べていく。尿に試験紙を浸すと色が変わるので、その色によって尿中の糖分の度合いがわかる。糖が出ていれば、糖尿病の可能性が高い。

 
■血液検査 血糖値が高いかを調べる
尿検査と合わせて、血液検査も行う。犬の正常な血糖値は、空腹時において60~100(mg/100ml)であり、上限は150までといわれている。それ以上の数値を出している場合、糖尿病と診断される。

 
■検査のポイント 検査は空腹時に受ける
食後は健康な犬でもある程度、尿糖や血糖の数値が上がる。空腹時に数値が高いと、確実に糖尿病となる。糖尿病か調べてもらうためには、空腹時に動物病院へ連れて行くと、正確な判断が出やすい。

 

糖尿病の治療

犬の糖尿病

■食餌療法 血糖値上昇のピークを抑える
食事の質や量によって、いきなり血糖値が上がると、その分、インスリンも急いで多く出さなければならない。上昇のピークがあると、それだけ体に負担がかかる。血糖値をおだやかに上げるように出来ている、糖尿病対策用の療法食を与えていく。

 
■インスリン注射 犬に合った量を投与する
高くなっている血糖値を一定に保つために、インスリン注射は糖尿病の治療において欠かせない。その犬にとって適性な量のインスリンを皮下注射で投与する。インスリンの種類にも中間型や速攻型などいろいろなタイプがあり、1日2回の場合もあれば1回の場合もある。

 
※注意 経過や犬の様子によって量が変わることも
一度、インスリンの量が決まったとしても、月1回など定期的に血糖値を調べて経過をみていく。続けていくうちに、インスリンに対して抗体ができてしまい、感受性が鈍くなってしまう場合もある。そのため、治療していく中で、インスリンの量は変わることもある。

 

インスリン注射・食餌以外の対策

■毎日安定した量と質の運動を行うことも大切

インスリン注射と食餌療法に加えて、運動も治療のひとつ。ただし激しい運動は避けること。いきなりエネルギーを消費する運動だと血糖値を下げ過ぎてしまう。また運動量がバラついてしまうと、インスリンの量も変動するため、安定した量と質の運動を行うこと。

 

インスリンの投与量の決め方

犬の糖尿病

糖尿病の治療として必ず行うのが、インスリン注射と食餌療法

インスリンの量を決めるにあたってはやはり尿検査と血液検査を何回か行いながら、決めていくことになる。

インスリンの量が決まるまでは、動物病院に入院する場合もあれば、通院して決めていく場合もある。それは糖尿病の進行具合や犬の性格などによって違ってくる。

神経質な犬の場合は、入院することがストレスとなり、血糖値が上がってしまうこともある。そうなると適性なインスリン量を決めるのが難しくなるからだ。入院の場合は3~4日、長ければ1週間程通院の場合は早くて2週間、長くて1ヶ月程かかることが多い。

糖尿病にはⅠ型とⅡ型があるがそのどちらかを判定する検査キットはないため、治療を行いながら、判断していくことになる。

犬の場合はⅠ型が多くを占めるので、まずはⅠ型として治療を始めていき、それで血糖値の状態がコントロールできないとなれば、Ⅱ型と判断する。

Ⅱ型の場合、原因と考えられるものを改善していく。ストレスや感染症がありそうなら、それらの治療を行い、その結果、血糖値の変動が減ってくれば、場合によっては、インスリン注射をやめられることもある。だが、体質が問題しているなど、治療をしているのに糖尿病が進行してしまうケースも。

合併症を発症している場合は、糖尿病の治療と併せて、その治療も行っていくことになる。しかし、糖尿病の治療によって、うまく血糖値がコントロールできていれば、合併症を起こすことはない。そのためには定期検診も欠かせない。検査をどのくらいの間隔で行うかは、その犬の状態と獣医師の判断にもよる。獣医師の指示に従って、これらのことを心がけていくことが大切。

 

糖尿病と上手く付き合うには

犬の糖尿病

糖尿病を発症したら一生つき合っていかなければならない。うまくつき合うためには、どんなことにつき合えばいいのだろうか。

■動物病院では?

→血糖値を定期的に調べてもらう
もし、愛犬が糖尿病と診断されても病気とうまくつき合い、少しでも愛犬が快適に生きていけることを目標に置くことが大切だ。何でなっちゃたんだろうと悲観しないこと。うまくつき合っていけばすぐに命に関わることもなく、過ごしていける。

動物病院でインスリン注射を打ってもらうのもいいが、毎日通院するのは費用面や時間的なことを考えても、なかなか難しい。そのため、獣医師の指導のもとに、飼い主が自宅で行うケースがほとんどだ。動物病院で行ってもらうのは、血糖値を定期的に調べてもらい、良い状態が保たれているかのチェックとなる。

今の血糖値の状態を調べるのに有効なのは、血液検査。尿検査の試験紙では、どうしても膀胱にたまっている尿全体の平均値しかわからない。なので、犬の出したオシッコをすぐに調べても今の糖の量を反映しているわけではないのだ。

尿検査の試験紙では、前回打ったインスリンによってどのくらい尿中の糖の数値が低くなっているかはわかる。それは自宅でも確認できることだが血糖値を調べるのは、動物病院でなければ行うことはできない。インスリン注射や食餌療法など行っていることが、どれだけ効果が出ているかがわかると、その後の治療方針にも役立つ、

通院する間隔は、その犬の状態によっても違いがある。獣医師と相談しながら、動物病院ともうまくつき合っていきたい。

犬の糖尿病

 
■家では?

→注射
自宅でインスリン注射を打つ場合、動物病院から指示された時間と量を守り、確実に投与すること。首の後ろやお尻など打ちやすい場所の皮膚をつまんで注射する。もし犬が暴れて、1回分がきちんと入ったかどうかわからない場合に、もう1回分打つのはNG。決められた量よりも、多く打ってしまうと、低血糖を起こすこともあるからだ。次の注射の時間にしっかり1回分を打てるように心がけよう。

 
→ストレスをできるだけ減らしてあげる
血糖値を上げる要因のひとつに、ストレスが影響するともいわれている。避けられるストレスがあるのなら、出来るだけ避けるようにしてあげたい。例えば、散歩中に他の犬や人に会うと、過剰に反応してストレスになっているようなら、散歩に連れて行く時間帯を考えてみる。散歩による運動も大切なことだが、散歩がストレスになるようなら無理に連れ出さないなど、ストレスを減らす工夫をしてあげよう。

 
→ゴハン
糖尿病の治療においては、食餌の内容も重要になってくる。基本的には療法食以外は与えないことだ。愛犬が欲しがるからと、こっそり人間の食べ物を与えてしまっていては、その行為は治療のさまたげにしかならない。決められたインスリンの量と食餌の内容や量、そして運動の量のバランスを守ることが、糖尿病とうまくつき合っていくためには欠かせない。どうしても療法食を食べてくれない場合や、オヤツをあげたいという場合は、獣医師に相談してみよう。勝手に判断してあげないことが大切だ。

 

神経質な性格の犬だと治療が難しい場合も

糖尿病の治療には毎日インスリン注射を打たなければならない。

神経質な性格の犬だと、注射を打とうとしても、抵抗して嫌がる場合がある。

首の後ろは犬が痛みを感じにくい場所なので、犬が嫌がらないような場所を選ぶなど、工夫してみることが大切。

 

定期的な健康診断と日頃の管理が大切

犬の糖尿病

糖尿病は初期の段階では、飼い主さんはなかなか気づきにくい。ゴハンをよく食べ、水もよく飲んでいると、元気に思うからだ。

しかし、定期的な健康診断を心がけておくことで、早めにわかる場合もある。また少しでも愛犬の様子に変化があった場合も、早めに動物病院へ行こう。そうすれば食欲があって元気な状態を維持しながら治療に入ることができる。

糖尿病の治療は、インスリン注射や食餌の管理など、飼い主さんがどれだけ頑張れるかが重要になってくる。そして、それは糖尿病の予防に関しても同じだ。

糖尿病を防ぐためには、肥満にさせないこと。もっと食べたがっているのにあげないのはかわいそうだ、喜んで食べている姿を見たいからと、カロリーが高く、必要以上の量を与えていると、肥満にさせてしまう。肥満は糖尿病だけでなく、他の病気を引き起こす要因となるので気をつけたい

また毎日の散歩で適度な運動を行い、ワクチン接種やフィラリア、寄生虫の駆除などの予防も欠かさずに行っておくこと。糖尿病の予防に限らず、愛犬に元気に長生きしてもらうためにはそうした日頃からのしっかりした管理が大切だということを、忘れないでいてほしい。

 
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プードルスタイル vol.16『正しい診断&治療をすれば糖尿病は怖くない』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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