海外で人気が出て日本でも話題の「スーパーフード」や、昔から日本にある食材など健康効果が期待されるものにはいろいろある。はたしてこれらの効果は犬にも期待できるのか調査してみた。
1.人の全身にいい食材
1-1 青汁
1-2 アサイー
2.人の頭にいい食材
2-1 えごま油
2-2 ココナッツオイル
2-3 麹
3.人の皮膚と被毛にいい食材
3-1 納豆
3-2 クコの実
3-3 亜麻仁油
人の全身にいい食材
◎青汁
【人】抗酸化作用が期待
緑黄色野菜たっぷり。ほとんどの青汁に入っているケールは抗酸化作用を持つβカロテンが豊富。アンチエイジングや体調管理にと長年人気がある。
【犬】犬の体に害はなし
アブラナ科の野菜であるケールは消化も良く、犬に与えても害はない。普段からブロッコリーやキャベツなどの野菜が好きな犬なら抵抗は少ないかもしれない。
【注意】
苦みもあり、食べ慣れないものだと犬は吐いてしまう可能性がある。少ない量から始めること。液体タイプより粉末タイプを利用してみるのもひとつ。
△アサイー
【人】栄養を豊富に含む
ポリフェノールや鉄分、食物繊維、カルシウムなどが多く含まれ、栄養価が高い。そのため美容効果や抗酸化作用効果が期待され、特に女性に人気を集めている。
【犬】摂り過ぎないこと
成分的には、犬にも人と同じ効果が期待できるが、犬での研究結果はないため、摂りすぎはお腹を壊す可能性も。
【注意】加工品は成分に注意
与える場合は犬の様子を見ながら少量から。粉末など加工されたものは、砂糖が入っていることもあるため犬に与える場合は、砂糖が含まれていないものを。
人の頭にいい食材
△えごま油
【人】必須脂肪酸が豊富
オメガ3に分類されるαリノレン酸が多く含まれている食用油。体内に入るとEPAやDHAに変換され、血液をサラサラにしたり、認知症予防が期待されている。
【犬】人程の効果はない
人に比べて、犬の場合はαリノレン酸を摂取しても体内でEPAやDHAに変換しにくいと言われている。そのため、人よりも効果は出にくいと考えられる。
【注意】与えすぎは注意
犬に与えても問題はないが与えすぎは下痢を起こす可能性がある。認知症予防のためであれば、EPAやDHAを含んだ青魚や魚油などを与えるほうがより効果的
×ココナッツオイル
【人】減量や認知症予防に
中鎖脂肪酸を多く含むことから、効率よくエネルギー代謝され、減量に役立つと言われている。また、認知症予防も期待されるということから、注目されている。
【犬】猫は脂肪肝の原因に
犬ではまだはっきりと分かってはいないが、猫の場合はココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は肝臓に蓄積されやすく、脂肪肝を引き起こすといわれている。
【注意】避けておくのが懸命
人と犬とでは、当然ながら体の大きさが違う。もちろん肝臓の大きさも、犬の方が断然小さい。猫はNGのため、万が一のことを考え、犬の場合も避けておこう。
○麹
【人】さまざまな効果あり
ビタミンB群が豊富に含まれており、疲労回復、肌の代謝、脳や神経機能を助けると言われている。また麹菌は酵素を作り出し、腸内環境を整える役割もある。
【犬】さまざまな効果あり
麹自体は、犬に与えても問題ない。人と同様の効果が期待される。麹から作ったできたての甘酒もOK。ただしアルコール発酵された甘酒は犬には×。
【注意】量には気をつける
いきなり与え過ぎると、腸内環境のバランスが崩れて、お腹を壊す可能性がある。慣れていけば落ち着く場合もあるので、少しずつ様子を見ながら与えよう
人の皮膚と被毛にいい
○納豆
【人】優秀な大豆食品
栄養価の高い大豆の発酵食品。納豆には血液をサラサラにして血栓予防の働きを持つナットウキナーゼや血液凝固を促進するビタミンK2も含まれている。
【犬】摂り過ぎないこと
大豆にはたんぱく質、ビタミンが豊富。人と同じ効果は期待できる。ただし、食物繊維も多い。少量なら問題ないが、食物繊維の摂りすぎはお腹を壊す原因に。
【注意】細かくして与える
犬の歯には、人のようにすりつぶす役割の歯がない。消化管に負担をかけないよう、細かくして与えること。あるいはひきわりタイプのものを選んでもOK。
○クコの実
【人】漢方でも有名な食材
抗酸化作用を持つβカロテンを始め、ビタミンBとCも多く含まれ、栄養価は高い。美容効果だけでなく、体質改善などで漢方でも古くから使われている。
【犬】丸呑みさせない
犬は人のように歯ですりつぶすことがないため、そのままだと丸呑みしてしまう。人と同様の効果を期待するためには、つぶすなり、細かくしてから与えよう。
【注意】4~5粒程度に
どんな食材においても、与え過ぎは犬の胃に負担をかけるおそれがある。クコの実の場合もそれは同じ。与えるならば4~5粒程度にしておきたい。
△亜麻仁油
【人】アレルギー改善にも
えごま油と同じ、オメガ3に分類されるαリノレン酸を豊富に含む。認知症や生活習慣病の予防、アレルギー改善なども期待されて人気を集めている。
【犬】人よりも効果は少ない
犬の場合はαリノレン酸を体内でEPAやDHAに変換しにくいため、人程の効果は少ない。少量なら問題ないが、与え過ぎは下痢を起こす可能性がある。
【注意】熱や酸化に注意を
αリノレン酸を含んでいる食用油は熱に弱い。また開封したら早めに使い切ることが大切。酸化した油は肝臓に蓄積しやすいのでくれぐれも注意を。
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Shi‐Ba vol.93『昔からあるものから、今流行のものまで健康食材要チェック!人の体にいいものって犬にはどうなの?』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。