年を重ねた愛犬と、どのように暮らし、病気と向き合っていけばいいのでしょうか。穏やかに、健やかに暮らす知恵や工夫をヒントに、やがてやって来る老いに備えましょう。
1.老犬になっても散歩は必要?
2.愛犬の食欲が落ちてしまい心配
3.危険のない安全な住環境って何?
4.定期的に健康診断を受けた方がいい?
5.シニア犬がかかりやすい病気は?
6.何か起きてからでは遅すぎる
老犬になっても散歩は必要?
適度な運動はできるだけ行いましょう
心臓病や関節障害など運動制限がない限り、無理をせずに、愛犬の歩くペースに合わせて、ゆっくり時間をかけて散歩に出かけましょう。
新鮮な空気を吸ったり、ニオイを嗅いだり、他の犬や人と触れ合うことは五感が刺激され、ストレス解消になります。
ただし、体力を消耗しやすく、体温調節も上手にできないので、季節により散歩の時間を変更することも重要です。
愛犬の食欲が落ちてしまい心配
バランスの良い食事内容と分量が大切
筋肉が衰えてくると代謝機能が弱まり、1日に必要な摂取エネルギー量が減るため、食事内容の見直しをすることが重要です。
ただし、消化不良やストレスの原因にならないよう、様子を見ながら少しずつ切り替えていきましょう。
また、食事中、首に負担がかからず、食べやすいように食器用の台を利用し、足元には滑りにくいゴム製のマットを敷いてあげましょう。
危険のない安全な住環境って何?
床、段差、温度設定などの見直しを
関節や視力の衰え、筋肉の低下などにより、家の中のちょっとした段差、滑りやすい床などで思わぬ事故につながることがあります。
階段の上り下りを避け、1フロアーを愛犬の居住空間にする、スロープを使って段差をなくす、床にはカーペットを敷くなどの工夫をするといいでしょう。
また、体温調節が上手にできないので、室内は寒暖差のない温度設定を保ちましょう。
定期的に健康診断を受けた方がいい?
病気の早期発見、治療に役立ちます
加齢に伴い、病気やケガなど通院や治療の回数が増えていきます。
6歳を過ぎたら年1回、10歳以降は半年に1度の定期健診、1年に1度の血液検査を行ってください。
もちろん、体調の変化に気付いたらすぐに動物病院に行くことも忘れずに。
また、気軽に相談でき、信頼のおける獣医師がいると安心です。病気の早期発見は治療時間も短縮され、愛犬の体にかかる負担も軽減できます。
シニア犬がかかりやすい病気は?
日頃から愛犬をよく観察しましょう
病気になってから十分な治療をすることはもちろんですが、普段から愛犬を観察し、体調の変化を見落とさないことが大切です。
高齢になって体力や抵抗力が落ちてしまう前に注意して、予防することを心がけましょう。
・白内障
白内障はレンズの周囲に変性したタンパク質が付着して目が白く濁り、視界がぼやけて視力の低下を引き起こします。手術をして、術後、終生、目薬の点眼を行います。
・緑内障
眼圧が高くなり、網膜や視神経が圧迫され、激しい痛みにより、まぶたが痙攣したり、涙を流したり、最悪の場合は失明します。眼圧を下げる治療をしますが、具体的な予防法はありません。
・クッシング症候群
副腎で作られるホルモンが過剰に分泌され、体中の臓器に悪影響を及ぼします。6歳以上の高齢犬に多く、多飲、多食、多尿などの症状が現れます。治療しないと死に至る恐ろしい病気です
・歯周病
痛み、ニオイ、ヨダレが多いなどの症状が現れ、放置すると歯が抜けてしまいます。歯周病菌が血管内に侵入すると心臓、肺、腎臓などに悪影響が出ます。歯磨きの習慣化で予防しましょう。
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・膝蓋骨脱臼
完治が難しいアトピー性皮膚炎や皮脂が脂っぽい体質に見られるマラセチア皮膚炎、皮膚に赤色やクリーム色の発疹が現れる膿皮症など、いずれも原因を突き止めることが重要です。
・僧帽弁閉鎖不全症
心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁に障害を起こし、乾いた咳や呼吸が荒いなどの症状が見られます。体重10kg以下の小型犬に多く、効果的な治療法や予防法がありません。
何か起きてからでは遅すぎる
健康で長生きして欲しい! それが飼い主さんの切なる願い。しかし、愛犬の老いに気が付かないなんてこともあります。
小型犬、中型犬は7~9歳、大型犬は5歳頃からプレシニア期に突入します。老犬時代を迎える一歩手前のプレシニアの時期から、そろそろ老犬になっても安心して過ごせる準備や病気予防のケアを始めるといいでしょう。
毛色が白っぽくなってきた、目が白く濁っている、食欲が落ちた、散歩に行きたがらない、寝てばかりいる、ちょっとした段差につまずく、動きが緩慢、頑固になった、名前を呼んでも反応しない、通院が増えた等々。老いによるさまざまな兆候が現れてきます。
それこそが老いのサインだと受け止めて快適で安全に過ごせる住環境を整えたり、バランスの良い食事内容に切り替えたり、病気予防の対策など、やがてやって来る愛犬の老いに備えて、少しずつ身の回りの見直しや工夫をしてあげることが大切です。
肥満にさせない食事管理の徹底や散歩や歯磨きの習慣化も忘れずに。予防できることは、なるべく早い時期から始め、病気のリスクを減らすように心がけてください。
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プードルスタイル vol.19『ストレスフリーなプードル生活 先輩プードルに学ぶ長寿の秘訣』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。