犬びより

病気を知って早期発見!プードルに多い目や耳、遺伝性の病気

2019/07/03

どんな病気にしても、早期発見・早期治療が大切だというのはよく言われていること。プードルが気をつけたい病気には様々なものがある。詳しく紹介していこう。
 

 
※以下の発症年齢は対象年齢だけに当てはまるとは限らない。あくまでも発症年齢が多いものの年齢の参考としてほしい。
 

プードルの気をつけたい病気

■僧帽弁閉鎖不全

プードルの病気

加齢で心臓の弁が変形して障害が起こる

部位:
心臓

主な発症年齢:
7歳

どんな病気:
心臓の左心房と左心室の間にある二枚の薄い弁が僧坊弁。心臓が収縮した際に心房と心室の間を閉鎖し、血液が左心房へ逆流するのを防ぐ役割をしている。僧坊弁が加齢によって変形し、うまく閉じなくなってしまうのがこの病気。小型犬に多い、後天性の心臓病であり、トイプードルなど小型犬はいずれ起こる可能性があると思っておいてもおかしくない。

主な症状:
初期の症状としては、散歩や運動、興奮した時や起き抜けなどに咳が出る。進行するにつれ、疲れやすい、運動したがらない、動きが悪い、呼吸があらくなるなどの様子がみられる。全身に送られる血液量が少なくなるため、やがて腎臓や肝臓に影響が出てくる場合もある。

治療:
症状に合わせて治療を行っていく。老化が原因のために根治は難しく、症状の緩和が主になる。初期の段階であれば、末梢血管拡張剤などを投与し、末梢血管を太くしてあげることで血圧を下げ、心臓に負担をかけないようにしていく。咳が出るのは肺の高血圧が起こっているため。血圧を上げないことが咳の症状の悪化と心臓の悪化を防ぐことになる。また、食事療法と体重管理も併せて行っていく。

予防:
加齢性の問題のため、予防は難しい。ゆっくりと進行するので、なかなか気づきにくいが、早期発見・早期治療が大切。早めに対処してあげることで少しでも病気の進行を遅らせることはできる。咳をしていたらすぐに検査を受けること。また日頃から心臓に負担がかからないよう食事管理をしっかり行い、肥満にならないようにすることも心がけておきたい。

 
■気管虚脱

プードルの病気

気管に空気が通りにくくなる病気

部位:
呼吸器

主な発症年齢:
7歳

どんな病気:
肺に空気を送る役割をしているのが気管であり、本来なら常に同じ太さをしたホース状になっている。

はっきりした原因は不明だが、気管が扁平に押しつぶされてしまい、空気が通りにくくなるのが気虚脱。小型犬に多く、また加齢によって筋力が落ちてきたり、それまでにどれだけ気管に負担をかけた生活をしてきたか、例えば気管支炎を頻繁に起こしていた、心臓疾患を持っている、などによっても影響すると考えられている。

主な症状:
ガーガーと、まるでアヒルやガチョウの鳴き声のような音の咳をする。ゼイゼイと苦しそうな呼吸をする。呼吸が苦しいと横隔膜が激しく動くため、その刺激で嘔吐がみられることもある。勢いよく気管に空気が通る際に起こりやすいため、運動時や興奮した時に出やすい。若くても起こることもあるが、大抵の場合は7歳以降の中高年の犬に多い。

治療:
発症すると根治は難しく、症状を和らげる対処療法となる。咳が出ているのなら、咳を和らげる薬を、気管支拡張が必要ならば気管支拡張剤を投与する。散歩の時に咳が出やすい場合は、首輪による刺激もあるため、首輪ではなくハーネスを使うようにするのも進行を抑えることとなる。扁平の状態がひどく、窒息の可能性があれば、外科手術を行う場合もある。

予防:
肥満も気管に負担をかけることになる。予防のためには体重管理をしっかり行い、肥満にさせないこと。また、年齢を重ねてきたら首輪は使わず、胴輪を使うようにするのも気管に負担をかけないためには大切。もし、気になる咳が出ていたら録音しておくと、動物病院での診断にも役立つ。

 
■てんかん

プードルの病気

症状はけいけれんだけとは限らない

部位:

主な発症年齢:
7歳~

どんな病気:
脳に異常な神経刺激が起こることで発作を引き起こすのが、てんかんという病気。てんかんにも種類があり、生まれながらの原発性てんかんはそう多くはない。

別の病気が原因となり、てんかん症状があわられるものが症候性てんかん。てんかんそのものが問題としてあらわれるのが突発性てんかんであり、原因は不明だが、これが多いといわれている。

主な症状:
てんかんというと、突然、ばたんと倒れて激しくけいれんしたりする状態を思い浮かべるが、症状はそれだけではない。全身発作と部分発作とがある。

けいれん以外に口を開けたまま、よだれや泡を出す、失禁脱糞するなどが全身発作。ぼーっとしている、吐き気がある、一時的な行動異常がみられるなど、部分発作にはいろいろな症状があるため、症状が軽いと見た目だけでは気づかないことがある。

これらの症状は、数十秒から数分で終わり、その後は何事もなかったかのように犬は普通の状態に戻るのが特徴。

治療:
別の病気が原因となっている症候性てんかんは、その病気を治療することでてんかん症状も良くなっていくことが多い。その他のてんかんに関しては、前の発作から次の発作の間隔が2ヶ月に1回あるいは3ヶ月に2回を目安に、抗てんかん薬を投与し、治療を始めて行く。治らない病気ではあるが、薬でコントロールできれば発作を起こすことなく生活を送ることはできる。

予防:
この病気は予防法はない。てんかんの怖いところは、発作の間隔が縮まってしまうと、いくら治療をしても、それ以上に間隔が伸びることはない。例えば、前回と今回の発作の間隔が2ヶ月だったとしたら、2ヶ月以上には伸びない。次は1ヶ月半後に起こるかもしれない。

間隔が短くなるとやがて重責症状となり、薬でコントロールが難しくなってくる。出来るだけ早めに治療を始めることが重要だ。

 
関連記事:【犬のけいれん】よく聞く病気だけど、実は正体不明!?てんかんって何だ?

 
■アトピー/アレルギー

プードルの病気

症状は個体差によっても違ってくる

部位:
主に皮膚

主な発症年齢:
1歳~

どんな病気:
通常では害のない物質に対し、免疫が過剰に反応して体に不利な症状を起こしてしまうのがアレルギーといわれている。アトピーとアレルギーの境界線は難しく、治療をすれば治るが、治療をやめるとまた症状が出てくる、難治性のアレルギーがアトピーと考えられている。

主な症状:
一般的には皮膚症状が主となるが、耳に出たり、足先に出たりと症状には個体差がある。痒みをともなうため、同じところをよく掻いたり、舐めたりするようになる。またアレルギーの場合は皮膚症状だけに限らず、下痢を起こすなど消化器症状がみられることもある。

治療:
状態に合わせた治療を行っていく。抗アレルギー剤の内服や外用薬だけで済む場合もあれば、程度によっては薬用シャンプーを上手く使うことで治る場合もある。

皮膚症状を起こすアレルギーは、アレルギーを引き起こす物質のアレルゲンの影響もあるが、皮膚のバリア機能が低下していると発症しやすくなる。日頃からシャンプーだったり、保湿剤などによるスキンケアをしっかり行い、皮膚を健全することが予防にもなる。

 
■膝蓋骨脱臼

プードルの病気

膝のお皿が外れて歩き方に支障が出る

部位:

主な発症年齢:
全年齢

どんな病気:
本来、大腿骨の滑車溝にのっているはずの膝蓋骨が滑車溝から外れてしまう病気。遺伝的に滑車溝の溝が浅い、変形しているなど構造的な問題と、後天的に膝への負担がどれだけあるかが発症に影響するといわれている。

主な症状:
初期の段階では、膝蓋骨の脱臼が起こった時にだけ痛みがあり、跛行するなどいつもと違う歩き方がみられる。そのままにしていると脱臼することや痛みに慣れてしまうことも多い。そのため気づかないうちに状態が進行している場合もある。

治療:
程度が軽ければ、消炎鎮痛剤の投与や膝に負担のない生活をすることで済む場合もある。だが、状態の段階により痛み止めだけでは済まない時には外科手術が必要になってくる。

予防:
動物病院で膝を触ってもらえば、膝蓋骨が外れやすいかどうかの判断はつけられる。もし、外れやすいことがわかったら、太らせない、無理な運動をさせない、愛犬がいつもいる場所がフローリングなど滑りやすいようなら、コルク材のマットを敷いておくなど膝への負担をなるべくかけない生活を心がけること。

 
■停留睾丸

プードルの病気

睾丸が陰嚢内におりてこない病気

部位:
生殖器

主な発症年齢:
~1歳

どんな病気:
オスの睾丸(精巣)は生まれたばかりの頃は、腹腔の腎臓のそばにあり、生後6ヶ月から8ヶ月頃に陰嚢内に降りてくる。睾丸が正しい位置に降りてこないのが停留睾丸。両方の睾丸が降りないこともあるが、大抵の場合、片方だけが多い。

主な症状:
睾丸は精子を作り出す臓器であり、そのためには冷えていた方がよいとされる。腹腔内など高温の中に置かれた状態で作り出された精子では妊娠させることはできない。また一番問題なのは、陰嚢内におさまらなかった睾丸は腫瘍化しやすく、そのリスクは10倍以上といわれている。

治療:
腹腔内で発生した腫瘍は早期発見が難しい。また、精巣由来の腫瘍は悪性の場合が多いといわれている。去勢手術を行っても、停留している睾丸は腫瘍化する前に早期摘出することが勧められる。

予防:
遺伝的なものであるため、予防法はない。生後6ヶ月から8ヶ月頃になっても睾丸が陰嚢内に降りてこなかったら、停留睾丸の可能性があると考え、早めに動物病院へ。

 

異変に気付いたら必ず動物病院で診てもらおう

今回紹介した病気は、プードルだから必ずしも発症するというわけではない。ただ、これらの病気があるということを知っておきたいというもの。

そして紹介した病気以外にも、まだいろいろな病気はある。もし、何かしらの症状が起こったとしても、必ず動物病院で診てもらい、その症状の原因となっている病気は何なのか、きちんと診断してもらうこと。

病気の中には、初期の段階ではなかなか気づきにくい症状のものもある。人間なら、体がだるいな、頭が痛いなと自覚症状を訴えることができるが、犬の場合は、自ら訴えることはできないもの。そのために、飼い主が愛犬の様子がおかしいなと気づいた時には、病気が進行している場合もある

日頃からスキンシップを兼ねて愛犬の体をチェックしておくのは大切なこと。いつも身近にいる飼い主だからこそ、愛犬の何かしらの変化に気づけるものだってある。また、肥満にさせないことで防げる病気も少なくない。

それらに加えて、動物病院で定期的に健康診断を行っておくことも、病気の早期発見には欠かせない。愛犬の健康を守るためにも、これらのことを心がけておこう。

 
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プードルスタイル vol.17『もう一度おさらい!プードルに多い病気』より抜粋。
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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