1歳を過ぎ、子犬から成犬へ。人間と同じで犬も年齢を重ねるにしたがい、病気は増えてくるもの。どのようなものがあるのだろうか。
1.1~7歳までに多いチワワの病気
1-1 皮膚のトラブル
1-2 膀胱結石
1-3 目のトラブル
1-4 胆泥症(胆石)、胆嚢粘液嚢腫
1-5 膵炎
1-6 たんぱく漏出性腸症
2.若い頃から定期的に健康診断を行っておこう
1~7歳までに多いチワワの病気
1.皮膚のトラブル
チワワだけに限らず、犬の皮膚の免疫は4歳でできあがるといわれている。免疫力がしっかりしてくるまでの間は感染症による皮膚のトラブルを引き続いて気をつけておきたい。
また、1~7歳頃までのこの時期に、肥満傾向のあるチワワの場合、痒みをともなう皮膚のトラブルとして「脂漏症」が意外と多い。さまざまな原因で皮脂が多くなり、皮膚が油っぽくべとついた状態になったり、フケが多くなる病気だ。主に目、耳、お腹、背中に見られることが多いが、太っていると体にしわができる。そのしわになったところが悪化しやすい。
また脂漏症から、皮脂を餌にしているマラセチア酵母菌というカビの一種が増殖することによって、アレルギーを起こし、皮膚炎や外耳炎の原因になることもあるので注意を。
2.膀胱結石
結石ができやすい体質やストレスが主な原因。
早いと生後6ヶ月頃から膀胱内に結石ができ始める。大きな結石ができていてもはっきりとした症状をださないこともある。主な症状は頻尿、血尿、排尿困難など。
恐いのは、結石が尿道を塞いでしまいおしっこが出なくなると3日目頃に急性腎不全に陥り、4~5日目には命を落とすこともある。
治療としては、重度の尿道閉塞や膀胱炎を起こしていない限りは、食事療法を行っていく。早期発見には定期的に尿検査や超音波検査を
3.目のトラブル
1~7歳までは元気もよく、活動的な時期。そのため、目のトラブルというのが意外と多くなる。
チワワの目は大きくてやや前に出ている。また長頭種といっても、他の長頭種に比べると少し鼻が短いところがある。
例えば、走り回っていてどこかにぶつかった、目にゴミが入ったのが気になって目をこすった、などで、角膜を傷つけて炎症を起こすのが、「角膜炎」。
また、犬が自分で目をこすった際に、角膜部分を深くえぐってしまうと「角膜潰瘍」を生じ、ひどくなれば失明にもなりかねない。結膜も角膜と同じように傷や刺激物など、外から入ってくるものによって炎症を起こす「結膜炎」になりやすい。
これらの目の病気は初期の段階であれば点眼薬だけの治療で済むことがほとんどだ。
また、5才を過ぎると核硬化症(老眼)がはじまり、よく白内障と間違えられる。
4.胆泥症(胆石)、胆嚢粘液嚢腫
最近チワワに多いといわれる病気のひとつ。肝臓で生成され、胆嚢に一時的に貯蔵される胆汁は、脂肪消化の役割がある。その胆汁が何らかの原因で変性し泥状あるいは結石状になり、それが胆嚢にたまってしまう病気。食事や体質が絡んでいると考えられている。2、3歳頃から気をつけておきたい。
主な症状には時々嘔吐がある。泥状のものが結石になり胆管閉塞を起こすと、急性黄疸が起こる。
内服薬と食事療法が主な治療だが、重度の場合は手術が必要。胆嚢粘液嚢腫と診断された場合は、急死することがあるので早めに手術を行う。
5.膵炎
膵臓で生成されている膵液が何らかの原因で活性化され、膵臓に炎症を起こす病気。5、6歳頃から気をつけておきたい。
はっきりとした原因は不明だが、日頃から脂肪分の多い食事を与えている肥満傾向のある犬に多いと考えられている。
主な症状に、下痢や嘔吐、ふらつきが見られる。炎症が進むにつれ、重度になると激しい腹痛や嘔吐を繰り返す、呼吸困難やショック状態になる場合も。
症状の程度に合わせて内科的治療を行う。予防には高脂肪食を与えない、肥満にさせないこと。
6.たんぱく漏出性腸症
チワワをはじめ、小型犬に最近多いといわれている病気のひとつ。腸管からたんぱく質が漏れだしてしまうことで、血液中のたんぱく質が失われる病気。
原因は免疫介在性、腫瘍、慢性腸管など、なんらかの障害によるものが考えられる。
発症していても、重度にならないと全くというほど症状を出さないため、健康診断などの血液検査で発見されるケースが多い。
他の疾患との鑑別を行い、内視鏡や開腹手術で胃と腸から採材し、病理検査で確定診断を行う。
重度になると腹水がたまり、下痢が続くようになりやがて死に至る。
治療は病気の原因によって異なるが、食事療法とサプリメントだけで済む場合もあれば、ステロイドなどの内服薬を一生投与し続ける場合もある。
若い頃から定期的に健康診断を行っておこう
最近のチワワは昔に比べ、比較的丈夫な犬が増えているそうだ。それでも全犬種から見ると、遺伝的なものを始め、気をつけなければならない病気は多い。
スムースと比べるとロングの方が丈夫な犬が多い感じはするが、一概にそうとも言いきれない。個体差はあるものだ。
今回紹介した病気の中には、初期の段階では目立った症状を表さないものもいくつかあった。飼い主がおかしいなと気づいた時にはすでに病気が進行している場合もある。
「まだ若くて元気だから大丈夫」と思うのではなく、「見えない病気を早期発見するための健康診断」を心がけておくこと。それが愛犬の健康維持のために大切だというのを忘れずに。
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チワワスタイル vol.23『もう一度おさらい! チワワに多い病気~7歳編』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。