初めての犬連れトレッキングを楽しく安全に実践するため、フィールドテクニックを手に入れよう。
愛犬とトレッキングを行うメリット
・新鮮な空気をいっぱい吸って、気分転換ができ、目的を達成する喜びや感動を得られる。
・樹林帯、木道、階段状の登山道など、さまざまな道を歩くことで普段使わない筋肉を鍛えられる。
・いつもと違う環境の中で愛犬とコミュニケーションを図り、信頼関係がより深まる。
近場の公園や散歩道で足慣らしから始めよう
初めてのトレッキングを楽しく安全に実行するためには、無理強いしないことが基本。いきなり山道を歩かせるような無謀なことをしてはいけない。
いつもの散歩の距離を延ばしたり、階段や坂道や色々な道を歩かせたり、自然遊歩道などを2時間くらい平気で歩けるように少しずつ慣らしていこう。
また、引っ張り癖や飛びつき癖は危険なので、トレーニングしておくと安心。
普段の散歩から飼い主さんが主導権を握るようにして、周囲に配慮しながら愛犬をコントロールできるようにトレーニングしておきたい。
足慣らしができたら初心者用の山へ出かけよう。目的地が決まったら、入山規制の有無、登山道の状況、アクセス方法など情報収集しておくことが大切。
ヘルニアや神経系、筋肉系の病気を持っている場合は悪化する可能性があるので、出かける前にかかりつけの病院で診断してもらうといい。
登山中は、愛犬の様子、周囲の状況を確認しながら、ゆっくり登っていこう。登山中の無謀な行為は他人の迷惑になるばかりか、重大な事故につながってしまう可能性もある。
誰もが気持ちよく過ごせるように、ルールやマナーを守ることを忘れないでおこう。
犬のトレッキングマナー
1.事前のトレーニング
散歩の距離を延ばしたり、郊外にある自然遊歩道や森林公園などで足慣らしをしよう。また、山道は危険と隣り合わせ。引っ張り癖がある場合は、克服するトレーニングも行っておこう。
2.当日の散歩は……
興奮しやすい性格の場合は、いつもと違うコースにいきなり連れて行くのではなく、でかける前にいつもの散歩を済ませてから出発すると、目的地で落ち着いた行動を取りやすくなる。
3.目的地に着いたら
歩き始める前は余裕を持って行動をすること。水の用意や装備の確認、ブーツの靴紐を締めなおすことも忘れずに。また、愛犬の様子を見ながら、万全な体調かどうかしっかり見極めること。
4.犬から目を離さない
山の中には樹林帯、沢筋、尾根道、階段などさまざまな登山道があり、自然保護のための立ち入り禁止区域も存在する。登山道を逸れたり、禁止エリアに入らないように愛犬から目を離さないこと。
5.休憩に気をつける
自分と愛犬の歩くペースに合わせて一定のリズムで休憩をとるとバテにくい。周囲の状況を確認して、安全な場所を選び、水分補給をしたり、オヤツを与えながら、自然や他人への気配りを忘れないこと。
6.非常食も用意
簡単にエネルギー補給ができるビスケットやキャンディなどをタッパーに入れて持って行けば、ザックの中でつぶれにくく、しけることもない。愛犬のオヤツやフードもコンパクトにして持参しよう。
7.排泄の始末
平均気温が低い山岳地域ではバクテリアの分解スピードが遅く、大腸菌や寄生虫が繁殖する危険性があるそう。オシッコは用意してきた水で流し、ウンチは必ず持ち帰ることが鉄則だ。
8.草むらに注意
草むらにはノミやダニ、疥癬などが潜んでいる。また、ヘビやハチに刺されたり、噛まれたりしないよう、顔を突っ込ませないこと。野生動物から感染する場合もある。拾い食いも要注意。
9.登山者とのすれ違い
登り優先は登山ルールのひとつ。他の登山者に道を譲ったり、すれ違ったりする場合は、人に飛びかかったり、道を踏み外さないように、リードを短く握って、愛犬を足もとに引きつけて安全確保しよう。
10.愛犬の応急処置
岩の角で足を切ったり、捻挫してしまったり、まさかのアクシデントに見舞われたりしても慌てずに対処すること。傷口を巻いたり、出血を抑えるために、伸縮包帯やサランラップを用意して行くと安心。
トレッキングの注意点
・風通しが悪く、湿度が高い場所では熱中症になりやすい。風が通る木陰で休憩させたり、こまめに水分補給することを忘れずに。
・沢の水や湧き水は十分注意して飲もう。また、直接口につけさせず、食器などに汲んで飲ませること。
・山の中で迷子になったり、事故に遭わないよう、出かける前に首輪やリードの破損、ゆるめのチェックをすること。
最後まで気を抜かず安全をモットーに
山頂でゆっくり休憩したら下山の途につこう。山は登りよりも下りが要注意。ケガや事故の多くは下山途中で起きていることを心に留めておこう。
楽しいトレッキングを成功させるカギは万全に備えた装備にある。岩で足を切ったり、枝が刺さったり、目を突いてしまったり、耳の中に小さな実が入ってしまうこともある。特に肉球の少し上は切れやすいので要注意。包帯代わりにサランラップを持参していくと便利。
また、骨折や捻挫などで動けなくなってしまった時の想定をして、担架代わりになるスリングなども用意するといいだろう。
山の天気は変わりやすく、突然の雨で体温を奪われたり、暑さで熱中症にかかったりすることも考えられる。犬は体温調整が上手にできない上に、言葉を話せない。愛犬の様子をよく観察して速やかに対応できるようにしよう。自然の懐に飛び込んで遊ぶのだということを忘れずに。
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コーギースタイル Vol.35『夏のアウトドア特集 part1 コギと一緒にトレッキング』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。