映画やアニメーションの中で登場するプードルといえば、白くて貴婦人のような容姿のコンチネンタル・クリップを施された姿。ホワイトなくして、プードルの歴史は語れない。彼らの魅力を存分にお伝えしていこう。
1.ホワイトプードルの特徴
2.ホワイトプードルの魅力
3.日本のホワイトプードルの評価はすごく高い
4.ホワイトプードルは病気も見つけやすい!?
5.ホワイトプードルのおしゃれ
6.汚れが目立つ分、常に清潔を意識しよう
ホワイトプードルの特徴
■毛質
伸ばしやすい毛はトイの白ならでは
毛が一番ごわごわとして硬いのはスタンダード、次がミニチュア、最も柔らかいのがトイ。白のトイ・プードルの先祖にはマルチーズが交配されていると言われている。なので、白のトイの毛は伸ばしやすい。
■色素
白いのに黒いところはしっかり黒い
「ダークスキン」と言われる白いプードルの濃い色の肌は、ショーの世界で理想とされている。また、爪や肉球が真っ黒(黒豆とも言う)なことも、色素が濃い白いプードルの証。その他にも、濃い目の色、目ぶち、リップライン、鼻が黒いことも「ブラックポイント」という、白いプードルの大きな魅力。白くても黒い所はきちんと黒い
■年齢による変化
パピーとシニアの違い
一般的な白のパピーの毛色は生まれたときは茶色がかかっている場合があるが、1~2年で白に変化する。シニアになるとホルモンバランスが崩れるので、尾の毛は少なくなり、色は赤っぽくなる。15歳位になると尾は芯だけになることもある。
ホワイトプードルの魅力
プードルカットの王道
スタンダードプードルのコンチネンタル・クリップ。間近で見るとその美しさ、力強さ、優雅さに圧倒される。
あどけないパピーにも既に漂う気品
ショードッグは生後15ヶ月までパピークリップを施す。
ホイップみたいなモヒカン!
レッドやアプリコットによく見かけるスタイルだが、ホワイトのモヒカンもなかなか似合う。
赤いリボンはホワイトがダントツでお似合い!
もこもこのテディカットも似合うのがこのホワイトプードル。トップを長めにしてクラシカルな赤いリボンをつけたら「微笑むぬいぐるみさん」の出来上がり。
テディが流行る前はケネルクリップが主流
頭蓋と口吻の割合は1対1が理想バランスとされるプードル。テディベアカットはこのケネルクリップが似合わない口吻が短い子向けに開発されたという説も。
日本のホワイトプードルの評価はすごく高い
プードルのホワイトはブリーディングの基礎色とも言われている。ドッグショーに出るプードルの8割がホワイト。骨格も良く、キャラクターが良いので、ブリーディングの基礎の犬とされている。
今や日本のホワイトプードルの評価は高く、海外から手元に置いておきたいと、迎えに来る専門家もいるほど。
ちなみに、ホワイトのブリーディングは、同じ色同士を交配させるのが基本。先祖に他の色の犬がいても、この組み合わせだとほとんどの場合でホワイトかクリームが生まれる。もちろん先祖に何色の犬がいるか、血統の健康的な問題や気質などは十分に考察して交配は行われる。
ただし、代々白いプードルだけで交配を続けると色素が薄くなる(退色する)ので、数代に1度、黒いプードルを交配に入れていくそう。こうしてホワイトプードルの魅力の一つでもある「ブラックポイント」(目の色、目ぶち、鼻鏡、肉球、爪など、黒く出るべき部分がしっかりと黒いこと)を守っていくのである。
ところで、ホワイトは他の毛色のプードルに比べてどのような違いがあるのだろう。全体的に見ると、ホワイトは落ち着いている性格の犬が多い。しかし、20~30年前はもっと落ち着きがあり、最近のホワイトは明るく活発な犬が増えてきた印象がある。
また、写真映りの良さはすべての毛色の中で抜群にいい。目の表情がとにかくよくわかるからだ。
犬質、性格、フォトジェニックな容姿といい、文句なしと言いたいところだが、毛色が白なだけに、ちょっとしたことでも汚れがつき目立つので管理には気を使わなければいけない。
ホワイトプードルは病気も見つけやすい!?
ホワイトプードルをはじめ、スピッツ、マルチーズ、白柴などの人気を博した白い犬を見ると、日本人は白いふわふわした犬が好きなのかも。ただ、前述したように白い犬は汚れが目立つ。
特に汚れやすい部分について、目や口のまわり、メスは陰部周辺、オスはお腹まわり、また足先を舐めてしまう犬はそこが唾液と雑菌によって赤くなったり、耳の疾患があると分泌物が出て汚れたりする。皮膚が炎症を起こすとホワイトは毛が赤茶けてくるのですぐに分かる。
こう書くと、汚れやシミなどが目立ってちょっと大変と思うかもしれないが、考え方を変えれば、白い毛だと愛犬の体に何らかの異変が生じたら、すぐに目で確認できるわけだ。街で長生きなホワイトのプードルをよく見かけるのは、飼い主の目がすぐに行き届くということもあるのかもしれない。
さて、ホワイトの中にも、アイスホワイトといくらかクリームがかったホワイトがいるのをご存知だろうか(この記事では上の写真)。絹糸のような白さと光沢がある被毛が見事だ。一般的なホワイトは生まれた時に茶色がかった色をしている場合があるが、アイスホワイトの子犬は生まれた時からほぼ純白だそう。
なお、若い頃クリーム色だったのが、どんどん白くなり3歳くらいで真っ白になった場合は、血統書をホワイトに変更することもあるそうだ。
ホワイトプードルのおしゃれ
・クッション(犬がアゴをのせる)
・わけグシ(人間用)
・モビロンゴム
(柔らかくよく伸び、毛に絡みにくい)
・スリッカー
・パチンと止めるタイプのリボン
1.毛はある程度伸ばす
トップの毛を5cm以上伸ばす。いつもテディカットなら、半年位伸ばすとこの長さになる。
2.犬が楽な姿勢をキープ
枕にあごを乗せてもらうと、犬も姿勢が楽だし、頭が固定できるのでスタイリングしやすい。
3.毛の束を取る
わけグシを使って、左右均等になるように毛の束を取る。飼い主は犬の顔の正面から行うと良い。
4.モビロンゴムで結ぶ
3の毛束をモビロンゴムで結ぶ。ちなみにゴムを外す時は、ゴムはハサミで切る。
5.毛束をゆるめる
強く結びすぎると、皮膚を痛めるので、結んだ後に毛をたわませてゆとりを持たせる。
6.毛束をひねる
このままリボンをつけると毛束が前に倒れるので、毛束の真ん中に穴を開ける。
穴の真ん中に、毛束の先を入れ込み、くるんと1回転させて毛束を穴に通す。
通す時は前から後ろに向かって。これでリボンをつける土台ができる。
これだけでもかなりかわいい♡くるんと編み込まれた所にリボンをつける。
7.ピンで留める
毛よりもアクセサリーが重い場合は、この方法を用いるときれいに仕上がる。
完成!!
白いプードルはリボンなどがよく似合うが、アクセサリーをつける時に注意したいのは毛を縛った場所の管理。毛束をゴムで縛る時は3日に1回は結び直し、毛の中に空気を入れたり、きつめに縛らないことが大切。そうしないと蒸れたり、皮膚が赤くただれたり、血流障害が起きる。毛を結ぶ所は毎回同じ場所ではなく、毛束の量を多くしたり、少なくしたり、毛を取る場所を変えたりするといい。
汚れが目立つ分、常に清潔を意識しよう
■涙やけ対策
白いプードルの飼い主の悩みの種といえば涙やけ。他の毛色の犬も涙やけするが、ホワイトほど目立たない。親犬が涙やけをする体質だったり、良質のフードを食べず、脂っぽいものやジャーキーばかりを食べたり、ドライアイの疾患によっても涙やけは見られる。
涙が目頭にたまって涙が出て濡れているのを見たら、やさしいタッチでとにかくこまめに拭き取り、涙で濡れないよう清潔を保つことが大切だ。また、涙やけのお手入れ時に用意しておきたいのは、犬用のお手入れ水や精製水とコットン。口周りの毛も赤くなるので、目の周りとともに毎食後の口まわりもこまめに拭こう。
■夏の紫外線対策も万全に
暑い季節、ホワイトプードルは、シミができたら皮膚が出るカットは避けたり、服を着て散歩に行くのが望ましい。またシニア犬などは行きつけのトリマーと相談し、シミやイボが目立たないカットスタイルにしてもらうと良い。夏は飼い主だけでなく、愛犬の日焼け対策も万全に行いたい。
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プードルスタイル vol.16『美しくて賢いだけじゃないんです! ホワイトプードルの世界』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。