糖尿病、外耳炎、白内障……知っておきたいプードルに多い病気

できればあまりお世話になりたくない動物病院。ただ、どんな病気やトラブルが愛犬に起こりうるのか、事前に知ることができたら対策も練れる。これを機に、いろいろ知識をつけておこう。
 

 

遺伝性の病気

遺伝性の病気もいろいろあるが、プードルで気をつけておきたい主なものとして以下の病気があげられる。これらの発症は1歳までと若いうちが多い。

■レッグペルテス

プードルに多い病気

大腿骨頭が壊死を起こしてしまう病気

部位:
骨・関節

主な発症年齢(※):
~1歳

どんな病気:
股関節を形成する大腿骨の頭の部分の血流が何らかの原因によって阻害され、壊死を起こす。成長期にみられるため、生後3ヶ月~1歳くらいの間に発症する。原因は特定できておらず、遺伝性のものではないかと考えられている。プードルはかかりやすい犬種といわれている。

主な症状:
大腿骨頭が変形してくると、歩く際に痛みを出す。そのため、歩き方がおかしい、足を触られるのを嫌がるなどの他、痛いので機嫌が悪くなったり、歩くのを嫌がって動かないという様子が見られることも。その結果、食欲が落ちたり、眠れないなどの状態を起こす場合もある。

治療:
病気の進行状況によって治療は違ってくる。軽度であれば、鎮痛剤を投与するなどの内科的治療によって、痛みを取り除いたり、運動制限などで乗り切れる場合もある。痛みが激しいなど重度の場合は、外科手術によって痛みの元となっている骨頭を切除する。トイプードルなど体重が5kgくらいまでの犬であれば、たとえ骨頭を切除しても歩ける。スタンダードプードルなど大型犬ならば人工関節を用いるという方法も選択肢のひとつとなる。

予防:
遺伝性の病気と考えられているため、この病気に対する予防法はない。子犬の時期に歩き方がおかしいなどの様子が見られたら、早めに動物病院で診てもらうことを心がけて。

 
■フォン・ヴィレブランド

プードルに多い病気

血液の凝固が上手く働かなくなる病気

主な発症年齢:
~1歳

部位:
血液

どんな病気:
血液凝固に必要となるフォン・ヴィレブランドという因子が生まれつき欠落しているため、血液凝固システムに異常をきたしてしまう病気。

主な症状:
止血に関わる異常のため主な症状は次の通り。ケガなどで出血すると血が止まりにくい、ウンチに血が混じるなど下血がみられる、歯茎から出血しやすいなど。

治療:
病気を治すことはできない。ただ、完全に因子が欠損している場合を除いては酢酸デスノプレシンを用いて一時的に因子を補うことで、止血効果を高めることは可能となる。

予防:
予防法はないが、最近は遺伝子検査でこれらの病気を発症する要因がないかを調べることができる。この病気に限らず遺伝性の病気を持った犬は繁殖させないことが大切。

 
■進行性網膜萎縮症

プードルに多い病気

最終的には視力を失ってしまう病気

部位:

主な発症年齢:
~1歳

どんな病気:
両目の網膜が萎縮してしまうことで視覚障害を起こし、進行するにつれ、やがて全く見えなくなってしまう。原因は遺伝性のものと考えられている。

主な症状:
初期の症状は、暗い所が見えにくくなる。夜の散歩を嫌がる、暗い所に行くと不安から緊張するなどの様子がみられる。次第に明るい所も見えなくなってくる。

治療:
現在のところ治療法はない。幸いにも痛みを生じることはないので、家具の配置を変えないなど環境を整えたり、散歩も飼い主がしっかりリードしていけば問題なく生活できる。

予防:
遺伝性の病気のため、予防法はないが、遺伝子検査によって診断は可能。徐々に進行する病気なので気づない場合もある。普段から愛犬の様子をよくみておくことは大切だ。

 

代謝性疾患

代謝にまつわる病気は少しずつ進行していくものが多く、なかなか気づきにくいことがある。また、年齢を重ねるにつれ発症するケースが多くなるので気をつけておきたい。

■糖尿病

プードルに多い病気

血液中の糖が多くなることで支障を出す

部位:
ホルモン

主な発症年齢:
7歳~

どんな病気:
インスリンという、血液中の糖をエネルギーとして各細胞に取り入れる働きをしているホルモンが、不足したり働きが悪くなることで、血液中の糖が異常に多くなってしまう病気。膵臓からインスリンが分泌されていないⅠ型と膵臓以外に何らかの問題があるⅡ型の2種類ある。犬の場合はほとんどがⅠ型といわれている。

主な症状:
初期の症状は、食べる量が増える。おしっこの量が増え、水を多く飲むようになる。進行するにつれ、食べているのに体重が増えない、あるいは体重が減ってくる。そのままにしておくと、白内障や肝臓疾患などさまざまな合併症をともなう。最悪の場合、糖尿病性ケトアシドーシスを発症し、命に関わることも。

治療:
インスリン注射と食事療法を行いながら、血糖値をコントロールしていくことになる。その犬にとって適性なインスリンの量を決めるにあたっては、尿検査と血液検査を何回か行いながら判断する。食事は糖尿病対策用の療法食を与えていく。またこれらに加えて、安定した量と質の運動を行うことも欠かせない。

予防:
原因がはっきりしていないため予防は難しい。だが、遺伝や肥満、感染症、免疫疾患、過度のストレスなどがからみあって発症させるのではと考えられている。肥満にさせないことは、糖尿病だけに限らず他の病気の予防のためにも大切だ。

 
■クッシング(副腎皮質機能亢進症)

プードルに多い病気

副腎皮質ホルモンが過剰分泌される病気

部位:
ホルモン

主な発症年齢:
7歳~

どんな病気:
副腎から分泌される副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることでさまざまなトラブルを引き起こす。原因にはいくつかあるが、副腎自体に過形成が起こったり、副腎や脳下垂体にできた腫瘍などが影響している場合が多い。

主な症状:
初期症状としては、水を多く飲み、おしっこの量が増える。食欲が旺盛になる。食べているのに太らない。毛が全体的に薄くなる。病気が進行するにつれ、左右対称に毛が抜ける。腹筋が薄くなるため、お腹がふくれてだらんと垂れてくるなどの症状がみられるようになる。

治療:
内服薬(副腎皮質ステロイドホルモン合成阻害薬)の投与でコントロールする方法が一般的。腫瘍化している場合は外科手術によって副腎や脳下垂体を取り除く場合もある。

予防:
この病気についても予防法はない。飼い主にしてみると食欲もあれば特に異常がないと思いがちだ。そのため病気を発症していても、発見が遅れてしまうこともある。左右対称の脱毛やお腹が垂れてしまうまで、病気が進行してしまうと、元に戻ることがないため、出来る限り早くに治療を始めることが、その犬の抱える問題の量が減るもの。早期発見・早期治療を心がけたい。顔まわりの病気

 

顔まわりの病気

目や耳、そして歯や口に関するものなど、顔まわりの病気にはどのようなものがあるのか。プードルが比較的かかりやすいといわれている病気を知っておこう。

■白内障

プードルに多い病気

水晶体が白く濁り視力障害を起こす病気

部位:

主な発症年齢:
~7歳

どんな病気:
目のレンズの役割をしているのが水晶体。その水晶体が何らかの原因によって白く濁ってしまい、進行するとやがて視力を失ってしまうこともある病気が白内障。先天性のものと、外傷性や糖尿病性、内分泌性など何らかの要因によって引き起こされる後天性のものとがあり、プードルは後天性の場合がほとんどを占めている。

主な症状:
目が白く濁ってくることによって、目が見えにくくなり、動くものを目で追わなくなったり、壁や物にぶつかる、階段の昇り降りを怖がる、ジャンプができなくなるなどの様子がみられるようになる。ゆっくり進行するため、見えていないことに気づかない場合もある。

治療:
完全に治すことは難しく、点眼薬や内服薬によって病気の進行を抑制していくのが一般的な治療となる。重度の場合、視力を回復させるために人工レンズを使うなどの外科手術を行うことも選択肢のひとつとなる。

予防
予防はできないため、少しでも兆しがみえたら病気の進行を抑える治療を心がけていくことが大切。また白内障と似ていて、目が白く見えてくるものに、老化現象のひとつである核硬化症がある。診断を受ければどちらかと区別はできるので、早めに診てもらうこと。

 
■外耳炎

プードルに多い病気

外耳道に炎症を起こしてしまう病気

部位:

主な発症年齢:
7歳~

どんな病気:
外耳炎外耳道に炎症を起こす原因にもいろいろある。ダニ、マラセチアやブドウ球菌などの細菌、アレルギーなど。プードルは垂れ耳ということで、耳の中が蒸れやすく、細菌が繁殖しやすいことも影響する。全年齢に発症するが、年齢とともに免疫力の低下などで細菌感染が起こりやすくなるため、7歳以降は特に注意しておきたい。

主な症状:
最初のうちは、耳を痒がって後ろ足で掻いたり、床や壁にこすりつけるなどする。進行すると痛みが出てくるため、耳を触られるのを嫌がることも。細菌感染が起こると悪臭を放つ。そのままにしておけば炎症が鼓膜にまで及び、中耳炎や内耳炎を引き起こしてしまう。

治療:
引き起こした原因により治療は違ってくる。細菌感染であれば抗菌剤を用いて、原因となっているものを取り除き、炎症があるなら消炎剤で炎症を抑えていく。程度が軽ければ、耳の洗浄を行うだけで治ることもある。炎症がひどく、外耳道の粘膜が腫れて外耳道が狭くなっている場合は手術に至るケースも。

予防:
健康な状態であっても耳垢は出る場合はあるので、耳のチェックを兼ねて耳掃除を。普段の手入れは、ガーゼや綿などを指に巻き、ぬるま湯を使って耳の入口部分を軽く拭くのを3~4日に1回程度でかまわない。汚れがひどい場合は病気を疑って、早めに動物病院へ。

 
■不正咬合

プードルに多い病気

上下の歯の噛み合わせが悪くなった状態

部位:
歯・口

主な発症年齢:
~1歳

どんな病気:
本来は上下の歯が正常な位置にあれば、噛み合わせが悪くなることはない。不正咬合の原因としては、遺伝的に下顎の発達が小さい、あるいは大きい。または後天的なものに、抜けるはずの乳歯が残ってしまう乳歯遺残がある。これらの原因で歯並びに異常を起こし、噛み合わせが悪くなる。

主な症状:
噛み合わせが悪いことで、食べ物が上手く噛めない。そのために唾液の量が少なく、歯垢や歯石がつきやすくなる。歯石がたまることで歯周病を引き起こすことにつながる。顎に負担がかかり、顎の関節を痛めやすい。受け側の歯以外の場所に当たると口の中に傷を生じる場合もある。

治療:
程度によって、生活や健康に支障をきたさなければそのままにしておく場合もある。歯周病を起こしたり、口の中を傷つけるなどの可能性がある場合は、状態に合わせて抜歯や歯の切断などの処置を行っていく。

予防:
顎の骨格の異常など遺伝的なものは予防はできない。だが、後天的なものは乳歯遺残をさせないことで防ぐことはできるもの。通常であれば乳歯は生後6ヶ月頃には全て生えかわる。この時期を過ぎても乳歯が残っているようなら、動物病院に相談を。特に犬歯は、根が深いだけに一番生えかわりにくい。注意してみておくようにしよう。

関連記事:気がついたら愛犬の歯がすり減っていた!飼い主が知っておくべき咬耗のこと

 
■歯周疾患

プードルに多い病気

主に食べかすが原因となり引き起こす

部位:

主な発症年齢:
3歳~

どんな病気:
プードルだけに限らず、犬の7割は歯の周りにトラブルを持っているといわれている。歯肉炎を含め、歯周病などがあてはまる。原因もいろいろだが、どこかにぶつけて口を傷つければ歯肉炎につながることもある。ほとんどは食べかすが歯垢となり、それが歯石となってトラブルを引き起こす。年齢とともに歯垢や歯石が蓄積されるため、気をつけておきたい。

主な症状:
歯茎が赤い、腫れて出血がみられる。口臭が強くなる。炎症が進むにつれ、歯を支えている歯茎が減っていくため、歯がグラグラする。食べるのに時間がかかる。よだれが増える。くしゃみが出やすいなど。また、口を触られるのを嫌がるなどの様子がみられることもある。歯石に含まれる細菌は、歯肉の炎症だけでなく、全身に影響を及ぼし、心内膜炎や腎不全を引き起こす場合も。

治療:
原因となる、たまっている歯垢や歯石を除去していくことは欠かせない。また、炎症や痛みが起こっていれば、それらを取り除くための薬を投与する。

予防:
日頃から口の中のチェックも兼ねて、歯磨きなど歯の手入れをしておくことが予防につながる。子犬の頃から、歯磨きを習慣にしておくことは大切だ。ウエットフードなどは食べかすがつきやすいため、できるだけ気をつけておきたい。デンタルケアを目的で作られているガムなどもいろいろ出ているので、それらを上手に利用しよう。

 
※対象年齢だけに当てはまるとは限らない。発症年齢が多いものの参考としてほしい。
 
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プードルスタイル vol.17『もう一度おさらい!プードルに多い病気』より抜粋
掲載されている写真はすべてイメージです。

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