犬びより

飼い主以外に懐かない柴犬は『社会化不足』?あなたの愛犬をチェック!

2019/05/12

警戒心が強い傾向がある日本犬は、日常生活で過剰な恐怖や興奮をすることがある。ささいな変化や出来事が大きいストレスになり、犬の心身に負担をかけてしまう。「社会化」でいろいろなものに落ち着いて対処できるように教えてあげよう。
 

 

犬の社会化って?

犬の社会化

記事のタイトルになっている「社会化」という言葉。専門用語なので知らない人もいるかもしれないが、おおらかな犬を育てるために大切なしつけである。警戒心が強い日本犬には特に必要かもしれない。

社会化とは、犬が暮らす社会にあるいろいろなものや環境に慣れること。経験をたくさん積んで、落ち着いて対処する方法を身につけること。

警戒心が強い傾向がある日本犬は、見知らぬ人や犬、傘、花火、自動車、動物病院などに対して、恐怖や興奮などの過剰な反応をしがち。

社会化を行えば、見知らぬ人を怖がらない、犬に会っても興奮しない、花火の音に驚かないように教えられる。犬が安心して暮らせるように、社会化を進めてあげたい。

 

社会化チェックリスト

10のチェックリストの状況に遭遇したときの愛犬の様子をABCの選択肢から選んで確認しよう。

■選択肢

選択肢
・親しげに近寄る
・落ち着いて通過
・特に気にしない

選択肢
・慎重に近寄る
・不信感を抱きながら通過
・驚くが立ち直る

選択肢
・怖がって近寄らない
・遠くから吠える
・逃げる
・固まる
 

■チェックリスト

□見知らぬ人が訪ねてきた時の様子

□見知らぬ人に話しかけられた時の様子

□バッグから見慣れないものが出てきた時の様子

□スーツケーツなどの大きいものを初めて見た時の様子

□外から音が聞こえた時や気配がした時の様子

□見知らぬ人が立っている姿を見た時の様子

□飼い主と世代が違う人を見た時の様子

□店先ののぼり旗を見た時の様子

□散歩中の見知らぬ犬を見た時の様子

□突然、聞き慣れない音がした時の様子
 

■チェック結果

が多い→順調に社会化できている

が多い→少しずつ社会化を進める

が多い→慎重に社会化をしていく

 
関連記事:『社会化』がへタレ系日本犬を救う!子犬・成犬の社会化方程式!
 

社会化のメリット

犬の社会化

・犬が汚れたときにお手入れできる
・体調がよくない時に動物病院を受診できる
・相性がよくない犬に過剰に吠えない
・初めての場所でも楽しく散歩できる
・動物病院やペットホテルで落ち着いて飼い主を待てる
 

社会化の有無と性格

迎えたときの性格『フレンドリー』

社会化『されている』
生まれ持った素質がもともとフレンドリーで、いろいろなものに対する寛容さを持っているおおらかなタイプ。日本犬の中にラブラドール・レトリーバーが入っているようなイメージかも。一緒に暮らしていても困ったことが少ない。

 
迎えたときの性格『シャイ』

社会化『されている』
もともとは怖がりで警戒心が強いタイプ。不安を感じやすい傾向はあるが

 
迎えたときの性格『フレンドリー&シャイ』

社会化『されていない』
本来の性格がフレンドリーでもシャイでも、社会化されていない犬は恐怖や不安を感じやすい。これから社会化を行う場合、生まれ持った性格がフレンドリーなタイプの方がスムーズに進められる。シャイな犬は専門家に相談した方がいいケースもある。

 

飼い主以外に懐かない犬は社会化不足?

犬の社会化

社会化していく対象は、人、犬、もの、環境など、たくさん挙げられる。日本犬の場合、人に対する社会化は特に大切だ

日本犬の中には、家族に一途で見知らぬ人には懐かないタイプもいる。飼い主さん以外の人からもらったオヤツを食べない、触らせない、ついて行かない。これらの行動は好ましい番犬や忠犬に見えるが、実は社会化不足の可能性もある。

日本犬はもともと誰にでも懐くフレンドリーな犬種ではない。家族の中でも特定のひとりに従うなど、ONE MAN DOGの傾向がある。飼い主さん以外に懐かない犬は好ましく思えるかもしれないが、性格ではなく社会化不足も考えられる

飼い主さんが世話や散歩ができない時、動物病院に入院させる時などに、困った問題が起きやすいはず。飼い主さんが一番だけど他の人も好きな犬が理想の日本犬では? 社会化されたONE MAN DOGの日本犬を目指し、育ててあげたい。

犬の社会化

しかし、犬の性格には生まれもった素質も関係するため、社会化によって必ずしもフレンドリーになるとは限らない。社会化は全ての犬に必要だが、愛犬の本来の性格を尊重することも大切。もともとシャイな傾向があるタイプは、社会化を行っても愛想を振りまくようには変わらない。ただし、過剰な恐怖や警戒をしないようには教えられるので、社会化は進めてあげよう。
 
ところで、上手に社会化されたフレンドリーな日本犬は、もしかしたら日本犬らしくないように見えるかもしれないが本来、警戒心やテリトリー意識が強い犬種なので、社会化されても日本犬らしさ失うことはない。不審なものに対して警戒はする。

ただし、そもそも番犬に万全のセキュリティを期待することは禁物。番犬は『誰か来た』と知らせてくれるチャイム代わりにはなるかもしれない。しかし、犬がいても空き巣に入られた例は多いので、セキュリティは警備会社に任せた方がいい。

フレンドリーに育ったら番犬にならないかも……と心配するより、苦労を減らして生活を楽しめるように社会化を進めたい。
 

犬の成長過程を知る

犬の社会化

■胎子期
犬の妊娠期は約60日。母犬の性格や生活環境は子犬に影響する。安定した歯は犬から生まれた子犬はストレスに耐性を持っている。

■新生子期
生まれて間もない子犬は目が見えず耳も聞こえないが、母犬の乳に向かっていく。強い子犬は乳がよく出る下の方をキープする。

■移行期
3週目には目が開く。動作が機敏になり、母犬や兄弟犬と遊ぶようになる。

■社会化(前期)
周囲のものへ興味を持ち始める。身体能力が上がり、軽く走れるようになる。積極的に探検を始める犬もいる。

■社会期(後期)
親犬から離れて新たな家族のもとへ行く時期。人とも元気に遊び、オモチャにも興味津々。迎えてからすぐに社会化を始めたい。

■社会期(完了期)
自分の名前や人の名前を理解し始める。少しずつ警戒心が出るので、ワクチン接種前でも抱っこで散歩を行う。

■若年期
性別による心身の差が顕著になる。性成熟期を経て成犬に近づく。社会化は終わっているが、引き続き社会化は行う。

■成犬期(以降中)
ヤンチャだった子犬が成犬の貫禄を備える。落ち着きを見せる反面、成犬に多い困った問題(吠えなど)が出始めることになる。

 

本来の素質と性格の決まり方

犬の性格には生まれ持った素質と社会化が関係する。本来の素質はどのように決まるのだろうか。

犬の素質は母犬の遺伝や生活環境、子犬が生まれてからの環境や世話をする人との関係で決まっていく。社会化はフレンドリーな犬の方が進めやすいので、母犬と子犬の様子を見て迎えた方が安心。ただし、どのような性格であっても、飼い主さんのもとで社会化はできる

成犬でも社会化は可能だが、最適な時期は生後3週目から16週目まで。「社会化期」と呼ばれる子犬の時期だ。

4ヶ月までは警戒心より好奇心が勝る時期なので、いろいろなものにスムーズに慣れやすいだろう。5ヶ月を過ぎると警戒心が出てくるため、成犬と同様に慎重に行おう。

 
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Shi‐Ba vol.71『子犬も成犬も、怖がりもガウガウも、すべての日本犬をおおらかに育てよう!「社会化」がへタレ系日本犬を救う!!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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