恐怖のツボってのは、人種とか文化的背景によってかなり相違がある。同じ人類でも違うのだから、これが犬だともっと違ってくるはず。貞子やゾンビに腰抜かしそーなほどにビビッてる飼い主を見て、犬たちはかなり冷めた目線で「バカじゃん!?」とか思ってたりするかも。さて、では犬たちが「恐怖」を想像する事象ってのは、どんなものだろう?それを今回は徹底的に探してみた。
怪奇スポットに潜入
近所の公園が恐怖の場所。入園を必死で拒み、なかば強引に入ってもらうと緊張しまくり。別に悪霊の存在を感知したワケではなくて、子犬の頃に大きい犬に吠えられて怖かった嫌な体験を覚えているらしい。そんなものです、恐怖スポットの正体は。
まあ、これは犬にとってはお約束の恐怖スポット。理由も犬を飼ってる人なら、すぐにわかるでしょ。ようするに、シャワーが大嫌いなだけ。
三角コーンいつもの散歩コースに突如として現れた不可思議な物体。ひょっとして、これは地球征服するためにやってきた宇宙船なのかも。近寄るといきなり、怖い怪人とかロボットに変身するかも。以上、犬の妄想です。
犬の嗅覚はとっても敏感。人間では嗅ぎ分けられない、いろんなニオイを感知する。掃除道具が風でバタバタいうのも大嫌い。
妖怪犬目撃情報!
妖怪・地獄耳
犬たちはどこかに隠れて、こっそりと人の話を聞いいる。悪口を言う時には、どこかに犬が隠れていないか確認してからにしよう。あとで信頼関係を損なうことになりかねないので、くれぐれも要注意。
妖怪・デロデロ犬
深夜に民家へ侵入しては、長い舌で台所とか風呂場の垢を舐める妖怪「垢舐め」ってのがいたけど、家の中を不潔にしていたらコイツもそうなりそうな感じがする。用心しよう。夏の昼間、全国で多数の目撃情報あり。
妖怪・お面
家族が林間学校で造った超芸術的なお面をガジガジするうち、犬とお面の顔がみごとに合体。お面を被った犬ってのも結構不気味で、夜中に出会ったりすると怖いよな。ゾゾゾ。
妖怪・しましま
まあ、窓の影が犬に映ってそんなふうに見えるだけなのだが。シマシマ模様の柴犬ってのも、なかなか妖怪じみてる感じだな。トロとか、シマウマとか、甲斐犬ならOKなのかも知れないけど。
妖怪・招き犬
「こっちこ~い」って手招きする犬。あるいは、ハーイと手を挙げてるように見えなくもない。化け猫がこんなふうに人を操るシーンがあった。また、猫なら招き猫で福の神なんだけど。犬の場合はどうなんだろ?
妖怪・耳なしホーイチ
脇の下コチョコチョされて、嬉しくてもう、どーしていいのかわがんなぁああああい! ってな時、こんな感じになってしまう。「耳なし芳一」のように、念仏書き忘れて平家の亡霊に耳千切られたワケではありません。
妖怪・くねくね
喜んで遊んでいるのか、それとも、嫌がってもがいてるのか? そこのとこの心理はよくわかんないけど、かなり体が柔らかいのは間違いない。人に生まれていれば、新体操とかやらせれば大成したかもしれない。
犬の霊感の鋭さは陰陽師並み?
犬は霊感が人よりかなり優れているという。太古に人が犬と暮らすようになったのは、鋭い嗅覚と聴覚で盗賊や害獣の接近を察知する番犬の役割の他に、悪霊の接近を霊感で察知して教えるのが、大切な仕事のひとつだったのだとか。
散歩中に、突然、犬が立ち止まって誰もいない電柱にウ~とかうなってたりしたら、あるいはそこは悪霊が漂うスポットなのかも知れない。ご用心。
だけど、現代の犬は霊感の方も鈍ってるからなぁ。また、犬的な事情で勝手にビビッてるだけだったりもするし……誤作動はかなり多そう。
恐怖人間の真実
犬にとって一番怖いのは幽霊でも妖怪でもなくて、じつは生身の人間だったりする。アナタ、気がつかないうちに怖~い思いをさせているかもしれませんよ。噛まれないように注意しよう。
しつこい人……
親しき仲にも礼儀ありっていうでしょ。こっちの都合もおかまいなしに、いつまで撫でまわしてるんじゃねーよ! 眠いしウザイいし、もーコイツ、嫌!! 道で出会ったらコソコソ逃げちゃうよな。
横断歩道の黄色い旗持ってる人……
あの人たちは、子どもたちの通学の安全を守っている。それを知るまでは怖かったですよ。旗をブンブン振り回している仕草が、やる気まんまんで勝負に挑んでいるような感じで……
傘を差している人……
雨に濡れてもへっちゃらな俺たちには傘さす意味が分かりません。ひょっとしてあれは武器っすか?
子ども……
大声出しながら走ってきて、いきなり耳とか尻尾をキュッと掴んでくるガキ。あっ、失礼しました、お子様。こわいっすよ。いきなりは。やっぱできれば、飼い主に一声かけてからにしましょう。
新聞配達員……
早朝からいきなり敷地に入ってきたら、怪しいやつだと思うのは当然っす。怖いけど……日頃可愛がってもらっている飼い主に恩返し。頑張って番犬のしごとをせにゃ。
怖い想像も人生楽しくする方法かも
「幽霊の正体見たり 枯れ尾花」これは松尾芭蕉の句なんだってね。薄気味悪いとか思うと、風になびく枯れススキの穂も、怖い幽霊に見えてしまうってこと。
昔の人の想像力ってのはすごい。ススキが幽霊に見えたり、夜道で転ぶのも、水音が滴るのも、みんな幽霊や妖怪のせいにして怖い想像をふくらましていた。
それからすると、現代人の我々というのはスレているとうか、冷静というか、まあ、想像力の方もかなり欠如しているんだろう。
幽霊体験談もどこか疑って見てる。何かを感じても、「気のせいじゃないの」といった感じで、見て見ぬフリしてることって多くない? そんなことだから霊感は鈍るし、色々なモノへの好奇心や関心も薄れてくる。
なんかそれって、つまんなくない? 科学的根拠なんぞおいといて、昔の人のように想像力ふくらませて、幽霊とか妖怪のせいにした方が、日々の生活は楽しく刺激的。ついでにエアコン28度で涼しく過ごせそうだ。
犬たちもまた、昔の人なみに想像力逞しいのだろうな。色々と怖い考えになっちゃってビビッちゃうのだろう。そのあたりの感性は、多少、見習うべきかも。
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Shi‐Ba vol.60『シーバ的真夏の夜の怪奇特集 本当にあった犬にまつわる怖い話』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。