飼い主さんと愛犬は大抵、どこかが似ている。そのナゾの現象を解き明かしたい。
性格が似る?
生まれながら持っている性格は中々変えられないが、一緒に暮らす中で、お互いに無意識のうちに影響しあって似てくるものらしい。
例えば、物静かな飼い主さんに育てられた犬は落ち着きがあり、冷静だったり、明るく、元気いっぱいの犬に合わせて、社交的な人になったり……。
そして、似てほしくないところがよく似るのも事実だとか。愛犬の性格を観察して、家族に当てはめてみて。
ある、あるこんなところ!なんて再発見がいっぱいあるかも!?
好みが似る?
犬の好みは、一緒に生活をして初めてわかるもの。飼い主さんと行動を共にすることが多い場合は、自然と飼い主さんに似てくることが多い。
運動が好きでアクティブな飼い主さんに似て、少々ハードな動きをしてもへこたれず、生き生きと活動したり、食べ物の好みが家族と一緒など、生活を共にすることで嗜好やライフスタイルが合致する場合がある。
ただし、無理強いは禁物。好みの判断は愛犬に任せよう。好みが似てくるとお楽しみも倍増することまちがいなし。
行動が似る?
寝食を共にし、同じタイムスケジュールの中で生活をすることで行動パターンが、否が応でも似てくるものらしい。
不規則だった生活が犬を飼ったことで、早寝、早起きの規則正しい生活に変化したり、寝相やくつろぐ姿など、しぐさが似る場合もあるのだとか。
ソワソワ、ウキウキ、そんな気分が行動に現れて、それがまた家族の誰かに似ていたりする。
何気ない日常の中で繰り広げられるヒトコマを見落とさずに観察すれば、きっと、笑える? 否、反省しちゃう!?
似るほどに愛犬との絆が深まる!
人と犬、どう考えたって似ているわけがない! と、思っているのは、かなり大きな間違い!? 親子や兄弟は血がつながっているのだから似ているのは当然。ところが元は他人でありながら、長年連れ添った夫婦が似ていたり、ラブラブのカップルが兄妹に見えたり、仲良し女子ふたりが姉妹に見えたり……。
不思議。何故? 夫婦は、同じ生活環境の中で寝起きを共にし、一緒に行動し、同じものを食べ、見て、会話を交わす。カップルや親友は気が合う、趣味が同じ、一緒にいて楽しいなど自分とどこか共通点があったり、相手に合わせたりするもの。
同じ生活環境やライフスタイル、嗜好性の一致などはお互いを同化させていく、不思議な作用があるのかもしれない。では、飼い主と愛犬はどうなのだろう?
特に飼い主さんと犬が似ている場合、最初に犬を選ぶ時に、無意識に第六感が働いている。自分や家族にマッチする、相性のいい犬を選んでいるのだ。そして、家族として迎え入れられた犬は、その家の生活スタイルの中で育っていき、暮らしの中で飼い主さんの性格や行動パターンなどを自然と学んでいく。
もちろん、人間側も犬の生理や持って生まれた性格に合わせて生活スタイルを変化させる。お互いに相手に合わせ、寄り添っていくことで少しずつ、どこかが似てくるのだと思われる。
しかし、犬は家族の生活パターンを学習するが、外飼いと室内飼いを比べると似る度合いが違う。
外飼いの場合、飼い主の生活エリアから隔離されているので影響を受けにくい。逆に外部からの刺激を受けやすいため、自分の身は自分で守るという独立心が備わってくるため、飼い主さんの生活パターンに合わせようとはしない。
一方、室内飼いの場合は、一緒にいる時間が長く、人間主体の生活パターンの中で行動するので、外飼いの犬よりは、必然的に多くの部分が似てくるというわけだ。
これは日本犬ならではの特徴。さらに、人と犬がそもそもミスマッチの場合は、似る要素がないため、どんなに努力しても難しい。おっとりした飼い主さんが、激しく動き回る、元気な犬を選んでしまい、お互いにストレスを抱え込んでしまったら、理解したり、歩み寄ることが困難になってしまう。そうなると結局、手放すことが最善の策になることもあるのだそう。
しかし、飼い主さんと愛犬は、どこかが、何かが大抵、似ている。どこが、どう似ているのか、実は、飼い主さんは愛犬と似ている自覚があまり無い。家族や友人から指摘されてハッと気が付く人が多いらしい。
見た目では顔のパーツが似ているのではなく、瞬間的に見せる、笑顔やションボリ顔、不安顔など、ちょっとした顔の表情などが驚くほど似ている場合がある。全体的に醸し出す雰囲気が似ている人もいる。でも、これは自分では気が付かない。誰かに言われて気が付く。
性格が似る場合もあると言う。慎重で落ち着いた飼い主さんに育てられた犬は、冷静な子だったり、逆に、愛犬がフレンドリーで明るい性格の持ち主で、飼い主さんも社交的になったり。お互いに無意識のうちに影響しあっていることがあるのだとか。
そして、同じタイムスケジュールの中で生活をすることで行動パターンが、否が応でも似てくるものらしい。それに加え、寝相やくつろぐ姿など、しぐさが似る場合もあるらしい。
スポーツが好きでアクティブな人は、愛犬も外遊びが大好きになったり、車で出かけることが多い飼い主さんに連れられて、ドライブ好きになったりすることがある。
また、逆のパターンもあり、お散歩が大好きな犬に合わせて、外出する機会が増え、動きやすいカジュアルなファッションに変化したり、飼い主さんの好みや行動パターンが愛犬に似てくる場合もある。
似れば似るほど毎日がハッピー!
愛犬に似ていると言われて、嬉しくない飼い主さんはいないだろう。
愛犬のおかげで規則正しい生活リズムになった、社交的な飼い主さんと行動を共にしていた愛犬は、どんな人とも犬とも仲良し等々。どこかが、何かが似ていることは、日々の暮らしをとてもハッピーにしてくれる。
家族みんなで、あるいはご夫婦で愛犬とどこが似ているのか、そんな屈託のない話題から笑いが生まれ、あらためて、いつも一緒に過ごす人のことを再発見するきっかけも与えてくれるのだ。
この人といると楽しい、この人といると心地いいと犬が思えたら、必然のように飼い主さんに似てくるのかもしれない。
もちろん、それは飼い主さんも同じ。この子といると幸せ、この子といると元気をもらえると思えたら、生活スタイルや行動パターンが愛犬に合った形に変化してくるに違いない。
これはお互いに適度に合わせる関係がベスト。愛犬が人間社会に上手に順応できるよう、しっかりしつけをすることが大切だ。
何となく似ている、そう言われてみると似ている。適度に似ていることが良好な関係性を保つ秘訣なのかも。あなたと愛犬はどうですか!?
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Shi‐Ba vol.74『気づけばいつの間にか、ウリふたつでした……(汗) 犬は飼い主の鏡です!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。