天使のようで悪魔?日本犬の子犬を迎える前に知っておく大切なことと心構え

この世のものとは思えないほどに愛らしい! と思って飼い始めても、実際に子犬が来たら、おしっこや甘がみなど問題が山積み……。でも子犬特有のトラブルには理由がある。日本犬の子犬の習性を理解し、育犬ライフを楽しもう!
 

 

飼い主の態度がこの先の犬生活を左右する

子犬の育て方

「子犬を飼うって大変……」と感じたことは、誰でも多少は経験があるはず。でもくじけてはいられない。子犬時期の飼い主の努力が、今後の犬生活を左右するのだ!

まず人と犬の生理、習性などの違いを知ること。人にとってはイタズラでも、犬には必要な行動であることも。その上で、犬と飼い主に合うしつけ方法を見つよう。

しつけの考え方はさまざまあるが、犬が間違いを起こさない環境設定と無視をうまく利用し、自力で必要な行動をできるよう促す方法は、飼い主と愛犬の関係性を損なわず、犬が楽しく学習できる。

特に日本犬は臆病でナイーブなので、犬が失敗したら叱りつけるしつけでは、攻撃的態度を助長してしまうことも。

また、日本犬は叩かれたなどマイナスな体験を引きずるので、人見知りや犬見知りにしないため、そして、攻撃性を養わないためにも、攻撃的態度は臆病さの裏返しと理解をしよう。

日本犬独特の性質を理解し、それに合ったしつけをこころがけることが肝心だ。

 

大切なことと心構え

・「強い犬」だと思って高圧的な態度で接すると、犬は恐怖心から攻撃的に。

・マイナスな体験を記憶しやすいので、体罰は絶対にやめること。

・ただし人の手をかむなど、やってはいけないことはきちんと伝えておく。

・しつけは根気よく行う覚悟を。1回でわかると思わず、5回は繰り返す意識で。

・洋犬と比べてフレンドリーではないので、人や犬に慣らす際は時間をかけて。

 

子犬の定義とは?

子犬の育て方

子犬の時期に確固たる定義があるわけではないが、大体、体も心も6ヶ月くらいまでが子犬、1歳くらいまでが幼犬なのだそう。しかしヤンチャな時期は、その後1歳半くらいまで続く!
 
□3ヶ月 甘噛み
生後3ヶ月~8ヶ月くらいまで続く。小さいうちはかむ力も弱いので、手などをかませがちだが、成長するにつれ強くかむようになるので発散&しつけが必要。

□5ヶ月 興味
いろいろなことに好奇心を持つようになり、飼い主が思うイタズラが炸裂する時期。イタズラは身のまわりの物事を覚えようとする行動でもあると理解して。

□6ヶ月 食の変化
食の好みが変わり、急に食べなくなる犬も。パピーフードは脂っこく栄養価が高いが、犬も成長するとあっさり系を好む。食べなくなったら成犬用フードに移行を。飼い主の悩みがMAXになる時期!

□8ヶ月 飼い主の悩みがMAX
生理やマーキングが始まる影響で、トイレを失敗しやすい。学習してきたことを元に行動するようになるため、マイナスの体験があれば、吠えたりかんだりするようにも。問題行動があれば、今までのしつけが問題だったということ。これまでを振り返ってしつけ方を変えよう

 
飼い主から見た、子犬時期の犬の変化はとってもめまぐるしい。家に来てすぐの時には夜泣きをしていたのに、数日後から急に慣れて静かに眠るようになってホッ……。と思ったのはつかの間、甘がみや破壊が始まって「元気なのはいいことだよね……」なんて無理矢理納得しながらも、そのうち大好きだったゴハンを食べなくなり、さらに覚えたはずのトイレをいきなり外すようになって。あげく黙認していた甘がみがどんどん激しくなって……もうどうしたらいいの!? などと慌てるケースも少なくないはずだ。

でもこれらのことは、大体の子犬に起こること。いつ頃、どんなことが起こるかを飼い主が把握しておけば、うまく対処できるはずだ(対処法:子犬時代に出やすい柴犬の行動。尽きない悩み、育犬ノイローゼを防ぐには?)。

 

子犬を迎える準備をしよう!

子犬の育て方

□住環境・・・安心できる居場所づくり
サークル、クレート(柴犬なら、成長に応じて2サイズ必要となる)、ゲート、床に敷く滑り止めマットなど。新しい環境への不安を少しずつ取り除こう。

□フード・・・なるべく良質なものを
最初は犬用ミルクやパピーフードを与え、成長に合わせて成犬用のフードに切り替える。犬の体調や体質に合わせて選びたい。食器や水飲みも必要。

□保育用品・・・健康やお楽しみのために
フードをつめて使うコングは、遊びやしつけにはもちろん、クレート内でのひまつぶしにも。かむ欲求を発散できるガム、引っ張り用オモチャなども。

□衛生用品・・・トイレやケアアイテム
トイレトレイやペットシーツの他、ケアのためのウエットティッシュ、綿棒、クリーナー、爪きり、ブラシなども必要となる。

□健康管理・・・健康でも費用がかかる
予防接種やフィラリア、ノミダミ予防、避妊手術のほか、ケガや病気などの際に医療費がかかる。犬の場合、保険がきかないので費用がかさむ。

 
【必要なアイテムは賢く揃える】
犬用アイテムは自分で品質・価格ともに納得のいくものを選ぶ意識が大切。でないと費用がかさんだり、買ったものが無駄になることも。例えば侵入防止ゲートは人間の子供用でも代用できるし、カーペットはホームセンターのもので十分。また、ブラシも人間用のもので大丈夫。しかも安くあがる。ちなみに医療費も、動物病院によってピンキリ。値段だけで選ぶべきではないが、自分や犬との相性や治療方針も含めてかかりつけを選ぼう。

 

愛情に時間、空間、そしてお金もかかる

子犬の育て方

どんな動物でも、生き物が一匹増えるというのは生活を激変させる一大事。犬を迎えるなら、生活アイテムだけでなく、生活空間の確保や、散歩、遊び、コミュニケーション、ケア、しつけなどに費やす時間も必要だ。また時間をかけるだけでなく、気持ちを向けてあげることも大切

人間から見ると、イタズラな行動でも、犬からすれば、生きていくために必要な、大切な行動だったり、生理的に仕方ないことだったりするのがほとんど。

例えば甘噛みは歯の生え変わりや脳の発達のための意味があるし、急にトイレを失敗するようになるのは生理やマーキングが始まる影響であることが多い。とはいえ、人間社会で生活させるためには、トラブルのないようにしつけることも肝心だ。

日本犬との理想的な生活を送るためには、犬種独特の習性を調べたり、根気よくしつけを行って好ましい行動を習慣化していく必要がある。

もちろん、子犬との暮らしは楽しいことも多いが、飼い主のある程度の努力なしには成り立たないのだ。

 
関連記事:
柴犬っぽさって何?子犬の気質・健康チェックで見るべきポイント
子犬時代に出やすい柴犬の問題行動。尽きない悩み、育犬ノイローゼを防ぐには?
 
人気のキーワード:
#しつけ #ごはん #シニア犬 #健康管理
#性格 #散歩 #気持ち #病気 #おでかけ
#ケア #子犬 #性別
 
Shi‐Ba vol.67『尽きない悩みや育児ノイローゼ……その子育て、応援します!天使のようで悪魔な子犬?』より抜粋。
※掲載されている写真はすべてイメージです。

-柴犬
-, ,