よそ様にはふるのになぜ?ワタシにも振ってほしいな、そのシッポ!

柴犬のしっぽ

 

シッポの謎

■犬のシッポはどうしてついているの?

シッポの役割はおもに3つ。1つめは「体のバランスをとる」こと。素早い動きをとった時、体の安定をはかるために使われる。2つめは「感情表現」。シッポを振るとか下げることで、恐怖や緊張、興奮などを表している。3つめは「防寒」。サモエドなど寒い国で暮らす犬はシッポで鼻を覆うことによって鼻が凍るのを防いでいる。

■日本犬のシッポはどうして動きが少ない?

欧米の犬に比べてシッポを振りにくいのは単純に形状的に振りにくいからと言われている。また、日本犬は猟犬として飼われてきた歴史があり、欧米の犬ほど人の生活に入り込んで生活してきておらず、人前で感情表現をする必要がなかったという説や、もともと表現が地味な日本人と一緒に暮らしてきた犬だからという説もある。

■シッポの動きは意識している?無意識?

犬がシッポを動かすのは無意識と思いきや、意識的に動かすことも。好きな人に会って嬉しくて振っているとか、怖い思いをしてテンションが下がって、垂らしているなどの、感情にともなうシッポの動きは、無意識に出ているといえる。一方、シッポに振られた時や、濡れて鬱陶しい時に振り払おうと動かすのは、犬が自分で意識して行っている。

■出迎えの振り方が家族によって違うのは?

「お父さんが帰ってくると振るのに、私の時は振らないから、好かれていないのかも」といった、シッポによる差別に苦しむ飼い主さんは多いはず。でもシッポを振らないこと=好感度が低いということでは決してないので安心を。出迎えの時に飛びついてくるとか、遊びをせがむなど、シッポを振る以外の喜びの表現があれば、問題なし。

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■日本犬のシッポを振らせるコツは?

洋犬なら「かわいいね!」と体中を撫でることでブンブン振ってくれるはずだが、日本犬はそうもいかないのが現実。それよりも、注目させて心動かすことが、日本犬のシッポを振らせるポイントになりそう。ボールを転がす、オモチャの音を鳴らす、オヤツを見せびらかすなど、繊細なアクションで気持ちをひきつけることが大切だ。

■家族以外の人に対して振りやすいのはなぜ?

理由は、たまに会う人のほうがテンションが上がるから。同じように好きだと思っていても、家族はいつもそばにいるので、興奮度はさほど高くならないことが多い。前述でもふれたとおり、、シッポを振る=好感度が高いとは限らないので、愛犬に自分に振ってくれないからといって、気にしすぎないことが大切。

■シッポを振っていても喜んでいないこともある?

シッポを振る=喜んでいるわけではない。警戒している時や攻撃をしかける時などに振ることもある。大切なのは、シッポだけで犬の感情を判断しないこと。周囲の状況や、犬の体全体の表情を見よう。苦手な犬がいるとか、歯をむいているなどの警告サインが出ていれば、シッポを振っていたって、当然喜んではいないと分かるはず。

 

嬉しい時のシッポは右に振る?

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イタリアの脳神経専門医や獣医師などの学習グループが、犬のシッポの振り方の実験をしたところ、好ましい人や物に対しては(自分の)右側にシッポを振り、逆に好ましくない場合には左側に振るという実験結果が出たそう。

これは脳の機能によるもので、左脳はポジティブな感情を、右脳はネガティブな感情を司っているからと考えられているとか。もしこれが本当なら、今すぐ自分と向き合っている愛犬のシッポの振りをチェックしたいところ……。

しかし、振り方に左右差があるのは筋肉量の影響もあり、また人に利き手や効き目があるのろ同様に、クセで動きが傾く説もある。果たして、真相はいかに!?

 

シッポをチェックして健康管理をしよう

シッポだって当然、ケガを負ったり、虫に刺されたり、できものができたりすることがある。

普段、シッポを上げたり振っているような場面でも、シッポを下げているようなら、ケガや腫れがないかチェックしよう。

触れるのを嫌がるほど痛そうにしているなら、深い傷や骨折、脱臼などのおそれもあるので、早めに動物病院で診てもらおう。

 

シッポの正しいケア方法は?

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日常的にブラッシングをしよう。末端にあるシッポは、意外ときちんとかけられていないことも多く、毛が絡まっている犬もたまにいる。

シッポにはアンダーコートがあるので、しっかりブラシをかけてあげよう

ブラシは体に使うものと同じでオッケー。上手に使えるなら、スリッカーがベターだ。

また、シャンプーをした後の洗い流しも見落とされがちなので、ちゃんと行おう。

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柴犬の繊細なシッポ。ケガに注意!

シッポにも当然、神経は通っているし、骨も皮膚もあるので、乱暴に扱うのは絶対にやめよう。引っ張るとか、ヒールの靴で踏んでしまうと、脱臼や骨折をする恐れもある。

また、意外に多いのはドアにシッポが挟まれる事故。特に車のドアは、犬が降りたと思って閉めるとシッポが挟まっていることが多いので、車体から離れたことを確認してから閉めよう。

犬にもよるが、シッポを触れられることを嫌がる犬も多い。その場合は無理に触らないこと。できれば徐々に触るよう、トレーニングしていくとベストだ。

 

シッポの可能性はまだ広がりそう!?

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シッポだけに注目して印象的だったのは、思ったより柴犬はシッポを振っていなかったということ。もちろん、洋犬と比べると振り方が地味なことは知っていたけれど。

それでも犬が喜びを感じて、飛びつく、走り回るなどの態度に出ている時は、当然シッポも連動しているものだと思っていた。

けれど実際は、柴犬がはしゃいでいる時にシッポも振っているということは少なかったのだ。

かと思えば、体の動きはなくても、シッポと耳だけを動かして喜びを表すこともある。

シッポを見ることで、1匹の犬の気持ちの表現方法は本当に多様だし、気持ちを見極めるには、犬全体を見る必要があることを、あらためて思い知らされた。

犬を飼っていない人にもそれを伝えることで、思いがけない事故を防げそう。

また、シッポの形も犬によって全然違う。ドーナツのように巻いたのとか、先っぽだけ黒いのとか、シンプルに一回転しているのとか。形に個性と風情があり、めったに振らず、振る時も控えめ、こうしたところが日本犬のシッポの魅力なのでは。

もっと、シッポにまつわるいろいろな研究が進めば、もしかして、形状によって性格がわかったり、シッポを鍛えて運動能力が上がったりするのかも?

謎が多いだけに可能性に期待が膨らむ、シッポである。

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Shi‐Ba vol.52『よそ様には振るのになぜ?ワタシにも振ってほしいな、そのシッポ』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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