アイコンタクトのトレーニングと聞くと、堅苦しく感じる人もいるだろう。しかし、家庭犬として絆を深める大切な一歩なのだ。楽しい生活のためにぜひチャレンジしてみよう!
犬と目が合うと幸せになれる……?
母親と赤ちゃんをつなぐ愛情ホルモンが人と犬でも出る
視線によるコミュニケーションは、犬種や血統、性格によって違いがあるけど、オオカミやチンパンジーにはない特別な能力。人と犬が目を合わせる行為は、情報伝達だけでなく、特別な絆を作っている可能性がある。
愛情ホルモンと呼ばれる『オキシトシン』に注目して考えてみよう。オキシトシンは、母親が赤ちゃんに見つめられた時などに、脳内に分泌される物質。オキシトシンが出ることで、赤ちゃんを愛おしい、守りたい、育てたいという意識が高まる。母親と赤ちゃんを人と犬に例えたら? もしかしてアイコンタクトで、愛情ホルモンがパァ~ッと出ているのだろうか。
結論を言うと、愛犬と見つめ合って触れ合った飼い主は、女性も男性もオキシトシンが分泌される。
しかし、飼い主さんと愛犬の関係が良好で、アイコンタクトが上手にできる組み合わせのみ。日頃からコミュニケーションをとれていることが大切。飼い主さんは愛犬に見つめられることで特別な愛情を感じて、強い絆が生まれるのだろう。愛犬と飼い主さんの関係が今ひとつの組み合わせは、見つめ合ってもオキシトシンは出ない。
アイコンタクトできないデメリット
柴犬は視線を合わせない傾向にある。人は視線をコミュニケーションの重要な手段にしているので、不便なことが多くなる。
そっぽを向いている犬と意思の疎通ができているのか、犬が指示を聞く状態にあるのか、判断しづらいだろう。 関係が築きにくいため、結果的には犬にもデメリットが生じるかもしれない。
犬には目を合わせることで、人とコミュニケーションがとれることを教えることができる。
また、群れや家族に受け入れてもらいたいという欲求も、人が注目することで満たせる。お互いに大きいメリットがあるのだ。
アイコンタクトのレッスン
1.細かくちぎれるオヤツを用意。破片や粉が落ちると犬が下を向いてしまうのでボーロなどは避ける。
2.犬の鼻先にオヤツを差し出してから、人の顎の下に手を移動する。見上げることができたらオヤツ。
3.犬の鼻先にオヤツを差し出してから、人の顔の横に手を移動する。目が1秒合ったらオヤツ。
4.オヤツを鼻先から背中に移動。最初の4~5回は名前を呼んでもOK。目が1秒合ったらオヤツ。
5.刺激が多い屋外を歩きながら練習。名前を呼んで目が1秒合ったらオヤツ。目標は3秒。
↓どうしても目が合わない時は?↓
1.トレーニングは距離をとろう
目を合わせることが苦手な犬もいる。トレーニングに熱が入って顔を覗き込むと、さらに視線を合わせなくなるので注意しよう。
2.体を犬の正面から少しずらそう
正面から目を合わせることが苦手な犬もいる。人が体を少しずらしただけで成功することもある。愛犬の様子を見ながら試してみよう。
日本犬のよさを発揮しよう
視線は大切だと思うけど、素っ気ない犬も好きなんだよなぁ……という人もいるはず。確かに犬種の特徴を尊重することも大切だろう。
視線にこだわらず、日本犬のよさを発揮できるコミュニケーションを考えることも大事。愛犬と見つめ合う甘えた関係になりたいなら、洋犬の方が向いている。
猟犬として暮らしてきた日本犬は、人の指示を待たずに行動できる、自立心旺盛で判断力に長けた一面もある。犬種の差と特徴を理解してあげよう。
洋犬は何も教えなくても人を見るが、柴犬は教えなければ見ないこともある。愛犬がアイコンタクトをするなら、愛情深くトレーニングできたということ。
どうしても目が合わなければ、アイコンタクトをしないオオカミに近い血統なのかもしれない。
何でもお見通しの千里眼だった!?犬の眼力&視力大研究!
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Shi‐Ba vol.62『自分の気持ちを伝え、飼い主の心を読み取る場所、それは・・・・・・目! もの言う視線』より
※掲載されている写真はすべてイメージです。