ご先祖様の名残を追え!家庭犬の猟犬的行動・身体能力はいかに……!?

すべての柴犬のルーツは、秘境の山中で野鳥とか小動物とか、時にはめちゃ怖いイノシシやクマを相手に、勇ましく戦ってきた猟犬である。それだけに、猟犬としての力は今の犬にもまだ残ってるとは……思うのだが実際のところはどうなのだろうか?
 

 

日本犬驚異のパワー!

家庭犬だって家の中でぽや~んとしているようでも、狩猟犬の能力が現れる瞬間があるのだ。

鋭い五感
柴犬の狩猟本能

現代の猟犬、獲物はオヤツ
猟犬として最も大切な資源、それは獲物の存在を察知する嗅覚や聴覚。現代の生活では、獲物=オヤツなだけに、五感を研ぎ澄ましてもらうタイミングを逃さない。

 
優れた運動神経
柴犬の狩猟本能

この程度は当然
獲物を襲ったり鋭い牙をかわす運動神経や反射神経。これ、猟犬には必要不可欠の要素っす。本気を出せば、みんななかなかやるもの。やっぱ猟犬の遺伝子っすね。

 
音を出さない足の構造
柴犬の狩猟本能

猫のお株を奪う忍び足
日本犬は足音が静かだという。これも悟られず獲物に接近するための猟犬の資質か?

 
疲れ知らずの体力
柴犬の狩猟本能

意外と粘着質なのか!?
洋犬に比べて日本犬は淡白な性格とよく言われるけど、好きなことには執着する。オヤツとか見ると、もらうまで何時間でも凝視。これも眼力とか体力は使うのですよ。

 

家庭犬が見せる猟犬的行動

探す!
柴犬の狩猟本能

「探索」は猟犬の大切なお仕事
深い森の木立に潜伏する獲物の気配を察知して、これを探して獲物のいる場所を飼い主(猟師)に知らせる。これが、猟犬の最も大切なお仕事。猟師の手を煩わせるまでもない小動物は、徹底的に追跡して自分で仕留めたりもする。家庭犬になってからも、狩猟対象をオヤツやオモチャに変更して頑張ってます。はい。

 
潜む
柴犬の狩猟本能

相手に気取られずに接近
せっかく見つけた獲物も、襲い掛かったり、猟銃の射程に追い込んだりする前に気取られては逃げられてしまう。逆に相手に気づかれずに接近できれば、主導権が握れる。そう考えると気配を消したり、隠れたりするのが巧いのは、すぐれた猟犬の証と言えよう。現代でもかーちゃんに叱られそうになったときは役立つ技術ですね。

 
仕留める
柴犬の狩猟本能

教えてもないのに急所を攻撃!?
狩猟経験のない犬が、教えてもいないのに他動物の急所に噛みつくことがある。これは遺伝子に刻まれた本能のようだ。友達犬と遊んでいる時に首筋を甘噛みしたり、内臓を引っ張り出すようにぬいぐるみの綿をほじくり出す行動も同じだろう。本能に忠実なのはいいけど、飼い主的には心臓に悪い!?

 

飼い主と一心同体になるのが狩猟犬の神髄

獲物の存在を素早く感知する五感、獲物と戦う身体能力。狩猟犬に求められる資質は多々あれど、猟師が最も犬に求めるのは「意思の疎通」。自分の意図をしっかりと理解して動いてくれる犬であること。

どんな凄い能力を持った犬でも、獲物を追いかけることに夢中になり、猟師の存在を忘れてしまうようでは狩猟犬としては失格だ。

山中では常に猟師との距離を測りながら、時々、猟師の様子や意図を再確認しに戻ってくる。それくらいの配慮が、猟犬には求められる。

猟師のほうもまた、犬が伝えてくる考えを理解しようと努力する。獲物を発見した時に犬はどんな態度をとるか、距離は近いのか遠いのか? 犬の一挙一投足から読み取る。

猟師と猟犬、お互いをよく知って理解する関係になければ、獲物を狩ることは難しい。

 

日本犬には運動と自然が必要

柴犬の狩猟本能

洋犬を狩猟に使うには、それなりに訓練して仕込まなければならない。しかし、日本犬は何も教えずに山に連れて行っても、それなりに働くという。

それは日本人と欧米人の猟法の違いもある。古来から日本には、単独で猟をすることを好む猟師が多い。

犬の後ろについて山を歩けば、犬は鋭い感覚で獲物の所在を感知して捜索を開始。猟師は犬の反応や態度を見て、獲物が近くにいることを知り銃を構える。

そして犬は獲物を発見すれば、猛然と吠えてこれを威嚇したり戦いを挑む。猟師はその後ろを追いかけて、犬が獲物を足止めしている間にこれを仕留める。

また、犬が獲物を誘導して猟師の射程圏に連れてくることもある。

「猟のことは、犬が教えてくれる」多くの猟師がこう言う。ある意味、猟師は犬の仕事を補佐するだけ。

つまり、日本犬は人に教わって狩猟をするのではなく、持って生まれた本能で獲物を探し狩ろうとする

おそらく、それは、祖先のオオカミなどから受け継いだ野生の肉食動物の性なのだろう。

洋犬と比べて人の手が加わっていない日本犬の遺伝子には、祖先の記憶がしっかりと伝えられているのかもしれない。

そのため、生活環境が変わっても、祖先たちと同じように獲物を探し狩ろうとする。都会のマンションで飼われるようになってからでも、そんな気質は残っているようだ。

「人と自然を理解した上で、飼い主と一心同体になる犬」こそ狩猟犬種としての日本犬の真髄。

来るべき猟犬デビューに備えてか、日頃から飼い主を理解しようと一所懸命に観察する犬たち。

そんな愛犬の健気さに応える意味でも、たまには自然の中で遊ぶ時間を作ってあげたいところだ。自然を理解することも犬生来の欲求なのだから。

 
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Shi‐Ba vol.91『日本犬なら必ず持っている!?狩猟犬だったご先祖様の名残を追え ユー狩っちゃいなyo!!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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