犬びより

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今さら人には聞けない柴犬の疑問・・・ダブルコートってなんだ?【基礎編】

2018/06/01

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柴犬の毛=ダブルコートは周知の事実。「うちのコはダブルコートだから、抜毛が多いのは仕方ないよ……」なんて一度はつぶやいたことがあるのでは?でもダブルコートって実際どんなもの? 今回はそんなダブルコートの基礎知識を紹介しよう。
 

ダブルコートの基本知識

・ダブルコートの役割は「衣替え」をするため。
 

 
人の髪の毛は1つの毛穴に対して1~2本だけ生えているのに対して、犬は1つの毛穴にたくさんの毛が生えている。しかもダブルコートの犬は主毛と副毛の2種類がセットになってびっしり……。一体、なぜこんな変わった構造になっているのだろう?
 
まず犬を毛の生え方で分類すると、ダブルコートとシングルコートの犬に分かれる。ダブルコートの構造は、主毛がウインドブレーカーのように直射日光や草むらの刺激などから肌を守るためのものであるのに対し、副毛はカーディガンのように保温の役割を担っている。
ダブルコートになるのは寒いところや四季のあるところで生まれた犬種。こうした犬たちは、一年中同じ毛の生え方でいると、気温の変化に対応できない。このため、副毛を寒い時期に増やし、暑い時期に減らすことによって、体温を適切に調整するようになった。ダブルコートは、いわゆる衣替えをするために便利な構造だ。

副毛の生え変わりは春と秋で、まさに衣替えのタイミング。地域にもよるが、通常、春はGW明けくらいの暖かくなる頃に、副毛がごっそり抜けて少なくなり、秋は副毛が増えてふかふかした感触になってくる。
春になると多くの飼い主さんが、犬との散歩が気持良くなって喜びを感じる反面、抜毛の多さにぐったりするのはこのためである。ちなみに主毛は季節とは関係なく生え変わる。ダブルコートの犬でも、子犬の頃は副毛のみが生えていて、1~2回目の換毛期で主毛が生えてくる。性別による生え方の差はない。一方、シングルコートの犬は、副毛に近い毛がメインに生えていて、その毛がすべての役割を果たしている。

 

シングルコートとダブルコートとの違い

・同じダブルコートでも感触はいろいろ
 

 
皮膚を守る主毛と保温のための副毛を持ち、暑い時期には副毛が抜けて、寒くなると生やしながらいわゆる衣替えをするダブルコート。
それに対し、副毛に近い毛がメインに生えていて、その毛がすべての役割を果たしているシングルコート。同じダブルコートの犬でも毛質はいろいろで、すべて柴犬のようにふさふさした見た目、感触ではないことがわかる。上から手でおさえた時に、みっちりと反発性がある感じは柴犬ならではの特徴だ。それだけ副毛が分厚く、抜毛も多くなるということが理解できる。

柴犬の場合、いわゆる夏毛になると副毛が抜けて主毛がメインになるので、ごわごわとした麻のような感触になる。一方、シングルコートの犬の場合は夏毛になっても触った感じは特に変わらない。ダブルコートの犬種でもシングルコートの犬種でも、体温に違いはなく、毛の生え方よりも個体差によるところが大きい。一見毛の生え方がばらばらなように見えるグループだが、すべて主毛と副毛で構成されたダブルコートの持ち主。ただし毛の硬さや長さは犬種や個体によって大きく異なってくる。暖かくなると副毛がごっそり抜けるため、毎日ブラッシングを入念に行う必要がある。

同じチワワやダックスでもスムースタイプの犬はシングルコートに属する。シングルコートでも、毛の硬い犬、カールしている犬などさまざまな毛質がいる。主毛が少なく副毛が発達しており、保温や皮膚の保護の役割を担っている。換毛期でもほとんど抜毛が目立たないので、ダブルコートの犬に比べてお手入れは比較的楽。

・それぞれのメリット、デメリットは?
 

 
ダブルコートのメリットは、副毛を増やすことで保温性を維持でき、また四季のある場所では換毛で体温を適切に調節できるということ。

デメリットは、抜毛が多いのでブラッシングが欠かせないこと、部屋や庭における犬の居場所が散らかることなど。ブラッシングしてもすぐにブラシが毛でいっぱいになる、毎日の掃除機が欠かせない、庭に犬の毛玉が飛んでいる……などは、柴犬のいる家庭ならではの風景かもしれない。また毛が密に生えているため皮膚がむれやすく、においやすい、体温が下がりにくく、一度副毛が濡れると乾きにくいので、放置すると細菌が増殖して皮膚炎やあせものような状態になることがある、などもダブルコートのデメリットといえるだろう。また夏には副毛を抜いて体温調節ができるとはいっても、最近ではエアコンの影響などで換毛サイクルが乱れている犬も多く、うまく夏毛になりきらない場合も。したがって夏場は特に気温に配慮してあげる必要がありそうだ。

暑い時期は熱中症の一歩手前になりやすいのもダブルコートの犬の特徴。特に日本犬は夏ばてしやすく、暑くなると食欲が落ちる犬が多いかも。

ちなみに獣医師からみると、ダブルコートの犬は毛をかきわけにくいので採血しにくい、ノミダニの投薬がしにくいという印象もあるそうだ。
シングルコートのメリットは、換毛が少なくお手入れの手間が比較的少ないこと。デメリットは寒い環境に弱いことなど。
 

毛のあれこれ Q&A

 

 
Q.食事の改善で被毛は抜けにくくなる?
A. 毛のお手入れは飼い主にとっては手間のかかることだと思うが、犬の健康上、抜ける時には抜けたほうがいいので抜毛を減らそうとは思わないこと。毛が抜けるのは柴犬の個性だと思って付き合ってあげよう。また食事内容を変えても抜毛の量に変化はない。

Q.ダブルコートの犬の方が中年・老犬期に入っても“立派な毛並み”が保ちやすいように思えます。実際はどうなのの?
A. 同じダブルコートでも体質や犬種で毛並みは変わる。人間でも髪がふさふさの人のほうが若々しく見えるのと同じで、犬もダブルコートだと毛並みが良く見えるかも。しかし柴犬でもアトピーなどで毛が薄いと貧相に見えることも。また同じダブルコートのポメラニアンも、成長ホルモンの関係で発毛にハンディキャップのある犬もおり、ダブルコート=毛並みが立派とは限らない。

Q.冬のダブルコートは人の服で例えると、どのくらいのあたたかさなの?
A. 人間も寒くなると着込むが、犬も冬が近づくと副毛を増やして体温を温かく保つ。冬に副毛が最大限になった状態の温かさは、実際に犬になってみないと分からないが、ラクダのももひきや、ウールのセーターみたいな感じだろうか。特に庭で飼われている犬は副毛がたくさん増えて保温性が高くなる。

Q.どの程度の雨であれば完全にはじく?

A. ほんの短時間、小雨の中を歩く程度ならはじく。ただし小雨でも途中で大降りになるかもしれないので、レインコートを着せたほうが安心。完全に濡れてしまうとタオルで拭いても乾きにくくなる。柴犬の場合、ドライヤーをあてても湿気が残っていることも多く、乾燥させるのがひと苦労。放置すると皮膚炎になることも。

Q.換毛期、無理に抜いたせいか、抜けた毛束に白い皮膚のようなフケのようなものがついています。問題ありませんか?
A. 毛と一緒に角質がはがれただけ。必要な毛はめったに抜けない。ダブルコートの犬の場合、ブラッシングをすると、主毛と副毛、さらに角質がセットになってはがれて抜けてくることがある。普通にブラシをかけたり、引っ張ったりしたくらいで必要な毛が抜けることはあまりないので心配することはない。抜けるべき毛が抜けているだけなので問題ない。

Q.オーバーコートとアンダーコートで毛の色が違うのはなぜ?
A. 毛質や皮膚の色に準じて変わることも。一般に、毛の太さ、質の違いで色は違ってくる。硬くて太いのが主毛=オーバーコート、柔らかくて細くちぢれているのが副毛=アンダーコート。主毛は保護色という説もある。また皮膚の色と同じ毛が生えるケースも。主毛は茶色でも、副毛は皮膚の色に準じた色になる犬もいる。

今さら人には聞けない疑問・・・ダブルコートってなんだ?【換毛期編】
 

Shi-Ba Vol.71 『今さら人には聞けないけど・・・日本犬のダブルコートってナンダ?』より