犬びより

季節はずれの換毛期がやってきた!愛犬の早すぎる衣替えの謎に迫る

2018/10/25

どうも最近、犬の換毛期に異変が起きているらしいとの情報を入手。その理由と対策を探るべく、犬の換毛期について調べてみた。
 
 

現代版換毛期は自分流が主流?

太古、過酷な自然環境の中で暮らす犬たちにとって換毛はなくてはならない重要なシステムだった。本来は春と秋に換毛期を迎えるはずなのに、近頃、季節に関係なくそれぞれ勝手に換毛を繰り返している犬たちが増えているらしい。暑さ、寒さを肌で感じ、フツーの換毛期を迎えることは、もはや犬にとっては遠い昔のことになったのだろうか?

この異変は何か悪いことが起きる前兆!?ウチの子はどうなってしまうの?と心配してしまう飼い主さん。お宅の愛犬はどんな生活空間で暮らしているだろうか?温度がコントロールされた快適な空間の中で飼い主さん家族と共に暮らしていれば、もともと、犬に備わっていた換毛システムが異常になるのは当然のこと。また、現代の犬は人間社会の中でストレスにさらされる機会が多いのも事実。暑さ、寒さを感じやすい外飼いの犬であってもストレスなどにより換毛期がずれてしまう場合もあるらしい。

ズレてしまった換毛期はどうすればいいのか。まずは、毛や換毛などの基本を理解した上で原因を突き止め、対策を繰り返し、有効なケアをしてあげよう。
 

換毛ってなに?

Q.毛にはどんな役割があるだろう?
ケガなど物理的な力から毛がクッションとなり皮膚を保護する。また、一次毛(トップコート、上毛、保護毛)は雨や雪をはじき、二次毛(下毛、アンダーコート)は水分の浸透を防ぐ。紫外線などを吸収し、皮膚まで届かないよう、保護もしてくれる。さらに二次毛は密集して生えているため、毛の間に空気を含み、断熱材として、体温調節の役目を果たしているのだ。

 
Q.通常の換毛期はいつ頃やってくるの?
3月頃から冬毛が抜け始め、春から夏にかけて、密度が少ない少し荒めの夏毛になる。夏毛は9月頃から抜け始め、その下からアンダーコートの発達したフワフワの冬毛が生えてくる。この冬毛は寒さから身を守る天然の防寒着になる。

 
Q.換毛期が自然に起こる要因は何?
換毛期には日照時間と気温が大きく影響していると言われている。日が長く、暖かくなってくる春先と、日が短く気温が下がってくる夏の終わりから秋口になると、犬は目や体から入ってくる、日差しや気温を察知して換毛する。ところが、室内飼いの場合は照明や冷暖房器具により、日照時間や温度がコントロールされてしまうため、換毛期のサイクルが乱れてしまう傾向にある。また、換毛に限らず、犬の毛は一定の周期で日々少しずつ、抜け替わっていることも事実。

関連記事:今さら人には聞けない柴犬の疑問・・・ダブルコートってなんだ?【換毛期編】

 

早すぎる換毛期の理由

 

1.室内飼い

1年中、快適空間の中で朝寝坊に夜更かし三昧!?
夏は涼しく。冬は暖かいといった快適な生活は、自然のままの気温の変化を感じにくい。また照明器具などで日照時間もコントロールされてしまう。そのため、冬場は夏毛、夏場は冬毛、1年中生え変わっているということも少なくない。さらに散歩の回数や時間などにも影響される。

 
2.ホルモン

一世一代の大仕事はホルモンバランスが激変
メス犬にとって妊娠、出産は大変な仕事。この妊娠、出産に大きな役割を果たすのが、卵胞ホルモンだ。このホルモンは毛母細胞の働きを活性化させ、育毛を促す働きもあると言われている。卵胞ホルモンは、出産すると分泌量が極端に減少してしまうらしい。結果、換毛期に限らず、大量の抜け毛を生むことになる。

 
3.ストレス

見慣れない世界は怖い。安心できる環境作りを
犬はいつもと違う状況や環境に遭遇した時ほど、ストレスを感じやすいと言われている。例えば、引越し、家族が増えた、室内飼いから外飼いに変更した等々。人間にとっては何でもないことでも、犬にとって経験のないことならば不安感や緊張感、警戒心などが助長され、強いストレスとなって体に表れる場合がある。

 

上手な換毛を迎えるには

1.散歩

毎日、長めの散歩タイムで四季の変化を受け止める
散歩をしっかりさせてあげることが大切。外にいる時間をなるべく多く取り、気温や日照の変化を感じさせてあげよう。冬場の散歩は洋服を着せずに運動をすることで体を温めてあげること。ただし、ガタガタ震えている場合は洋服を着せてもOK。

 
2.食事

バランスの良い食事で健やかな換毛を目指す
偏った食事は十分な栄養が皮膚に行き渡らないため、バランスの良い食事内容を心がけよう。特に外飼いの場合は、春と秋で食事内容を変えると良い。春はダイエットして体をスリムにしておくと、冷却効果のある細い毛が生えやすい。また、秋口は保温効果を得るためにフワフワの毛が密集して生えるよう、カロリーを高めにして太らせると良い。

 
3.ブラッシング

いつも清潔を心がけて被毛をベストな状態に保つ
毎日のお手入れとして、日頃からしっかりブラッシングしてあげよう。抜けるべき毛は抜いてあげないと、抜けきらず毛が絡まり、その下の皮膚が蒸れたり汚れが溜まりやすくなり、細菌感染を起こしやすくなる。シッポの付け根や後ろ足の付け根部分は抜け毛が絡まり合うことが多いので念入りにブラシをかけてあげよう。

 

正常な換毛と病気による脱毛の見分け方

シッポから頭に向かって、手で毛を逆撫でしてチェックしよう。部分的に脱毛していたり、禿げていたり、毛がまばらになっていたら換毛ではなく、病気の可能性がある。その場合は速やかに動物病院で診察を受けること。

 

換毛は昔から大切な犬のお仕事です

犬の換毛は生理的な自然現象。日本犬は昔から自然のサイクルに合わせて、季節を目や体全体で感じながら生きてきた。しかし、現代では愛犬は家族の一員、あるいはパートナーとしての位置づけが確立され、人間主体のライフスタイルやリズムに犬が組み込まれるようになって、季節感が希薄になってきている。その結果、元々犬に備わっていた自然の移り変わりをキャッチするセンサーが働かず、従来通りの換毛期からズレが生じてしまっているというわけだ。

また、ホルモンバランスが崩れたり、重度のストレスがかかったりしても換毛期がズレてしまうことがある。

しかし、心配はご無用。1年中、少しずつ抜けていたり、夏や冬に換毛の時期を迎えていたりしていても、ブラッシングやシャンプーをこまめにしてあげれば大丈夫。

それよりも、毛が抜けるのは換毛だからと思い込み、脱毛を見逃さないことが重要。春と秋以外に抜け毛が多い場合、脱毛か換毛なのかを見分けることが大切。犬の換毛は一部の毛が一気に抜けるのではなく、あちこちの毛がモザイク状に少しずつ抜けていく。ブラッシングの際などに手で愛犬の毛をかき分けてみよう。換毛ならばアンダーコートだけが抜けるが、毛が部分的に脱毛したり、禿げている場合は、アンダーコートはもちろん、トップコートも抜けている可能性があり要注意。

全体に毛が薄くなっている場合も皮膚に異常がある可能性が高い。クッシングや甲状腺機能低下などの病気も考えられる。そのような症状を発見し、判断できない場合は動物病院で受診することをオススメする。

本来の換毛期にあまり神経質にならずに、愛犬の換毛を、より良い方向に導いてあげる努力と工夫、そしてスキンシップで肌の状態を観察することが大切。なによりも惜しみない愛情を注いであげるのが一番!

 
 
Shi‐Ba vol.52『春先どり?地球温暖化?愛犬の早すぎる衣替えの謎に迫る!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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