犬びより

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ペットとの同行避難を考える。愛犬と生き延びるための避難方法

2018/09/10

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近年大規模な災害が続いている。飼い主自身の安全を確保し、尚且つ愛犬を守るため、災害時の避難方法、避難生活について知っておこう。

 

いざという時の避難方法は?

犬と一緒にいる時
飼い主自身の安全を確保してから愛犬を守る。自宅にいる場合は、備蓄品を持ち出し、「我が家の避難マップ」に沿ってすみやかに避難しよう。近隣であれば自宅に戻ってもよいが、状況によっては避難所へ直行した方がよい。外出先であればその地域の住民と共に避難所へ向かおう。

 
犬と離れている時
犬と一緒にいる時同様、飼い主自身の安全確保が最優先。その後、災害の規模や交通状態を確認して、帰宅できるか状況判断をする。東日本大震災では、犬を助けるために自宅へ戻り、津波に流されてしまった人もいた。辛い判断だが、帰宅できないことも覚悟しておこう。飼い主同士の話し合いで、互いに鍵を預けてペットの救助を頼んでおくことができれば最善といえる。自宅にペットがいることが外からわかれば救助される可能性もあるので、災害対応の表札にする工夫もしておきたい。

 
他の犬を保護するとき
避難している時に、飼い主が留守で取り残されてしまった犬を見つけたら、自分と愛犬の安全を確保して余裕があれば連れて行った方がよい。備蓄品の筆記用具とガムテープを使って、その家の目立つところに貼り紙を。犬を連れて行くこと、自分の連絡先、犬を連れて避難する予定の場所を残しておこう。もし残せない時は、その地域の福祉保健課などの担当者に必ず伝える。過去の災害では、飼い主が自宅で世話をしていた犬が連れ去られた事件もあった。善意でも無断で連れて行ってはいけない。

 

避難の優先順位

1.飼い主の安全確保
2.愛犬の安全確保
3.適切な避難経路で避難

どのような災害でも、まずは逃げることが最優先。初動が大変重要。愛犬と一緒でも離れていても同じ。飼い主が無事でなければ犬も助からないからだ。避難勧告が出る前でも自分の判断で逃げよう

近年は自治体でも想像していない規模の災害が起きることが続き、避難勧告までタイムラグがある。避難勧告を出して何も起きないと苦情が入ることもあるが、『何も起きなくてよかった』という考えを持つべき。 

最初に愛犬を連れて逃げることで、近隣の住民の避難をうながす効果もある。自治体が定めた避難経路に沿って逃げるより、「我が家の避難マップ」で確認した避難経路を優先した方がよい場合もある。頼れるのは自分自身、愛犬を救えるのも飼い主のみ。政府や自治体に頼るのではなく、まず「自力で助かる」ことを肝に銘じておきたい。

 

もし取り残されてしまったら?

人命が最優先。動物の救助は可能だがケースバイケースかも

救助を要請
東日本大震災では携帯電話の通信網が麻痺して、音声通話とメールの送受信ができないことがあった。そのような時でもインターネットは接続でき、TwitterやFacebookなどのSNSが活躍。あらゆる手段で救助を要請できるように、日頃からSNSを活用しておこう

動物の救助
人命が最優先されるが、法律で動物の救助が禁止されているわけではない。救助隊に依頼してもよい。ただし、飼い主が抱き上げられない犬、中・大型犬は難しいかもしれない。先に犬を救助してから飼い主という順になると、人命が最優先にならないからだ。取り残されないように最善を尽くそう。

 

避難生活はどこでおくるべき?

車内・テント
車中泊やテントはスペースが限られる。エコノミー症候群などを防ぐために、人の体調管理にも注意しよう。

自宅
倒壊の心配がなければ、自宅で犬とそのまま過ごしてもよい。救援物資は避難所に届くので、地域の飼い主と連携して依頼や受け取りをしよう。

友人宅
友人宅が無事であれば、犬連れで避難する相談をしよう。あらかじめ話し合いをしておくとよりスムーズだ。

避難所
避難所におけるペットの扱いはさまざまで、屋根がある屋外の専用係留所、動物救護所のテントの中、室内のケージなどが挙げられる。いずれの場合も、動物が苦手な人に配慮して、人と動物の銅線が交わらない場所にすることが重要だ。

安全なところで生活しよう


 
避難所に犬を連れて入所する場合、犬を連れていない人への配慮も忘れないようにしたい。

避難所に入所したら、動物の世話は飼い主の役割。避難所にいる人全てが動物好きとは限らず、アレルギーがある人もいる。人命最優先の状況なので、動物を住まわせてもらう、という意識を持ちたい。

また、必ずしも避難所に入所する必要はない。自宅が堅牢で安全に過ごせるなら、犬とそのまま生活しよう。車内などの狭いスペースで過ごす場合は、エコノミー症候群に注意したい。その他、事前の飼い主同士の話し合いによっては、近隣の友人宅に住めるかもしれない。犬を連れて知人や親類宅に行く方法もある。もし犬を連れて行かれない場合は、動物救護施設などに預けることも考えておこう。そのためには日頃からしつけと健康管理を行うことが大切だ。

避難所以外で生活することを想定していても、避難所への経路は事前に確認すること。救援物資は避難所に届くので、受け取るためには避難所に行く必要がある。避難所の運営者に自宅など別の場所に避難していることを伝え、必要なものを伝えよう。救援物資は何もしなければ何も来ない、と思った方がよい。必要なものを伝えても来ないかもしれない。その時に『地域の動物マップ』があれば、頭数の把握や必要な物資の量などが把握しやすくなる。自分の分だけだと引け目を感じてしまうかもしれないが、地域の分と思えば、避難所の責任者に救援物資を依頼しやすいだろう。救援物資を依頼しても送られてこなければ、避難所に張り紙をしたりSNSで呼びかけたり、情報の発信を積極的に行おう

 

初期は自力で対応を。犬はその励みになる

『災害時におけるペットの救護対策ガイドライン』を作成したことで、『政府が動物を守ってくれる』『自治体に任せればよい』と思ってしまった方々がいる。

しかし、災害時は自治体も救助も被災してしまうので、援助が来るまでの初期は、個人で対応しなければいけない。小規模の災害でもタイムラグは必ずある。

自治体で動物を扱う保健衛生課などは、人への対応も兼ねているところなので、いざという時には人が優先。現在は動物のために、緊急災害時動物救援本部が設立されている。動物に必要な援助や物資の運搬を、自治体に変わって担う団体だ。今後も各自治体が連携していくことになると思われる。

ペットは家族、とよくいわれる。その言葉を災害時にも実践したい。本気で家族だと思っているなら、必ず連れて逃げるだろう。備蓄品も用意しておかなければ、という気持ちになるはずだ。

自分と愛犬を助けるのは自分しかいない。その覚悟があれば、犬の存在が大変な避難生活を送る際の励みになり、復興につながっていくだろう。日常生活が災害対策になるように、日頃から「もしも」の時に備えておきたい。

 
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プードルスタイル vol.15『本当に必要な備えと、飼い主責任によるペットとの同行避難を考える 災害が起きた時 愛犬を連れて生き延びる!』より抜粋。
※掲載されている写真はすべてイメージです。