犬びより

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【奪う飼い主vs守る犬】器に執着する愛犬の本音、解決方法は?

2018/12/09

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食べ終わったから器を片付けようとか、ゴハン残してるからもういらないんだね、と思って器を下げると唸られたり、噛まれたり。なんで飼い主にそんな行動するの? というのが人間の本音。でも犬の本音は違う所にあるようで。
 

器を守るのは“食いしん坊な犬”とは限らない

器は食べ物を入れるものだから、食いしん坊な犬が守りやすくなるのか、というとそうでもない所がこの問題の難しい部分。そして、「ある日突然守りだした」という話もよく聞く。

しかし、人から見ればある日突然かもしれないが、犬の気持ちとしては“また持って行かれた!”という不満をいつも持っていて、それが蓄積され、ある日唸りや噛みつきなどの行動に出るということも考えられる。

また、子犬の場合は、家に来た当初はとにかく落ち着きがないが、2~3ヶ月も経つと家にも慣れ、テリトリー意識が芽生え、器を守りだすというケースも。

さらに、器を守っている時、唸る犬が必ず噛みついてくるか、というとそうとも言い切れない、ずっと鼻にしわを寄せて唸るだけで噛まない犬、唸らないけど噛む行動に出る犬など、色々なタイプがいる。最初の頃はどう行動すれば相手がどう出るか、と様子を見ていることが多い。

表情がわかりにくい日本犬だけに、愛犬が器に執着しているのか否か、飼い主としては初期段階のうちに知っておきたい所。そこで、「器を守る兆候」を教えよう。犬がゴハンを食べ終わって飼い主が器を下げる時、器に興味がない犬は基本的に器を見ない。しかし、【じーっと一ヶ所(器や人の手)を見て動きが止まる感じ】だと少し執着している傾向があるレベル1。【下げようとする器をパッと素早い動きで追う】場合は、レベル2。

愛犬が器を気にしている、と早い段階で気づくことが、問題をこじらせない第一歩。後述の器に執着させるこじらせ例と対処法を参考にしてほしい。

 

器に執着させるこじらせ例

■不審行動を取る
噛まれずに器を取り戻したい一心から、犬の見ている前で写真のように不審な行動を取るのはNG 。「そんな手まで使って、また俺の器を取るのかっ!」と犬を余計警戒させることに。また、その道具を見ただけで吠えたりすることにも発展しかねない。無理強いはとにかく禁物。

 
■犬を厳しく叱る
人間は「器を守ってはダメ、人に唸ったり噛んだりしてはダメ」と伝えているつもりでも、犬は強い恐怖を抱くだけだったり、「こいつ、必死で俺の器を取る気か? 俺のメシを横取りする気だな」と感じている可能性も。器を守る行動を見せた時に、力づくで服従させようとするのは絶対にやめよう

 
■いつも同じ状況でゴハンをあげる
器を守る犬の場合は、毎回、同じ時間、場所、器、同じ量のゴハンをあげていると、“守り”が固定化される可能性も。ゴハンの時間が散歩前なら、散歩後に変更する、ハウスの中や周辺以外で食べさせる、器の種類を替えるなどの工夫もしてみよう。

 
■食べ物とテリトリーがセットになるとこじれやすい!?
散歩先であれば、いつもの器でゴハンをあげても守らないケースもある。食べ物とテリトリーはセットになるとこじれやすいことが多いよう。

 

“犬のゴハン”に対する、犬と人の気持ちには温度差がある

器を下げようとしたら噛まれそうになり、怖くてそのままにしたら、守る行動がひどくなりそうな気もするが。無理に取り上げ『取られた』と犬に思われるより、そのままにしたほうがまだ良い。ただ、取られるかもしれない、と思わせるのはNG。

人通りが多い場所にハウスがあってそこでゴハンをいつも食べているようなら、食べる場所を人通りが少ない所に移動させるなどの工夫もしてみよう。

また、飼い始めの頃は、犬が食べる姿をじっと見てしまう飼い主も多いだろう。だが、犬が人間のことを気にするようなら、それはやめて離れた所で見守ろう。人の感覚として、「そんな犬のゴハンなんか取らないよ。器だってぬるぬるだし」と思っていても、犬にとって食べ物はライフライン。じっと見られていれば「飼い主はこれを食べたいんじゃないか?」と感じる可能性もある

犬と人には、食べ物や器に対する気持ちに“温度差”があることを知っておくべきだ。

 

器守り緩和計画

■ゴハンをあげる時に前の器を下げる
1回にあげる量を1/2~1/3に小分けし、その都度器に入れて与え、食べている間に器を下げるという方法。食べ終わった直後は器を放置。毎回器を持って行かれる、という犬の印象を薄める。できれば器の材質、大きさ、形状なども替えて行ってみよう。

 
■器を目の前にして手からあげてみる
犬が「器を少し気にする」レベル1なら、器のフードを取り、手からあげてみて。食事中以外のオスワリやマテの時でもOK。人の手から直接もらう習慣はぜひ身につけたい。

 
■犬が見ていない場所で器を下げる
どうしても器を守って取れない場合は、散歩の間に器を片付ける方法がおすすめ。飼い主が1人しかいないときは散歩から帰宅後、玄関などに係留して待機させ、その間に見えないように前の器を片付けよう。散歩に行く前は器があったのに、散歩から帰ると器がない、と最初は犬が気付いても、それが毎日のことになれば習慣になる。

 
■ゴハンを食べる場所を変える
ゴハンをケージの中やハウスの近くで食べさせる家も多いもの。空になった器も自分のテリトリー内のものという意識が強くて器を守るケースはよくある。食べる場所を室内の全く別の場所や、外や壁などに移動してみるのもいいだろう。

 

最初から100%やるのではなく、まずは10%から始めよう


ところで、昔よくしつけの本に書いてあった「犬を迎え入れたら、食べている最中に器の中に人が手を入れる」方法は“器守り”に効果はあるのか。器を守るかどうかの確認のためにやるのはまだしも、習慣化するのはやめた方がいい。器に手を入れると犬が「またやるのかよ!」と思う可能性があるからだ。それよりは、器を動かすなどして犬の反応を見て、犬が器を気にするタイプだと感じたら、上記で紹介した方法などを試してみた方がいいだろう。

また、器をオヤツなどで交換しようとしたが、いまだに唸るという場合はこんなことが考えられるかも。唸る真似をすると、おいしい物がもらえる、と犬が学習してしまったので、「器でゴハンを食べる」→「食べた後必ず唸る」→「オヤツをもらう」と、犬としては“器を守る”というよりは、単純に習慣として覚えて行動に出していることも。儀式化しないことが大切だ。

器にフードが残っていて守る場合は、執着は食べ物にあるので、単純に食べる回数を増やしたり、増量のイメージを持たせる。空の器を守る場合は、器をたくさん置いて1つの器への執着を薄めたり、食べる環境を変えるなどの工夫をしてみましょう。

最初から100%やろうと頑張ってしまうとこじれるので、まずは10%位の所から始めてみよう。器への執着をいかに鈍化させて麻痺させるかが、器守りの解決の鍵なのだ。

 
 
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Shi‐Ba vol.87『器を守る犬たちの本当のところ 俺の器は俺の器っ!!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。