【発熱・出血・震え】一刻を争う症状に注意!犬の緊急サインを知っておこう

愛犬の様子がおかしいと思ったとき、動物病院に行くべきか、少し様子を見るべきか、悩んでしまうかもしれない。でも実は、一刻も早い治療が必要な場合もある。緊急サインについて詳しく知っておきたい。
 

 

犬を動物病院に連れて行くべき症状

犬の緊急サイン

1.オシッコが出ない

【考えられる病気】
尿道閉塞、急性膀胱炎など

トイレに頻繁に行きたがる、でも排尿の体勢になっても少ししか出ない、あるいは一滴も出ない。結石が尿道に詰まっているなど、何らかの原因で排尿できなくなっている場合、犬自身もつらいもの。

尿道閉塞などでオシッコが出ない症状は、オス、メスともに突然起こるケースが多い。

朝にそのような症状が見られたならば、半日程は様子を見てもいいが、夕方になっても出ない状態が続くなら動物病院へ。オシッコがまったく出せない状態が続くと4日目には命を落とす可能性もあるため、緊急症状と考えて早めに動物病院で処置してもらうことが大切だ。
 
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2.お腹が急に膨れる

【考えられる病気】
急性胃拡張、腹腔内の急性の出血、急性膵臓炎など

膨れる度合いで考えられるケースに違いがあり、食事や散歩後なら胃拡張を起こしている可能性が考えられる。

食事と関連していなければ、腹腔内で出血がある、オシッコがたまっている、臓器が腫れているなど、いろいろなケースがある。

いずれにしても、これらの場合はお腹が急に膨れ、犬自身も苦しくなってくる。急いで動物病院へ連れて行かないと数時間後に命を落とす可能性もある。

また、お腹が膨れていなくても、急に元気がなくなり、お腹をさわるとカチカチにかたく張っていて、犬が痛がる場合も緊急疾患と考え、早めに動物病院へ。

 
3.まっすぐ歩けなくなった

【考えられる病気】
脳神経障害、貧血、椎間板ヘルニアなど

さっきまでは普通に歩いていたのに、突然ふらついてまっすぐ歩けず、足がもつれているようならば、10~15分程様子を見てみる。

意識があってふらついているようなら、歯茎の色もチェックしてみよう。歯茎の色がいつもと比べて白っぽくなっていたら貧血を起こしている可能性が高い。しばらく様子を見ても症状が治まらなければ動物病院へ。

もし、横たわってしまい、動けない、立てない、意識がない状態ならば、すぐに動物病院へ連れて行くこと。

 
4.眼をしょぼしょぼさせている

【考えられる病気】
角膜炎、緑内障など

眼をしょぼしょぼさせて、痛がって眼を開けられない時は、角膜に傷を負っていたり、緑内障の初期の症状の可能性が考えられる。

緑内障は発症してから48~72時間で失明するものといわれているため、できるだけ早期の治療が必要だ。

これらの症状が見られたら、その日のうちに動物病院に診てもらうこと。気づいたのが夜であってもすぐに動物病院で診てもらった方がいい。

眼は代用品がない場所なだけに、眼に関するトラブルはいずれの場合も早めに治療してもらうこと。

犬の緊急サイン

 
5.42℃以上の熱

【考えられる病気】
熱中症、感染症など

犬の平熱は38℃台で、人間の平熱に比べると高い。熱中症や重度の感染症を発症すると42℃以上の高熱が出る。この場合は緊急に動物病院で診てもらうこと。

夏場の炎天下における散歩や、車内、サンルームなどでは注意が必要だ。

さらに、冬でも、狭く換気の悪い部屋でストーブをつけるなどして、温度と湿度が異常に高くなっている状況だと熱中症を引き起こす可能性はある。

また、40℃以上の発熱がある場合には、吐き気や下痢の症状がなくてなんとなく元気がないだけでもその日のうちに診察を受けた方がよい。

 
6.黄疸が見られる

【考えられる病気】
黄疸:肝臓疾患、腸管閉塞、膵炎、バベシア、レプトスピラ、溶血など

赤から紫の斑:血小板減少などの血液凝固障害、何らかの原因による内出血など

粘膜部分や皮膚が、いつもの色と比べると黄色っぽい。オレンジ色っぽいならば黄疸が考えられる。

飼い主が見て黄疸かどうか判断しやすいのは、白目の部分。腹部の毛が薄い部分も皮膚の色が分かりやすい。

黄疸が見られた時も緊急症状なので早めに病院へ。

また、全身性の内出血があったり、血液中の血小板が減少していると、赤から紫の斑がお腹や体中に出てくる場合がある。吐血など大量の出血がある前にそれらが見られることもある。

これらに気づくためにも、普段からスキンシップを兼ねて全身をチェックしておこう。

 
7.呼吸が苦しそう

【考えられる病気】
脱水腫(感電や強い揮発性ガスを吸い込んだなども含む)、肺炎(誤嚥性肺炎を含む)、胸水、咽喉頭麻痺、誤食による呼吸困難、器管の気道閉塞など

ハァハァと空を見上げるようにしてあえぎ、呼吸が速い場合は、肺や胸、器官や食道に何らかのトラブルが起こっている可能性が考えられる。

舌の色をチェックして、紫色ならば酸素不足で窒息状態、紫とピンクの中間のような色ならば肺水腫を起こしている場合がある。様子を見ずに早めに病院へ。

また、電気コードを噛んで感電した、漂白剤やカビ取り剤、ペンキなどの揮発性ガスを吸い込んだ場合も、それが原因で肺水腫を招くことがある。これらはすぐに症状が出ずに、だいたい24時間後に呼吸が苦しくなって命を落とすケースもある。気づいたらすぐに受診を。

 
 
8.けいれん発作が続く

【考えられる病気】
けいれん発作:てんかん、脳炎、脳腫瘍などの脳疾患。中毒、低血糖症、尿毒症など。

意識を失う:不整脈、極度の痛みや精神的ショックなど

けいれん発作が起こっても、5分以内におさまって犬自身もケロッとしているなら、しばらく様子を見ておいてもいい。

5分経ってもけいれんが治まらない、5分経っても意識がないという場合は、少しでも早く対応してもらう必要がある。

けいれんが1~2時間続けば、命にも関わる。まずは動物病院に電話を入れて指示を仰ぐこと。

また、突然意識を失った場合も何かしら異常があると考えよう。1分以内に起き上がって、その後普段と変わらなければ様子を見てもいいが、2、3分経っても起きない、悲鳴をあげてから倒れたならば、動物病院で診てもらうこと。

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犬の緊急サイン

 
9.大量の出血がある

【考えられる病気】
鼻血:鼻腔線ガン、重度の鼻炎や歯周病など

血を吐く:胃腸系のガン、重度の胃炎、血小板減少症など

血尿:膀胱炎、膀胱ガン、前立腺肥大(未去勢のオス)など

ケガで出血が多い場合、貧血を起こす可能性のあるので早めに受診を。

鼻血は量と回数にもよる。くしゃみとともに飛び出すようなら早めに。

血を吐く場合も、出血した部位によって違いがある。胃ならばオエッと吐いたり、肺ならば勢いよく吐いたりするが、飼い主には区別はつけにくい。いずれにしても血を吐いたら、量に関わらず直ちに動物病院へ。

また、真っ赤な血尿が大量に出た場合も、そのままにしておくと貧血を起こすため緊急症状となる。この場合も様子を見たりせずに動物病院へ連れて行くこと。

 
10.誤飲・誤食

目を離している隙に、愛犬がうっかり何かを食べてしまった、何を飲み込んだのか分からないけれど、ぐったりしている時は早めに動物病院に診てもらうこと。

ネギ類やチョコレートなどは、犬が食べると中毒を起こす代表的なもの。

食べ物以外でも異物を飲み込んでしまうと危険。家の中は整理整頓を心がけよう。

散歩中に拾い食いの傾向があるならば、散歩コースに犬が口にしてしまうようなものがないかよく見ておこう。

 
11.その他

ここで紹介した症状以外にも様子を見たりせず、すぐに動物病院へ連れて行かなければならない状態がある。

例えば交通事故や高い場所からの転落事故の場合は、見た目に問題がないとついつい様子を見てしまいがちだ。

しかし、内臓などに何らかの異常があることもある。念のためにも早めに動物病院で診てもらうことを心がけよう。

 

判断が難しい時は電話で相談を

緊急症状だと思っていても、もしかしたら数日前からその症状が起こっていたということもある。

愛犬の様子がおかしいと思ったら、早めに動物病院で診てもらうことが大切だ。症状を悪化させれば、それだけさまざまな検査が必要となったり、合併症を引き起こす可能性がある。

もちろん、突然愛犬の具合が悪くなることもある。そんな時のために、かかりつけの動物病院が夜間や休日でも診察してもらえるのか確認しておこう。診察時間外の診察を行っていない場合は、緊急時用に連携している動物病院を教えてくれることもある。

愛犬の状態が緊急症状なのか分からない場合、まずは動物病院に電話で相談すること。愛犬の症状を詳しく説明し、すぐに連れて行ったほうがいいのか、それとも明日まで様子を見て診察時間内に連れて行けばいいのか判断してもらおう。

 
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コーギースタイル Vol.33『緊急症状を知っておこう』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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